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心理テストで今のあなたがまる分かり! 映画パーソナリティ伊藤さとり

【心理テスト】アナタの“サバイバル力”と、人間関係で注意すべきこととは?

毎月連載

第76回

【問題】
影響力ある人に気に入られたアナタ。ある日、その人主催の会食に誘われ、その人と会いたがっていた親友を誘って行くことに。すると会が始まって早々に、その人から親友の服装を馬鹿にされ、来ていた人達の笑いのネタになってしまいました。食事会はスタートしたばかりで、親友は黙っています。アナタはどうしますか?



この心理テストでわかること。それはアナタのサバイバル生存率です。会食は、主催者の人間関係を表す世界。そして親友は、言い換えればアナタの分身です。誰かのコントロール下にある状況で、アナタの選択がアナタの人生を左右するのです。

Aを選んだアナタは
“危機的状況になると判断を誤ってしまう可能性あり”

親友の意見を聞くことは思いやりある行動に見えますが、実は問題を他者に責任転換しています。自分で何かを決めるのが苦手なアナタは、頼れる人がいない中で危機的状況になると判断を誤ってしまう可能性あり。自分で判断できるクセをつけないと、サバイバル的状況下で大切な人から信頼を失うことも大いにあるので注意。日頃から自分ならどうするかを考えて行動するクセを。

そんなアナタにオススメの映画は『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』。ある家族が旅先で出会った家族と過ごすことで見えてくる異常性。この映画を観ると自分だったらこの状況で助かるか否かが分かります。恐ろしや。

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Bを選んだアナタは
“グループで危険に晒されたら一緒に落ちていく可能性も!”

その場の空気を考えて行動することは、主催側にとっては良いことだし、出世のチャンスも手にできる人です。今は私生活よりも仕事で成功したいという思いが強い時期なのかもしれません。ただし危険を伴うグループに所属することは、彼らが良い時は幸せですが、危険に晒されたら一緒に落ちていくということ。自分がひとりになった時、救ってくれる人がいるのかを大事に人付き合いを。

そんなアナタにオススメの映画はドキュメンタリー『小学校~それは小さな社会~』。日本のある公立小学校の授業風景。共同作業を重視する教育から見えてくる思いやりを目にすると、助け合いを学ぶ教育だと気づくのです。

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Cを選んだアナタは
“危険が近づいてきている時に現実に目を背けていると大変なことに”

争いを好まない人であり、波風を立てることを嫌う人です。平和な時はいいですが、危険が近づいてきている時に現実に目を背けていると大変なことになってしまいます。時すでに遅し、にならない為にも状況を把握し、今の自分にできることを考えて行動することが大事。人間関係は命綱でもあるので、大切な人の心の声に耳を傾けることで、一緒に危機を乗り越えることが出来るんです。

そんなアナタにオススメの映画は『ホワイトバード はじまりのワンダー』。いじめっ子の男の子が祖母の昔話を聞いて、人を傷つける恐ろしさと人の優しさで救われる事実を知る物語。見て見ないふりも命を失う原因になりかねない。

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Dを選んだアナタは
“サバイバル能力に長け、イバラの道も先人をきってズンズン突き進む人”

正義感に溢れ、リーダーになれるタイプの人です。人からの信頼も得るので、決断を託されるシチュエーションも多いでしょう。そんなアナタはサバイバル能力に長け、イバラの道も先人をきってズンズン突き進む人です。だから人一倍傷つくこともあるし、下手をすると理不尽なことも体験するハメに。誰かに怒りをあらわにさえしなければ重要な任務にも。何度でも建て直せる人です。

そんなアナタにオススメの映画は『型破りな教室』。メキシコの実話をベースにしたある授業。これが生徒の成績アップに繋がったという事実は、アナタの企画力に火を着けるかも。規律がすべて正しいわけではないと伝えています。

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Eを選んだアナタは
“危機的状況下での生存率が一番高い人”

