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加古隆 作曲家として、そしてピアニストとして

〜加古隆クァルテット結成〜現在

連載

第11回

(C)Yuji Hori

 2000年に入ると、ますます映像音楽の比重が増して行きますが、その中にあって、一夜で沢山の演奏家が出演する『ライヴ・イマージュ』というイベントが印象的でした。理由としては、それぞれのアーティストのファンがたくさん来てくれたこと。そして、予想もしなかったアーティスト達との出会いがあったことです。ジャズ以外ではソロしかやってこなかった私は、『ライヴ・イマージュ』の他のアーティストとは、お名前は聞いたことがあっても初対面。色々な意味で未知の部分を掘り起こし、新しい可能性を見せてくれたのが『ライヴ・イマージュ』だったのです。まさに知り合う機会ですね。一緒のステージに上る、さらには一緒にツアーに出れば、尚更親しくなるものです。そして、今まで私のことを知らなかった音楽ファンが『ライヴ・イマージュ』を通じて加古隆の音楽に触れてくれたのも大きかったですね。その頃“これまでに作ってきた自分の作品をアンサンブルで演奏する”ということを思うようになりました。例えば、映画音楽などでは、そのすべてをソロで弾けるわけではないので、一部の曲は、映画の中のみで終わってしまうのです。オーケストラ作品なども含めて、それらをなんとか自分のステージで演奏できないかと考えた結果、もう一度グループを持ちたいと強く思ったのです。