【問題】
目覚めるとアナタは冒険系のコンピュータゲームの世界でアバターになっていました。そこで、自分の服の色を上下で選ばなくてはいけないことに。さて、何色の組み合わせを選びますか?
この心理テストで分かること。それは人生という大冒険の途中で、アナタはどんなキャラクターなのか、アナタも気づかない自分の承認欲求度も分かります。
Aを選んだアナタは
“登山家タイプ”
そもそもアナタはマグロのように泳いでいないと死んだも同然と思えるほど、エネルギッシュ。ミッションがないと不安になってしまう性格なので、「忙しい」と言いながら予定が詰まっていることに喜びを感じています。ただし、ガツガツしているように見られるのを嫌うので、平気なふりをする二重人格。落ち込んでもすぐ立ち上がる負けず嫌いなところがアナタの長所。承認欲求は“隠れ80%”です。
そんなアナタにオススメの映画は『犬の裁判』。負けてばかりの弁護士が犬の弁護を引き受ける実話ベースのコメディ。犬の名演技に惚れ惚れし、勝ち負けにこだわる自分に笑える映画です。
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Bを選んだアナタは
“村人タイプ”
安定を好むアナタは畑を耕すように、与えられたことをコツコツやるのが得意な人。自分に対しても常に冷静に見つめるよう心がけている地に足がついている人です。いっけん、平和主義に見えますが、争いを好まずになんとか生き残ることをモットーにしているので、状況によっては窮地に立った仲間に手を差し伸べない場面も。これも防衛本能。でも相談に乗るのは特技。承認欲求は好きな人限定で50%。
そんなアナタにオススメの映画は『ガール・ウィズ・ニードル』。デンマークで起こった連続殺人事件をベースにしたモノクロ作品。世界で評価された力強い映像は、脳裏から離れないはず。
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Cを選んだアナタは
“姫&王子タイプ”
ファンタジーの世界を愛するアナタは、弱そうに見えて実は頑固な一面もある人。ウサギのように無害であることを他者にアピールしつつ、自己肯定感の高さは人一倍のマイワールドさん。愛されキャラなので好奇心から寄ってくる人もいる分、アナタを傷つける人もいるので要注意。夢中になるとその人を信じてしまう傾向があるので、自分を大切にする人か見極めて。承認欲求は自分の自信付きで100%。
そんなアナタにオススメの映画は『サブスタンス』。デミ・ムーアが若さを手に入れる為に払う大きな代償とは。自己愛と承認欲求の果てを綴る新感覚スリラーは刺激強め。心して堪能して。
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Dを選んだアナタは
“忍者タイプ”
ダークヒーローを好むアナタは、ちょっと天邪鬼な人。誰にも染められたくないという思いで自分を信じて生きているけれど、刺激的な人と出会うと影響されてしまうタイプです。カッコつけてしまうのもアナタの性分なので、本当に困っていても人からは困っているように見られないのが難点。人生、誰かの助けがあって成長するので、もっと感情を見せて生きた方が楽です。承認欲求度は意外と低め20%。
そんなアナタにオススメの映画は『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』。お菓子が3DCGによりアイドルグループになってアクションを展開。描かれるのは真のリーダーと仲間との素敵な関係。
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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画
その執着はなんなのか?『サブスタンス』
本年度アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞。1981年の『恋人たちの選択』でのデビュー以来、62歳にして初のアカデミー賞主演女優賞ノミネートとなったデミ・ムーア。正直、彼女が受賞しなかったことが不思議でならない。だって業界歴が長く、ハリウッドど真ん中、ブロックバスター映画に出演してきたデミでしか体現できないキャラクターで、痛々しいのに魅せられてしまう演技は圧巻だったから。
そんな映画『サブスタンス』のキーワードは“若さと美貌”。
TVで冠番組を持っていた女性が50歳になり、「フレッシュな女性にチェンジするからお役御免」とプロデューサーに言い渡されてしまうのが物語のスタート。絶望を抱えたある日、彼女にお誘いが。それは“若さ”を取り戻す謎の薬の投与。彼女はこの薬に人生を賭けるのです。
こんなぶっ飛んだオリジナル脚本は誰が書いたのか、と思いきや、女性の監督によるもの。フランス人のコラリー・ファルジャ監督は『マッドマックス』や『キル・ビル』といった復讐モノが好みだとのこと。となれば、本作も今まで仲良くやってきたプロデューサーへの裏切りから復讐を描くのかと思いきや、違う方向に感情を展開させる斬新なストーリーに度肝を抜かれたのでした。
主人公女性を追い詰めた社会への問題提起
でもこの映画を、“若さと美貌”に執着した女の物語と簡単に括ってしまっていいのでしょうか?よく考えてみると、色々と首を傾げることが。だってお金への執着ならもっと色んな仕事に手を出しているだろうし、女優業への執着ならシェイプアップ番組だけでは満足できるはずもない。それに50歳にしてはスタイルも抜群で、ダンスもしっかり踊れていたのだから、最近、自分の身体に衰えを感じていたようにも思えない。となればなんなのか。
もしかすると彼女が執着しているのは、“注目される世界”なのでは?と思うのです。
『サブスタンス』の凄さは、単なる復讐ではなく、彼女をここまで追い詰めた社会への問題提起。「若くて美しくなければ必要とされない」と考える一定の人々へ向けた怒りの映画なのではないでしょうか。観ればきっと分かるはず。これは誰もが多かれ少なかれ持ち合わせている“”承認欲求”の映画かもしれない。
『サブスタンス』
5月16日(金)全国ロードショー
(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS
プロフィール
伊藤さとり(映画パーソナリティ/映画評論家)
映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。
「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)にて映画解説レギュラー。「ぴあ」、「otocoto」、「GLOW」他で映画コラム、「伊藤さとりのシネマの世界(東映チャンネル)」、「新・伊藤さとりと映画な仲間たち(Youtube)」俳優対談&監督対談番組。心理カウンセラー活動から映画心理本も出版、心理テストをパンフレットや雑誌に掲載。日刊スポーツ映画大賞&石原裕次郎賞、日本映画批評家大賞、日本映画プロフェッショナル大賞、女性記者&ライター映画賞などの審査員も→→公式HP