心理テストで今のあなたがまる分かり！ 映画パーソナリティ伊藤さとり
毎月連載
第57回
このテストで分かること。それはアナタの“今のお疲れ具合”です。そんな時に持つラッキーアイテムもお伝えします。
Aを選んだアナタは
“お疲れ具合70％” ラッキーアイテムは“好きな人の写真”
今のアナタのお疲れ具合は70％。晴れやかな気持ちになるのに海の香りが特効薬になるアナタは、型にはまるのが苦手な自由人です。
そんなアナタの今月のラッキーアイテムは“好きな人の写真”。うっかりすると地に足が着かなくってしまうので、好きな人の写真を持っていれば「現実の世界で頑張るぞ」と思えるはず。
そんなアナタにオススメの映画は『銀河鉄道の父』。際立つ文才を持つ宮沢賢治の生育環境を知り、父親の暖かな眼差しから“自己肯定”を高められる作品。役所広司、菅田将暉という芸達者な共演に創作意欲が湧くかも。
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Bを選んだアナタは
“お疲れ具合100%” ラッキーアイテムは“太陽”
今のアナタのお疲れ具合は100%。遠くへ早く行くことで現実逃避が特効薬になるアナタは、色んなことに想いを巡らせる空想人です。
そんなアナタの今月のラッキーアイテムは“太陽”。嫌なことがあったらエネルギーチャージの為に日光浴を。さらに明るい色の服を着ることで“心が明るく”なり、嫌な気分から解放されます。
そんなアナタにオススメの映画は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。魔法の世界に迷い込んだマリオとルイージ兄弟の世界救済アドベンチャーは、心躍るカラフルな画と胸アツのストーリーで間違いなく気分爽快。
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Cを選んだアナタは
“お疲れ具合50%” ラッキーアイテムは“ミント”
今のアナタのお疲れ具合は50%。人からの指示に疲れやすく、ひとりの時間が特効薬となるアナタは、自分の考えをしっかり持つ人です。
そんなアナタの今月のラッキーアイテムは“ミント”。イライラはミントガムやミントの香りでスッキリデトックス。一瞬、一瞬、イラっとするから“ひとりになる”場所を作っておくとベスト。
そんなアナタにオススメの映画は中国アニメーション『雄獅少年／ライオン少年』。獅子舞でのバトルに魅せられた少年と友達による弱小チームの汗と涙の物語は、夢はひとりじゃ叶えられないと美しく躍動する映像で伝えてきます。
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Dを選んだアナタは
“お疲れ具合30%” ラッキーアイテムは“新しい靴”
今のアナタのお疲れ具合は30%。基本、ストレスを溜めないように日々、心の調子をチェックするデトックス名人のアナタ。
そんなアナタの今月のラッキーアイテムは“新しい靴”。人付き合いだからといって気分が乗らなければ、断ることだって大切。お気に入りの靴を履いたら“新しい場所”へ行って楽しい発見があるかも。
そんなアナタにオススメの映画はケイト・ブランシェット主演『TRA／ター』。圧倒的な演技力によるパワフルで支配的なキャラクターにしばらく放心状態かも。人間の才能と紙一重の狂気を目にし、脳も活性化されること間違いなし。
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父親の暖かな眼差しから“自己肯定力”を高められる作品
『銀河鉄道の父』
令和４年10月1日に“育児休業制度”が改定されたばかりの日本。その中で新たに創設されたのが“産後パパ育休”なるもので、子供の出生後8週間以内に4週間まで取得が可能になり、分割して2回取得出来るというものです。まぁあくまでも雇用されている人向けではありますが、日本でも少しずつ“子育ては母親の仕事”という概念を取り壊そうとしているのです。
そんな現代に、男性優位の明治時代で特異な子育ても描いた映画が公開。それが詩人であり童話作家の宮沢賢治の父親にも焦点を当てた『銀河鉄道の父』でした。
主人公は長男が生まれたばかりの質屋の店主・政次郎（役所広司）。「子育ては女性の仕事」という父・喜助（田中泯）の助言を制し、賢治と名づけた息子が病気になれば病院に付き添い、当時にしては珍しい文学を学ばせることも良しとする父親になります。そうして育った賢治（菅田将暉）は、家業を継ぐことを拒み、農業大学へ行きたいと両親に伝え、政次郎はしぶしぶ賢治の願いを叶えていくのですが……。
今となっては家業を継ぐのも子供の意思次第ですが、当時としては政次郎の“子育て論”は、奇抜だったに違いなく、ひとつのことに没頭しすぎ、人前でも我を忘れる息子を止めようとしない対応は、間違いなく“自己肯定力”を高める子育てでした。物語からは賢治を含め、家族が語らい、支え合い、互いの心と心が向き合っている関係が映し出されます。
それは暴れる祖父を抱きしめる賢治の妹・トシ（森七菜）の声がけからも読み取れ、賢治の一番の理解者と言われたトシの人柄が垣間見られるシーンでした。
特にトシに対して賢治は強い思い入れがあり、トシの死後に“トシへの詩”を多く残しています。けれど劇中の焦点は、父親から見た息子であり、息子から見た世界であって、やがてその想いを綴った文章が多くの人の心を捉えるんだと予言するような映画になっています。
繊細な視点と心を持つ賢治を演じるのに、文字を真似て、チェロを練習し、しまいには実際に弾きながら歌うことまで達成させた菅田将暉さん。そのストイックな役作りが宮沢賢治という人間にリンクした結果、スクリーンから見えてくるのは“型にはめないから才能は開花する”というものでした。それでいて映画はシリアスなのに笑えて泣けるファンタジー。それこそが“人生”というものなんですよね。
『銀河鉄道の父』
5月5日（金）公開
(C)2022「銀河鉄道の父」製作委員会
伊藤さとり（映画パーソナリティ）
映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。
「ひるおび」（TBS）「めざまし8」（CX）にて映画解説レギュラー。「ぴあ」、「otocoto」、「GLOW」他で映画コラム、「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」俳優対談＆監督対談番組（Youtube）。心理カウンセラー活動から映画心理本も出版、心理テストをパンフレットや雑誌に掲載。日刊スポーツ映画大賞、日本映画批評家大賞、日本映画プロフェッショナル大賞、東映チャンネルほか審査員も→公式HP
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