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小籔千豊と本郷奏多が繰り広げた、公家の雅な戦い 『麒麟がくる』に張り詰める緊張感

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リアルサウンド

 あまりにセンセーショナルな結末が戦国の世の厳しさを物語った。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の第26回では、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)を見限った光秀(長谷川博己)が、信長(染谷将太)に単独上洛の道を進言する様子が描かれる。

 近衛前久(本郷奏多)が推挙した足利義栄(一ノ瀬颯)は、将軍の座に就くものの京に上れないでいた。一方、長年関白職を近衛家に独占されていた二条家の当主・晴良(小籔千豊)が、義昭(滝藤賢一)の元服の儀に向けて動きだす。就任早々の将軍不在に加え、ライバルともいえる晴良の出現で、前久は窮地に立たされることになる。

 前久と対立する二条晴良を演じたのは、お笑いタレントの小籔千豊。吉本新喜劇の座長を務めるほか、ドラマでも活躍している。小藪は『マネーの天使〜あなたのお金、取り戻します!〜』(読売テレビ・日本テレビ系)で連続ドラマ初主演を果たし、その後も『陸王』(TBS系)、『テセウスの船』(TBS系)に出演し、芝居の道でも頭角を現す。今回の出演に際し、小藪は「近衛さんや他の方を通して『二条は嫌なヤツだ』と思ってご覧いただけたらありがたいです。近衛前久役の本郷奏多さんがすごく素敵な俳優さんですので、本郷さんをみなさんで応援していただき、そして僕を憎んでいただけたらと思います」とコメントを残している(参考:小籔千豊、『麒麟がくる』第26回より登場 「“二条は嫌なヤツだ”と思ってご覧いただけたら」)。

 この2人の初共演シーンでは、小藪の煽るような芝居を受けた本郷もまた、片側の口角をキュッと上げ、きつく二条を睨みつけるなど、不愉快さを強く表して憎しみを表現する。内裏の落ち着いた佇まいの中で進行するシーンだが、公家の雅な戦いとキリキリと胃を蝕むような緊張感は画面越しにも痛烈に伝わってきた。

 一方で、義景の上洛がはたしてうまくいくのか疑問視する光秀は、酔った勢いもあり義景に本音をぶつけてしまう。その後、伊呂波太夫(尾野真千子)から信長単独での上洛の話を進めてはどうかと焚きつけられ、義景を置いたまま、信長の元へと話をつけに行くのであった。光秀の考えを聞いた信長は、京に上り大きな世をつくることを心に決める。さらに義昭もまた「そなたを信じよう」と光秀の考えに肯定的であった。

 しかし、「越前を出て美濃へ参る」という義昭直筆の手紙に面目をつぶされる形となったのが義景である。憤怒し義昭らを越前から出さないよう国境に兵を集めるようにと言い出した。だがその夜、義景の上洛を良しとしない朝倉景鏡(手塚とおる)と山崎吉家(榎木孝明)が、三淵藤英(谷原章介)と秘密裏に話し合いを進める。これぞ第26回のサブタイトルである「三淵の奸計」だった。翌日、義景の嫡男である阿君丸はあえなく毒殺され、義景はショックのあまり戦意を喪失する。政のために幼子が命を落とすという悲劇が起きてしまった。

 事情を知らない光秀は、義景に挨拶をしないまま美濃へ旅立つことに。ついに信長の家臣としての光秀の姿を見ることができる。智将で名高い光秀が、信長の下でどのような手腕を見せるのか。故郷・美濃へ戻った光秀の活躍に期待したい。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin