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大野智、『鍵のかかった部屋』などでの“変わり者”役がハマるワケ 包まれた“謎”を探る

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リアルサウンド

 大野智が月9初主演を務めたフジテレビ系ドラマ『鍵のかかった部屋』が、特別編として毎週月曜21時より放送中だ。

 2012年4月期に放送された本作は、大野演じる奇才の防犯オタク・榎本径が、弁護士の青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)とともに難解な密室事件を解明していく物語。とにかく本作で特徴的なのが、主人公・榎本径の“変わり者っぷり”だ。犯人探しよりも、「密室の謎を解くこと以外に興味がない」と語るなどミステリーの定番を覆していくさまが痛快。そんな変わり者の主人公が、驚くほど大野とマッチしているように感じられる。

参考:詳細はこちらから

 ライターの佐藤結衣氏は、大野の演技の魅力について「『怪物くん』(日本テレビ系)、『死神くん』(テレビ朝日系)のように異世界のキャラクターや、『世界一難しい恋』(日本テレビ系)での恋愛に不慣れな男性など、いわゆる普通の幸せな男性像というより、ちょっと生きづらさを抱えながらも、なんとか前を向こうとしているキャラクターを演じると光る人だと感じます」と語る。

 そんな大野の代表作としても位置付けられることが多い作品が、2008年に放送された『魔王』(TBS系)だ。本作で大野は、弱きを助け強きを挫く“天使の弁護士”として知られながらも、弟を殺した犯人たちへの復讐に人生のすべてをかける“魔王”としての裏の顔を持つ主人公・成瀬領を熱演。ファンの間でも話題を呼んだ。その高評価の理由について、佐藤氏は次のように語る。

「高評価の理由としては、大野さん自身が持つミステリアスさがより引き出されたことも大きいかと思います。一見、バラエティー番組などでは飄々としているように見えるんですが、Netflixで配信されている嵐のドキュメンタリー『ARASHI’s Diary -Voyage-』では、ソロのダンスの場面で、自身をすごく追い込んで練習している様子が捉えられています。そんな二面性が、『魔王』の主人公に近しい部分もあったりして。周囲の要望に応えることで新たな才能を開花されていく人なのかもしれません。大野さんにとって連続ドラマ初レギュラー出演作、しかも初主演作だった『魔王』は、韓国の人気ドラマを日本でリメイクした作品でした。大野さんからは、そのプレッシャーに打ち勝とうとするような気迫が感じられました」

 そんな大野のパーソナリティーは、本作『鍵のかかった部屋』でも発揮されている。

「『TV LIFE 第22回 年間ドラマ大賞2012 主演男優賞』でのインタビューにおいて、大野さんは『鍵のかかった部屋』について、監督に一番指導を受けた作品だったと語っていて。『抑揚をつけずに』『目まで動かさないでください』といった指導があったようです。彼が動かないことによって、榎本径の得体の知れなさが際立つ。デフォルトであるようなオタク的な演技にとらわれず、立っているだけそういう人に見える。それがユーモラスですよね。演じる立場としては、すごく難しいことだと思うんですが、そうした期待に見事に応えています」 

 さらに、佐藤氏によると、大野の“ミステリアスさ”は演技の方法にも通じる部分があるという。

「嵐のほかのメンバーですと、松本潤さんや櫻井翔さんなども、ご自身のキャラクターを活かした上で、劇中のキャラクターの魅力をより深めているように思いますが、大野さんの場合は、自我自体を消した上でそのキャラクターを演じているように見えます。『大野さんってもしかしたら本当にこういう人なのかな』と毎回の作品で感じてしまう。『鍵のかかった部屋』の榎本径の好きなことに熱中する性格は、大野さん自身にも共通しているが故に、余計そう思ってしまいます。大野さんの“謎”に惹かれて、より深く知りたいと思う。大野さんはそれほど作品の世界やキャラクターに、みんなを引き込んでしまう。そんなところが大野さんの演技の魅力の一つではないでしょうか」

 今回の再放送は、そんな大野の演技を堪能できる絶好の機会。まだ観たことがないという方はもちろん、一度観た方も改めて大野の“謎”に引き込まれてみてはいかがだろうか。