さくらしめじの配信ライブ、雨音のキャンプ場から届けた優しい一夜
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さくらしめじ(撮影:鈴木友莉)
さくらしめじが昨日10月23日に配信ライブ「それでも進むから、少しの勇気を。」を実施した。
2人のキャリア上、最も遅い21:00に開演したこの日のライブは、先日配信リリースされたばかりの「きみでした(Acoustic Version)」で幕を開けた。2015年に発表した「きみでした」をアコースティックバージョンでリアレンジしたこの曲を1曲目に選んだ田中雅功と高田彪我は、原曲からぐっとテンポを落としたギター演奏と一言ひと言に切ない思いをにじませた歌声で、愛しい人へ語りかけるように楽曲を届けた。
この日のライブテーマにもぴったりの「まよなかぴくにっく」も優しい弾き語りのアレンジで届けられ、2人が重ねる柔らかなハミングは、彼らの後ろの雨空に溶けるように広がっていった。最初のMCで彪我は「今日はなんとキャンプ場からお届けしています。大自然の中でライブをやっております!」とこの日のライブ会場を明かす。2人が立っていたのは、千葉県のグランピング施設・TOKYO CLASSIC CAMPのクラブハウスのテラス。彪我の言葉に雅功は「画面越しではありますが、自然の空気とか、みんなと一緒に感じられたらと思います」ときのこりあん(さくらしめじファンの呼称)に呼びかけた。
このあとも2人は、アコースティックギターの弾き語りでじっくりと歌声を聴かせるライブを展開。雅功の「センチメンタルも含め、いろんなものを共有したいと思ってここに来ました」という曲紹介から始まったのはコレサワが提供した失恋ソング「届けそこねたラブソング」で、彪我は時折カメラに目配せしながら自身のパートを歌い上げる。続く「きのうのゆめ」では声を張り上げて気持ちを吐き出す雅功のボーカルと、優しく語りかけるような彪我のボーカルの鮮やかなコントラストが楽曲の世界観を広げていた。
炎が揺らめく焚き火に雅功によるモノローグ「今日くらいは自分が自分でいられるように」が乗る映像が映し出されるとライブも折り返し。カメラが再び雅功と彪我を捉えると、彼らは屋外の東屋へとライブの舞台を移動していた。ガーランドや電飾でデコレーションされた特設ステージで、2人はさくらしめじなりの反抗を歌うアッパーチューン「でぃすとーしょん」を情熱的にパフォーマンス。そして彪我は、自身の前で燃えるキャンプファイヤーを見つめながら「僕らの心はいつもこの炎のように燃え上がっております」とカメラの向こう側に向かって宣言した。
雅功がギター奏でるBGMに乗せ“語りモード”に突入した彪我は、「僕らのライブを観て『明日もいいことありそうだな』と思ってくれたら、それだけで僕らは幸せです。失敗したとき、誰でも落ち込むじゃないですか。そんなときに届けたい言葉があるんです。皆さんがいい人生を送れるように、心をこめて歌います」と「ケセラセラララ」を曲紹介した。すると彪我は曲中に、この日に起こしてしまったという失敗エピソードを告白。リハーサル時に、雅功と彪我の間に設けられたきのこ型のアクリルパネルを1枚割ってしまったと明かしつつ「正直めちゃくちゃショックです。悲しいです。そんな失態を犯してしまった僕も、この言葉を知ってるからこそ元気にステージに立っていられる。そう、ケセラセラララー!」と絶叫した。
「ケセラセラララ」で失敗を吹き飛ばした2人は、勢いのままに突入した「Bun! Bun! BuuuN!」でギターを置き、ハンドマイクで飛び跳ねながらありったけのエネルギーをきのこりあんへと届けた。曲を終え「違う場所でやって、違う発見があって。これこそがライブだなって思います。要するに、いろんなことに挑戦したいし、その先で皆さんが笑顔になってくれたら幸せですよ」と噛みしめるように語った彪我。雅功は「一瞬に感じるライブだったけど、その一瞬を最後までみんなと楽しめたらなと思います」と思いを伝えた。2人がこの日のラストソングに選んだのは、未音源化楽曲の「天つ風」。雅功はたおやかなアカペラで曲の歌い出しを担い、彪我は繊細かつテクニカルなギター演奏を見せる。そして2人はまっすぐな歌声を夜空に響かせ、配信ライブの幕を下ろした。
Twitterのハッシュタグ「#夜しめじダゾ」で盛り上がるたくさんのきのこりあんがアンコールを求めると、配信画面は再びキャンプ場を映し出した。雅功と彪我には串に刺さったマシュマロが手渡され、2人は焼きマシュマロを楽しみながらしばしの間トークを展開。この日は彪我の19歳の誕生日であることから雅功は祝福の言葉を贈り、19歳の抱負を聞かれた彪我は「あと1年で20歳になるということで。自分が憧れる大人たちに近付けるよう、自立した人間になりたいです。その第一歩として整理整頓を……部屋の片付けから始めたいと思います(笑)」と笑顔で語った。アンコールでは、さくらしめじのライブを締めくくるおなじみのナンバー「みちくさこうしんきょく」が披露され、2人はカメラの向こう側に晴れやかな表情を向けながらこの曲を歌う。雅功は「キャンプの会場に来てるあなた、みんなで歌おう!」、彪我は「みんなで歌っている瞬間を、つらいときこそ思い出してください!」と呼びかけ、2人が「ラララララララ」と歌うと、「#夜しめじダゾ」のタイムラインにはいつものライブと同じ「ラララ」の“合唱”が生まれていた。
さくらしめじ「それでも進むから、少しの勇気を。」2020年10月23日 TOKYO CLASSIC CAMP セットリスト
01. きみでした(Acoustic Version)
02. まよなかぴくにっく
03. 届けそこねたラブソング
04. きのうのゆめ
05. かぜいろのめろでぃー
06. でぃすとーしょん
07. 青春の唄
08. ケセラセラララ
09. Bun! Bun! BuuuN!
10. 天つ風
<アンコール>
11. みちくさこうしんきょく
※高田彪我の高ははしごだかが正式表記。