『ヒックとドラゴン』 (C)2025 UNIVERSAL PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
映画パーソナリティーであり心理カウンセラーでもある伊藤さとりさんによる心理テストです。
【問題】
アナタの目の前に4頭のドラゴンが現れました。すべて色が違い、外見も違います。その中の一頭をパートナーにすると運気が上がると言われたアナタ。さてどのドラゴンを選びますか?
題して「アナタに幸運を招くドラゴンは?」心理テストです。
出世を招くアナタの隠れた才能はなんなのか?磨いて幸運を掴みましょう。
Aを選んだアナタは
“相手を傷つけない賢い言葉選びを学ぶこと”
アナタの原動力は怒り。世の中の善悪に敏感で、悪人に怒りを強く覚えているはず。そんなアナタの出世を後押しするのは、真正面からの発言。発言次第で炎上したり、ハラスメントになる現代では、言葉に力を持った人は魅力的。アナタはド正論な発言が出来るので、沢山、本を読んで相手を傷つけない賢い言葉選びを学べば多くの人から信頼を得ます。Let’s try!
そんなアナタにオススメの映画は、カズオイシグロ原作、石川慶監督作『遠い山なみの光』。戦後間もない長崎と80年代のイギリスを繋ぐひとりの女性の回顧録のような物語。静かにミステリアスに進む文学のような映像に魅了されるはず。
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Bを選んだアナタは
“冷静な目で観察し、その先を考えて助言すること”
ドライな視点も持っているのがアナタの魅力。更に先読み出来たらもう無敵です。色々なことに気づくので、周囲の人たちの行動が気になっても、口出ししないようにしてきたかもしれません。けれどチームならばアドバイスすることでミスを免れることも。これからのアナタに必要なのは、先見の明。冷静な目で観察し、その先を考えて助言する力で一気に飛躍。
そんなアナタにオススメの映画は、実写化された『ヒックとドラゴン』。バイキングとドラゴンが居る世界で、自分らしさを証明していく主人公とドラゴンの姿に胸打たれます。映画館で異世界への冒険を楽しんで気分をリフレッシュ。
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Cを選んだアナタは
“悲しいことを笑い話に変えること”
平和主義のアナタ。嫌なことで気分が悪くなるよりも好きなことを考えていたいと思う人です。それもいいですが、嫌な気持ちを誰にも言わずに我慢していたら疲れてしまうので、悲しいことを笑い話に変えられたらGood。弱音も軽ければ相手に悪いと思われずにすみます。笑いある生活は心も潤うので、コメディ映画やコメディアンの番組などを見るのもオススメ。
そんなアナタにオススメの映画は、フランスで260万人動員の大ヒットを記録した『ファンファーレ!ふたつの音』。生き別れの弟との出会いで新たなやり甲斐を見つける主人公と弟、吹奏楽団の運命を描いた作品で人との関わりを再発見。
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Dを選んだアナタは
“素直さを大事にすること”
争いごとが苦手なアナタ。あまり目立つことは好きではないけれど、認められたいとは思っています。自己表現についても悩んでいるかもしれませんがそのままのアナタでOK 。ただし、分からないことは分からないと素直に言った方が人は親近感を覚えます。可愛さとは外見ではなく内面から湧き上がるもの。出来ないものは出来ない、教えて欲しいと言えることで人とのコミュニケーションはスムーズになっていきます。素直さを大事にすれば愛され度もUP。
そんなアナタにオススメの映画は、数々の映画祭で絶賛された『テレビの中に入りたい』。テレビに夢中になったティーンの男女の不思議な運命を綴った本作で、お洒落の更なる楽しみに気づくかも。ヴィヴィッドな映像も可愛くて気に入るはず。
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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画
大人も子どもも興奮が止まらない! 最高の冒険へと誘う『ヒックとドラゴン』
ドリームワークスによる3Dアニメーション映画『ヒックとドラゴン』(2010)を初めて観た時は、あまりに興奮して多くの人にその作品の良さを伝えたものです。父親であるバイキング王と真逆で気弱な息子ヒックと、正体不明のドラゴン(ナイト・フューリー)が少しずつ心を通わせ、やがてふたりでひとつとなり勇気ある行動で世界を救う物語は、子供のみならず大人の心も掴みました。
結果、その年の米アカデミー賞長編アニメーション賞と作曲賞にノミネートされ、シリーズ化にもなり、TVシリーズまで生まれたのですが、その人気は留まることを知らず、遂に実写映画化に。しかも監督はアニメ版もすべて監督・脚本を務めてきたディーン・デュボアなのでアニメーション時の魅力的なシーンをすべて実写に変換させています。
お陰で実写だからこそ期待するドラゴンに乗った際の飛行シーンでの浮遊感は格別。他にもナイト・フューリーのトゥースは、アニメーション時のキャラデザインを意識しつつ、実写に馴染むように可愛くデザインされているので、猫のような仕草をするトゥースに愛着が湧くのです。
そして実写とCGの融合を楽しめるシーンでもある子供たちがドラゴン撃退訓練に挑む場面には、様々な種類のドラゴンが登場し、奮闘する様子がドタバタ劇として表現されて楽しいのなんの。
このシリーズが世代を問わず多くの人に支持されている理由とは?
では何故、このシリーズが世代を問わず多くの人に支持されているのか。
それは、シンプルながら心に刺さるメッセージが詰まっているからです。
ヒックと父親であるバイキング王の関係から、人それぞれ違うのだから型にはめようとしてはいけないことを学び、人間とドラゴンの関係から、自分と違う人種や生き物を得体の知れない存在とみなし、排除しようする愚かさにも気付かされます。
そして何より、ヒックとトゥースの関係から、相手を知ろうとする粘り強い思いが、人の心を開き、信頼関係が生まれるという大切なことが綴られていました。
そんな素晴らしいテーマが詰まった本作は、子供の頃に憧れたドラゴンに乗って空を飛びたいという夢を叶えてくれ、興奮が止まらない最高の冒険へと誘ってくれるアトラクションのような映画なのでした。
『ヒックとドラゴン』
9月5日 (金) 全 国 公 開
(C)2025 UNIVERSAL PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
プロフィール
伊藤さとり(映画パーソナリティ/映画評論家)
映画コメンテーターとしてTVやラジオ、WEB番組で映画紹介の他、映画評論家として映画レビューを執筆。映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。TSUTAYA映画DJを25年務めた。
「ひるおび」(TBS)「めざまし8」(CX)にて映画解説レギュラー。「ぴあ」、「otocoto」、「GLOW」他で映画コラム、「伊藤さとりのシネマの世界(東映チャンネル)」、「新・伊藤さとりと映画な仲間たち(Youtube)」俳優対談&監督対談番組。心理カウンセラー活動から映画心理本も出版、心理テストをパンフレットや雑誌に掲載。日刊スポーツ映画大賞&石原裕次郎賞、日本映画批評家大賞、日本映画プロフェッショナル大賞、女性記者&ライター映画賞などの審査員も→→公式HP