川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

銃社会のアメリカを描いた映画の話から…『タクシードライバー』『フレンチ・コネクション』…物騒な街だった頃の"荒れたニューヨーク"の話につながりました。

隔週連載

第65回

『ニューオリンズ・トライアル』は、夫を銃乱射事件で殺された女性が、大手銃器会社を訴えるところから物語が始まる。ジョン・グリシャムの原作、『陪審評決』(白石朗訳、新潮文庫、1999年)では、訴訟の相手は煙草会社になっているが、映画では銃器会社に変えられた。
 西部開拓によって発展してきたアメリカでは、個人が銃を保持することは合衆国憲法第二修正によって認められている(「人民が武器をたくわえ、またこれを携帯する権利は侵してはならない」)。
 これは両刃の剣で、銃の保持を認めた結果、自衛のための銃が、いつしか攻撃のための銃となり、大統領暗殺や銃乱射事件が起ることになる。