川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

『狼は天使の匂い』のロバート・ライアン、…馬好きのギャングの話から、マリリン・モンローの『荒馬と女』など、馬にまつわる映画について。

隔週連載

第58回

 『狼は天使の匂い』(1972年)のギャングのロバート・ライアンは馬好きで、今度のひと仕事で大金が入ったら「パリに行って馬を買いたい」という夢を持っている。
 本場のフランス映画のギャングにも当然、馬好きがいる。ジョゼ・ジョヴァンニ監督の『ラ・スクムーン(死神)』(1972年)で、ジャン=ポール・ベルモンドの相棒のミシェル・コンスタンタンは馬好き。刑務所から出たあとまずするのは、田舎の牧場に行って馬を眺めることだった。
 ちなみにギャング役で知られたジャン・ギャバンは、池波正太郎の『フランス映画旅行』(新潮文庫、1988年)によると馬好きで、ノルマンディに自分の牧場を持っていたという。
 ジャン・ギャバンは、日本未公開だがVHSになっているジル・グランジェ監督の『エプソムの紳士』(1962年)では、エプソムの競馬場を根城に競馬の情報を売り歩く男を演じている。