トリニティ・カレッジ図書館で撮影された貴重なシーンが 『博士と狂人』本編映像公開
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10月16日公開の映画『博士と狂人』より、本編映像が公開された。
本作は、アメリカでベストセラ―となった、オックスフォード英語大辞典の事実を追ったノンフィクションを映画化したもの。貧しい家に生まれ学士号を持たない学者・マレーと、エリートながら精神を病んだアメリカ人の元軍医・マイナーは、辞典づくりという壮大なロマンを共有し、固い絆で結ばれていく。だが、大英帝国の威信をかけた一大事業に犯罪者が協力していることが明るみになるとプロジェクトは暗礁に乗り上げ、ついには、時の内務大臣ウィンストン・チャーチルや王室をも巻き込んでいくことになる。
本作の映画化に20年以上を費やしたメル・ギブソンがマレーを演じ、『ミスティック・リバー』と『ミルク』で二度のアカデミー賞主演男優賞を受賞したショーン・ペンがマイナーを演じる。さらに、『ゲーム・オブ・スローンズ』のナタリー・ドーマー、『おみおくりの作法』のエディ・マーサン、『僕たちのラストステージ』のスティーヴ・クーガンらが脇を固める。
公開された本編映像は、世界一美しい本が見られる屈指の観光地「トリニティ・カレッジ図書館」で撮影されたシーンを捉えたもの。トリニティ・カレッジ図書館の象徴ともいえるアーチ型の天井と20万点もの古書が並ぶ書架を背景に、叩き上げの学者であるマレー
が、大英帝国が威信をかけた新しい辞典作りの責任者として承認される重要な場面が描かれている。
独学で言語学を極めたマレーがずば抜けた知識を披露するも、生活のために14歳で学校を辞めたと話すマレーに、「あり得ない」と切り捨てようとするオックスフォード大学出版局の理事会。だが、理事会の一員であるフレデリック・ファーニヴァル(スティーヴ・クーガン)だけが、マレーこそが新しい辞典編纂に必要な「万能薬」だと力説する。この後フレデリックは生涯、孤立するマレー博士の味方となる。
トリニティ・カレッジ図書館は、世界で最も美しい本といわれる国宝の「ケルズの書」を所蔵展示し、世界屈指の観光スポットにもなっている。また、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』に登場するジェダイ・アーカイブ(ジェダイ公文書館)のモデルになったとも言われている。
監督作『アポカリプト』では古代マヤ語を再現するなど、常にリアリティを求めてきたギブソン。今回もトリニティ・カレッジでの撮影に加えてオックスフォード大学での追加撮影を望んだが、撮影日も予算もオーバーしていたことで製作会社はそれを認めなかった。両者の主張は平行線をたどり、ついには裁判にまで発展してしまったという。
■公開情報
『博士と狂人』
10月16日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督:P・B・シェムラン
出演:メル・ギブソン、ショーン・ペン、ナタリー・ドーマー、エディー・マーサン、スティーヴ・クーガン
原作:サイモン・ウィンチェスター著『博士と狂人― 世界最高の辞書OEDの誕生秘話』(鈴木主税訳/ハヤカワ・ ノンフィクション文庫)
配給:ポニーキャニオン
2018年/イギリス、アイルランド、フランス、アイスランド/英語/124分/ドルビーデジタル/シネスコ/原題:The Professor and The Madman/字幕翻訳:原田りえ/G
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