映画パーソナリティーであり心理カウンセラーでもある伊藤さとりさんによる心理テストです
【問題】
アナタは才能を認められ、新たな仕事に配属されました。そこは惑星であり、買い物もできない未開拓の地です。しかも誰もが初対面となるところ。ただしコロニーの中の寝泊まりする部屋は、この中から自由に選んで良いとのことです。さてアナタはどの部屋を選びますか?
新年の心理テストのテーマはズバリ!「今年、アナタのバディになるのはだぁれ?」
新しいことを始めるにも新しい場所に行くにしても、誰か頼れる人が居ると居ないとでは大違い。2025年の年初めの心理テストは今年、アナタにラッキーを招く相方は誰なのか。しっかりとお伝えします。
Aを選んだアナタは
“自分とは真逆の才能を持ち、個の意見をしっかり持っている人”
今年は今までの考えをリセットして新しい行動に出ることが吉を呼びます。そんなアナタの今年のバディとなる人は、自分とは真逆の才能を持ち、個の意見をしっかり持っている人。その人と組むことで今まで行き詰まっていたことが打破できたり、新しい事業にも乗り出せます。注意点は「普通なら」という言葉は使わないこと。相棒とのトラブルの原因になります。普通とはあくまでもアナタの中の常識。
そんなアナタにおすすめの映画は、菅田将暉主演『サンセット・サンライズ』。岸善幸監督×宮藤官九郎が脚本。三陸の町での新生活映画は、心をリフレッシュさせてくれ、人との密な関わりの味わいを再確認させてくれます。
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Bを選んだアナタは
“アナタ以上にアナタの好きなジャンルの知識を持った人or違う愛し方をしている人”
今年は好きを更に絞って突き詰めることで良い方向へと向かう年。そんなアナタの今年のバディとなる人は、アナタ以上にそのジャンルの知識を持った人、もしくは違う愛し方をしている人です。広く浅くではなく、ひとつのモノから派生させ更に探求することで、アナタの知識も深まり、仕事へと発展するかも。注意点は「マウントしない」。自分の才能はもちろん、相手の才能も含めて認め合いましょう。
そんなアナタにおすすめの映画は、トニー・レオン×アンディ・ラウ共演の『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』。知恵を使い大富豪になった男を演じるトニーと、彼の不正を暴こうとする刑事演じるアンディの執念に感嘆。何より共演に胸熱。
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Cを選んだアナタは
“アナタに辛口のコメントを言いつつアナタの才能を買っている人”
今年は自分を見つめ直すのに最適な成長の年です。そんなアナタの今年のバディとなる人は、アナタに辛口のコメントを言いつつアナタの才能を買っている人。いわば良い刺激を与えてくれる人です。アナタ自身、いろんなことに興味があるので器用貧乏になっている可能性もあり、ドライな視点を持つ人が吉。注意点は「言い返さない」。気に食わないことを言われても「なるほどね」で一旦受け止めて。
そんなアナタにおすすめの映画は、巨匠ペドロ・アルモドバル監督の『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』。ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアが親友を演じる本作は、センスある衣装にアナタの脳が活性化されます。
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Dを選んだアナタは
“どんな時もアナタの味方となってくれる人”
今年は今まで以上に自分を褒めてあげることで幸せが訪れる年です。そんなアナタの今年のバディとなる人は、どんな時もアナタの味方となってくれる人。嫌なことがあった時にもアナタの話を聞いて慰めて褒めてくれる人を大事にしてください。更にその人に感謝を伝えると幸せがやってきます。自信を持つことでアナタの運気は上がります。注意点は「私なんか」と口にしないこと。いつも「私は偉い」で。
そんなアナタにおすすめの映画は、インドのスター、プラバース(『バーフバリ』)主演SFアクション『カルキ 2898-AD』。一匹狼の賞金稼ぎを演じるプラバースの屈しない姿から自信と元気を貰ってパワフルな年初めを。
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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画
カラフルな世界こそが人生。女たちのバディものから学ぶ『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』
象徴的に使われた“赤”は“情熱的なまでの信念”
スペイン出身、ペドロ・アルモドバル監督の映画というと、“母性と赤”というイメージがあります。『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999)や『ボルベール〈帰郷〉』(2006)、『ジュリエッタ』(2016)、『パラレル・マザーズ』(2021)他、母性を描く作品が多く、“赤”を象徴的に使う監督。
“赤”、それは情熱そのものであり、血の色であり、生命を感じる色でもあります。アルモドバルは映画の中に好んで赤を取り入れますが、特に女優たちに衣裳として着せていることも多いのです。
本作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』でも余命宣告を受けたティルダ・スウィントン演じるマーサと、ジュリアン・ムーア演じる昔の親友イングリッドのファッションにも様々なタイプの赤色が取り入れられています。しかもくっきりとした赤い口紅だったり、あるシーンに登場するトラックの色も赤、しまいには重要なアイテムとなるドアも赤なのです。これらの赤を紐解くと、それは“情熱的なまでの信念”を意味しているようにも思えます。
色彩から読み解く主人公たちの心理
振り返ってみるとアルモドバル監督が描き出す女性は皆、パワフル。本能的に動く女性も多く、本作のマーサもそんな生き方をしてきたことが物語が進むにつれ、浮き彫りになっていきます。マーサの願いは安楽死。しかも誰かの気配を感じながら息を引き取りたいという願いを叶える為に、昔の親友に連絡を取るというかなり大胆な性格。そんなふたりが再び心を寄せ始めると、ソファの色は水色となり、マフラーやコートにも水色は使われます。この“水色”は色彩心理では、癒しという意味にも取れ、ふたりが互いと一緒にいる事で“安心感”を覚えているとも読み取れます。
ただ、本作でもうひとつ象徴的な色が登場します。それは“黄色”。マーサのお気に入りの服としてその色は現れますが、色彩心理では、希望だったり“自由”という意味にも取れるんです。それを知った上で映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』を観ると、マーサの感情が手に取るように分かるはず。間違いなく感情のままにドラマティックに生き抜いた女性だということを。
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』
1月31日(金)公開
(C)2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. (C)El Deseo. Photo by Iglesias Mas.
プロフィール
伊藤さとり(映画パーソナリティ/映画評論家)
映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。
「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)にて映画解説レギュラー。「ぴあ」、「otocoto」、「GLOW」他で映画コラム、「伊藤さとりのシネマの世界(東映チャンネル)」、「新・伊藤さとりと映画な仲間たち(Youtube)」俳優対談&監督対談番組。心理カウンセラー活動から映画心理本も出版、心理テストをパンフレットや雑誌に掲載。日刊スポーツ映画大賞&石原裕次郎賞、日本映画批評家大賞、日本映画プロフェッショナル大賞、女性記者&ライター映画賞などの審査員も→→公式HP