立川直樹のエンタテインメント探偵
“SHAG”の『THE PROTEST JAM FOR PEACE』、ブライアン・イーノ、日比谷音楽祭……自分の思いに忠実に創造活動を続けるアーティストは、ジャンルに関係なく魅力的だ。
毎月連載
第84回

SHAG『THE PROTEST JAM FOR PEACE』Photo by Keiko Tanabe
本当に素晴らしいライヴだった。7月4日に恵比寿LIQUIDROOMで開催されたサイケデリック・ジャムバンド“SHAG”の『THE PROTEST JAM FOR PEACE』。LUNA SEAとX JAPANで活動するSUGIZOが2002年にSHAGを結成した初期からのメンバーであり、今や日本を代表するベースヒーローであるKenKenがステージで「売れている音楽よりいい音楽を聴こうぜ!」とマイクに向かって言っただけのことはある申し分ない過激かつ濃密なインプロヴィゼーション・バトルは丸2時間、満員の聴衆の気を一時たりとも離すことがなかったが、60年代半ば過ぎにピンク・フロイドやソフト・マシーンが1曲30分を超すパフォーマンスを一晩中展開していた時代に連れていかれるようなサイケデリックな映像もいい感じでシンクロし、思いもかけないような至福のトリップ感をトーキョーで楽しむことができた。