心理テストで今のあなたがまる分かり! 映画パーソナリティ伊藤さとり

【心理テスト】アナタの決断で人との関わり方がわかる! おススメ映画も診断

毎月連載

第82回

『We Live in Time この時を生きて』

映画パーソナリティーであり心理カウンセラーでもある伊藤さとりさんによる心理テストです

【問題】
アナタは仕事で、言葉も通じない見知らぬ地へ行かないかと提案されます。この任務は2週間。ただアナタには5歳の子どもがいて、パートナーはとても忙しい人。でも任務につけば、アナタの報酬は上がり、有名雑誌にも取り上げられるとのこと。ただし断っても今のままで咎められないそう。アナタはどんな決断をしますか?

気になる診断結果は?

このテストで分かること、それはアナタの人との関わり方と、アナタ自身の向上心です。

人間関係を乗り物に例えて、アナタのポジションをお伝えします。

Aを選んだアナタは
“船頭さんタイプ”

どうしても言わずにいられない性格のアナタ。人との付き合いでも様々な場面で意思表示をし、自分の思い通りに進めてしまう船頭さんタイプ。自分の夢を叶えるには周囲を説得し、時には周りの迷惑も顧みない人です。向上心がとても強いので、人との共同作業ではトラブルになりがち。ひとりよがりに見られることも。もう少し周りの意見に耳を傾け、自分を抑えられたらアナタの為に動く人も現れるはず。

そんなアナタにオススメの映画は、『メガロポリス』。暴走する野心の恐ろしさを巨匠による芸術的な画で浴びるべし。

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Bを選んだアナタは
“ふたり乗り手漕ぎボートタイプ”

自分だけで判断することを嫌い、常に人に相談するふたり乗り手漕ぎボートタイプのアナタ。協調性があり、パートナーとなる人と絶大な信頼関係を築きます。自分のボスとなる人には従順であり、その人の為に努力を惜しまず行動する人です。ただ向上心がないというわけではなく、自分なりの存在意義を日々、確認しながら生きていくことで、充実した毎日を送れるタイプ。褒めて伸びる人とはアナタのこと。

そんなアナタにオススメの映画は『国宝』。吉沢亮と横浜流星がふたり組で女形に挑む中で、才能に差が見え始める様子に涙。

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Cを選んだアナタは
“乗車客タイプ”

無理はしない、今の状況を受け入れる、そんなアナタは自分で決めた乗り物という人生を謳歌するタイプです。これは流されるという意味ではなく、アナタ自身がその時々で選択した環境の中で楽しめる自分を持った人ということ。良い意味で向上心はなく、マイペースに小さな幸せを喜ぶ人です。欲深さがなく、芯の強さもアナタの魅力。そんなアナタが信頼する人は、間違いなくアナタに似た自立した人。

そんなアナタにオススメの映画は『ルノワール』。カンヌ国際映画祭選出の本作は少女の眼差しがアナタの感性を刺激。

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Dを選んだアナタは
“パイロットタイプ”

自由を謳歌したいけれど、パートナーには誠実でいたい。そう見えて意外としたたかなのがアナタの本質。曲芸乗りのパイロットであるアナタのパートナーになったら、知らず知らずのうちに運命を翻弄させられる結果に。迷惑をかけなければ誰も文句を言うまいという心理は、人間関係でも同じで、適度な距離感で程々に甘えるという行動に。結果、「仕方ないな、やってあげよう」と思わせるのがアナタの賢さ。

そんなアナタにオススメの映画は『We Live in Time』。フローレンス・ピュー演じる主人公はまさにアナタ。共感MAX!

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Eを選んだアナタは
“自転車タイプ”

もはや有無も言わせない強行手段に出るアナタは、協調性ほぼゼロ。自転車でツーリングをするも、自分のペースで気づけば自らひとりサイクリングになっている人。もしやアナタは、人との深い関わりがあまり好きではないのでは? おひとり様を好み、自分が好きなことには投資を惜しまない性格のようです。好奇心は旺盛だし、向上心もまあまあアリ。もし誰かと組む場合は「報連相」を怠らずに、が大事。

そんなアナタにオススメの映画は『フロントライン』。小栗旬ほか豪華キャストの船上ドラマから連帯の大切さを。

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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画

チャレンジャーな妻と慎重派な夫の愛の物語『We Live in Time この時を生きて』

『We Live in Time この時を生きて』

フローレンス・ピューとアンドリュー・ガーフィールドが正反対の性格の男女を演じ、恋に落ちて未来を選択していくラブストーリー。それがA24が手掛ける『We Live in Time この時を生きて』です。

よくある物語と思いきや、実は人生を輝かせる秘訣が詰まった、女性が水先案内人になり、二人三脚で人生を紡ぐ新しいスタイルなのです。

だからこそのキャスティングで、自分の思いをしっかりと口にし、自分らしさを大切にするフローレンス・ピューにしか演じられない主人公アルムートはとてもパワフルで魅力的。

そんな彼女とまた違った魅力を放つアンドリュー・ガーフィールドだからのトビアスが、迷いながらも妻を優しく支える夫として成長する様が胸を打つのです。

『We Live in Time この時を生きて』

映画としては、全く新しいタイプの波瀾万丈な夫婦の物語

確かに本作はラブストーリーだけれど、ロマンチックなだけじゃない、ある試練が待ち受けています。よくある展開であれば、その試練を乗り越えようと夫が妻に手を差し伸べるのですが、そうではないのが本作。

何故ならピュー演じるアルムートは、シェフとして店を持つくらい決断力と挑戦を繰り返してきた女性だから。映画としては、全く新しいタイプの波瀾万丈な夫婦の愛の物語ですが、実際は妻が夫を引っ張っていく夫婦も世界には存在するわけで、今まであまり描かれていなかっただけ。

『We Live in Time この時を生きて』

アルムートのような生き方を、「欲張り」と言う人がまだ居る世の中で、これが男性なら言われないのは何故なのか気づくことが大切。だって男女は平等であり、夫婦で子育てをするのは素晴らしいことなんだから。

アルムートの一挙手一投足に賛同し、尊敬の念を持ってしまうくらい好きだった家族のラブストーリーである本作。

チャレンジャーな女性と慎重派の男性が手を組めば、こんなに優しくて楽しい人生が待ち受けているんだと気付かされたのでした。

『We Live in Time この時を生きて』

6月6日(金)全国ロードショー
(C)2024 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

プロフィール

伊藤さとり(映画パーソナリティ/映画評論家)

映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。

「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)にて映画解説レギュラー。「ぴあ」、「otocoto」、「GLOW」他で映画コラム、「伊藤さとりのシネマの世界(東映チャンネル)」、「新・伊藤さとりと映画な仲間たち(Youtube)」俳優対談&監督対談番組。心理カウンセラー活動から映画心理本も出版、心理テストをパンフレットや雑誌に掲載。日刊スポーツ映画大賞&石原裕次郎賞、日本映画批評家大賞、日本映画プロフェッショナル大賞、女性記者&ライター映画賞などの審査員も→→公式HP