かなり勇気ある行動が出来る人です。いわば影の職人と言えるくらい人の気持ちに敏感で対処法を知っているアナタ。出世や人間関係よりも自分が大事な人を思いやり行動しているので、危機的状況下での生存率が一番高い人と言えます。判断力にも長けているのでアナタが好きになった人は安心感に包まれます。注意すべきは会話。退席後、自分で主催者と対話出来る人は信頼されます。

そんなアナタにオススメの映画は『大きな家』。齊藤工がプロデュース、竹林亮監督が児童養護施設にカメラを入れたドキュメンタリー。他者と共同生活をする子どもたちが何を感じ、何を思っているのか。自分自身の人生にも響く作品。

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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画

追い詰められた時に自分の本性まで知る映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』

今年、一番の衝撃恐怖映画だった『胸騒ぎ』をリメイク!

今年、一番の衝撃恐怖映画だと思ったのが、5月に日本公開された『胸騒ぎ』(2022)というデンマーク映画。でもジャンル的にホラー映画ではないんですよ。だって『13日の金曜日』のフレディや『エルム街の悪夢』のジェイソンのようなシリアルキラーが出てくるわけでもなく、『リング』のような貞子的悪霊が出てくるでもないのに怖いんだから。

この見事なまでの心的恐怖映画に目をつけたのが、『インシディアス』(2010)や『ゲット・アウト』(2017)、『M3GAN/ミーガン』(2023)など、主に低予算でホラーを制作してヒット作を生み出す「ブラムハウス」でした。

アメリカ版としてリメイクされた本作『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』は、オリジナル版の良さは活かしつつ、削ぎ落とさせていた設定に目を向け、それぞれの家族の過去が行動に影響を与えていることを観客に理解させながら物語が進んでいく親切設定。

“他者との感じ方の違い”が人生を左右するというテーマで描く行動心理学の映画

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』

いわゆるデンマーク版は、登場人物のバックボーンが見えないから恐怖を感じるのに対し、アメリカ版はそれぞれの人物のバックボーンが見えるからこんな行動に出るのか、と納得しながら逃げ惑うサバイバル映画と言えます。

だから『胸騒ぎ』を観ている人でもスタート地点は同じでも、徐々に見え方が違ってくる面白い作品。それでも物語の軸となる“他者との感じ方の違い”が人生を左右するというテーマは変わらない。

確かに他者との感じ方の違いでトラブルは起こるし、不快感を持つというのは事実だけど、旅先で出会って親しくなった外国人となると、文化の違いだろうと目を瞑ったり、一時の関係だから気分を悪くさせてはならないと我慢したり……。この微妙な距離感のふたつの家族が織りなすサスペンスは、いかようにも調理出来る題材なわけです。

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』

そこに賛同したのが、『スプリット』(2017)、『ミスター・ガラス』(2019)の奇才俳優、ジェームズ・マカヴォイ! 登場シーンから不穏、姿からもはやマッチョイズム! 妻や子どもを抱く様子も後ろから首に手をまわすロック型。これだけでこの男がどんな人物か想像出来てしまう役作りをしたマカヴォイよ。この方のお陰で、デンマーク版では生還できると思った私も無理かもしれないとやや弱腰。しかも楽しげなシチュエーションでも恐怖シーンになって見える、あの眼差し。

それだけでなく、今作のキャスト皆、目が離せないんですよ。子供から大人まで。特にある方には良い意味で演技にイラつかされました。そんな自分ごとになる映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』。人間というのは追い詰められた時に本性が出ると証明する行動心理学の映画です。

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』
12月13日(金)公開

(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

プロフィール

伊藤さとり(映画パーソナリティ/映画評論家)

映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。

「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)にて映画解説レギュラー。「ぴあ」、「otocoto」、「GLOW」他で映画コラム、「伊藤さとりのシネマの世界(東映チャンネル)」、「新・伊藤さとりと映画な仲間たち(Youtube)」俳優対談&監督対談番組。心理カウンセラー活動から映画心理本も出版、心理テストをパンフレットや雑誌に掲載。日刊スポーツ映画大賞&石原裕次郎賞、日本映画批評家大賞、日本映画プロフェッショナル大賞、女性記者&ライター映画賞などの審査員も→→公式HP