川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

「ロング・グッドバイ」の猫好きなマーロウの話から…、ヒッチコック『三十九夜』の記憶力抜群の男の話など。

隔週連載

第59回

 ジョン・ヒューストン監督の『荒馬と女』(1961年)で現代のカウボーイ、クラーク・ゲーブルとモンゴメリー・クリフトが野生の馬を捕えるのは、なんと馬の肉をペットフードとして使うため。ペットフードに馬肉が使われているとは。
 レイモンド・チャンドラー原作の『長いお別れ』の映画化、ロバート・アルトマン監督の『ロング・グッドバイ』(1973年)では、エリオット・グールド演じる私立探偵フィリップ・マーロウが猫好き。
 ある夜、ペットフードが切れていて、夜中だというのに猫のためにコンビニエンス・ストアにペットフードを買いに行く。
 店にはいつものがなく、仕方なく別のものを買って帰る。しかし、猫は味に敏感で見向きもしない。このペットフードも馬肉を使っていたのだろうか。