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川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

子供のような遊びが好きなギャング…『狼は天使の匂い』のロバート・ライアン、『雨の訪問者』のチャールズ・ブロンソン…忘れられないエレン・バールの話も。

隔週連載

第57回

 ルネ・クレマン監督の『狼は天使の匂い』(1972年)には、遊び好きのギャングがたくさん出てくる。
 まずボスのロバート・ライアン。子供の頃にビー玉遊びが好きだったらしく、いい大人になったいまもビー玉を大事にしている。最後、死を覚悟して警官隊と撃ち合う時も、ビー玉をそばに置く。
 『目撃者』(1957年)でロベール・オッセンの弟分を演じたジャン・ガヴァンは、ロバート・ライアンの部下。木材を削ってチェスの駒を作る。ビリヤードの玉を投げるのが得意で、これを武器にしたりする。
 やはり部下のアルド・レイは元ボクサー。リングの上で打たれた後遺症か、少し頭が弱い。荒っぽいが憎めない。彼とジャン・ガヴァンは、からっぽの植木鉢のなかに、離れたところからバスケットボールよろしく、丸めた紙を投げ入れて遊ぶ。
 ギャングたちは遊んでいる時、子供のように見える。無論、ルネ・クレマンは、『不思議の国のアリス』を念頭に意図してそう見せているのだろう。