心理テストで今のあなたがまる分かり! 映画パーソナリティ伊藤さとり

【心理テスト】自分の満足度とアナタの対人関係スタイルは? おススメ映画も診断!

毎月連載

第67回

映画パーソナリティーであり心理カウンセラーでもある伊藤さとりさんによる心理テストです

【問題】
目の前にアナタの為に用意されたという小さなケーキがあります。買ってきたのは、自分の為に集まってくれた3人で、みんなあなたひとりで食べるようにと勧めます。でも実はアナタが嫌いな味のケーキ。さぁ、あなたはどうしますか? 以下の回答から自分の行動に近いものを選んでください。



この心理テストでわかること。それはズバリ、アナタの現在の“自分満足度”と対人関係です。今のあなたが自分をどれだけ愛しているか。アナタの対人関係スタイルも分析しちゃいます。

Aを選んだアナタの対人関係スタイルは
“人との距離感に悩まされるタイプ”

アナタは人との距離感に悩まされるタイプ。今の自分のことは大好きだけど、気分が顔に出てしまうところも。社交辞令は忘れないものの、嘘も顔に出てしまいがち。無意識に自分の中で、自分が疲れない程度に人との距離を線引きしてしまう傾向が強めです。それも防衛本能と言えばその通り。

そんなアナタにおすすめの映画は『ビニールハウス』。少年院から出てくる息子の未来を考え、事件を隠蔽しようとする母親の必死の行動が悲劇を招く展開に。この刺激は創作意欲を生みます。

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Bを選んだアナタの対人関係スタイルは
“甘え上手で好き嫌いがハッキリしているタイプ” 

アナタは甘え上手で好き嫌いがハッキリしているタイプ。今の自分に対してももっと評価してくれたらいいのにと内心思っているところも。人付き合いは得意な方で、困った時に助けを求められる人も何人か居るはず。実は自分が思っているよりも愛されキャラであることをお忘れなく。

そんなアナタにおすすめの映画は『12日の殺人』。何故、女子大生が何者かに焼かれて死んだのか? 捜査の行く末と人間の心の闇を覗き込むサスペンスは、しばらく頭から離れない衝撃を受けます。

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Cを選んだアナタの対人関係スタイルは
“周囲を見ているタイプ”

アナタは周囲を見ているタイプ。人との距離感も絶妙で空気を読みつつ自分が無理しない行動範囲で生きている人。裏表もあまりないように見られるものの、実は友達の反応を見ています。自分自身のことも嫌いではないはず。興味がない人からの批判は無視、ほどほどの人付き合いが好み。

そんなアナタにおすすめの映画は『コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー』。中絶禁止法があったアメリカで女性の権利の為に活動する女性たちに、誰かの為に頑張る清さを目にするはず。

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Dを選んだアナタの対人関係スタイルは
“相手に気を遣いすぎるタイプ”

アナタは相手に気を遣いすぎるタイプ。人の気持ちを汲む達人で感謝されることも多く、それで自分の良さを認められる人です。気を遣いすぎて無理が祟って気分がダウンすることも。更にアナタの優しさに甘えてくる人もいるので注意。無理だと思うことは理由をつけて回避するのがベスト。

そんなアナタにおすすめの映画は『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』。幼馴染の女子高生たちが、空に円盤が存在する世界で日常を生きようとする中、気づく衝撃の事実に興奮。

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Eを選んだアナタの対人関係スタイルは
“人付き合いが下手なタイプ”

アナタは自分でも分かっているくらい人付き合いが下手なタイプ。自分のことはあまり好きではないですか? 嘘をつけない素直なところも長所だし、好きな人の期待に応えようとする頑張り屋さんでもあります。忙しいとテンパってしまうのでそんな時は人との交渉は避けるのがベスト。

そんなアナタにおすすめの映画は『変な家』。オカルト専門家の男と変人設計士のバディものミステリー。同じ趣味や興味を持つ人との交流から自分の才能を発揮する彼らの物語に共感するかも。

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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画

真の幸せにアナタは気づいていますか? 『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

元祖ラブロマンスの貴公子リチャード・ギアも出演の大人の恋愛群像劇

大人の楽しい恋愛映画が昨今減ってきているなぁと思っていたところに登場した大人の恋愛群像劇『アバウト・ライフ 幸せの選択技』。しかも主人公のひとりは元祖ラブロマンスの貴公子、リチャード・ギアだからこそのキャラクターなんです。

それは、『愛と青春の旅立ち』(1982)で士官候補生のキラキラな恋愛を経験し、『プリティ・ウーマン』(1990)でイケメン実業家と売春婦の大胆な恋愛も経験し、『オータム・イン・ニューヨーク』(2000)での結婚恐怖症のイケオジが恋愛を克服する経験を積んだギア様だから。だって、自分の老いに自信を失い、社会にも不安を抱える不倫既婚者という設定なのだから。

人生順風満帆なモテ男だったがゆえの不安なのだろうと納得したのは、リチャード・ギアという俳優の今までの役のイメージのおかげで、それが良い形で映画に影響を及ぼしているのです。

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

しかも浮気相手の役には、シガニー・ウィーバー。思えば『ゴーストバスターズ』(1984)で恐ろしい神に取り憑かれ妖艶な女性に変身した経験と、『ワーキング・ガール』(1988)で恋に仕事にバリバリ、欲しいものはなんでも手に入れる女性上司を演じた経験があったからこそのゴージャスで自信に満ちた熟女役です。

そんなリチャード・ギアの本妻グレースに、ダイアン・キートンというのも面白い。彼女の代表作というと、『アニー・ホール』(1977)であり、パンツスタイルの抜け感あるファッションが印象的で、今作では、“気さくなアニー”がまるで歳を重ねたような役どころ。

監督がダイアン・キートンの役柄をイメージして書いたというグレースは、映画館で映画を観ながら泣いている男性に声をかけてしまうくらい気さくで親切だから、彼女以外に考えられないのです。

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

展開もイマドキなラブコメディに

では、映画館で泣いている男性を演じたのは誰かというと、『ファーゴ』(1996)で借金で追い詰められ誘拐事件を企てる夫役のウィリアム・H・メイシー。悩める男が似合う俳優の終始困った表情は、どこかクスッと笑え、映画がラブコメディであることを伝えてくれるエッセンスに。

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

そんな大人のラブコメディとなれば、『ラブ・アクチュアリー』(2003)よりもややディープになるはず。案の定、不倫をする根本的な問題や、男としてのプライドや口に出せない不安みたいなものが描かれるのが今までの映画に無い点です。

まさに“男らしさ”に囚われた中年男性たちが、“誰かに必要とされる”ことで承認欲求を満たそうとしていた滑稽さも見えてくる本作。だけどそれだけじゃなく、若いカップルが“結婚では幸せになれない”という思い込みからすれ違いが起こる展開もイマドキなのです。

『アバウト・ライフ 幸せの選択技』
2024年3月8日(金)公開
(C)2023. FIFTH SEASON, LLC. All Rights Reserved.

プロフィール

伊藤さとり(映画パーソナリティ)

映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。