ピアノの発表会形式で人生つづる、村川拓也8年ぶりのF/T参加作「ムーンライト」
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「ムーンライト」ビジュアル
「ムーンライト」が、10月31日・11月1日に東京・東京芸術劇場 シアターイーストで上演される。
本作は、村川拓也にとって約8年ぶりとなる「フェスティバル/トーキョー」参加作品。京都・京都市西文化会館ウエスティで2018年に初演された「ムーンライト」では、ベートーベンの「月光」に惹かれてピアノを始めたという、京都に暮らす七十代の男性の人生が、ピアノの発表会形式で紐解かれる。音楽との出会いや20歳から患う目の病など、彼の人生の断片が、村川との対話や世代の異なる出演者のピアノ演奏で浮かび上がっていく。
上演に向けて、村川は「この作品はスピードがゆっくりなので、是非劇場に来ていただき、この作品を観ていただいている時間だけは、ハイスピードに想像力を使わずに済むように、ぼやっとしながら観劇していただけるのではないかと思います」と公式サイトでコメントしている。上演時間は約1時間20分。
村川拓也コメント
8年ぶりに再びF/Tで作品を上演できる事を嬉しく思います。フェスティバルテーマにある「想像力」という言葉を聞いてふと気づいたのは、コロナウイルスの影響で毎日が今までより慌ただしくなり、自分が、明日や来週や1ヶ月後といった少し先の出来事について、より頻繁に想像するようになっているということです。そして、その想像した事が現実になったり、現実にならなかったりと日々結果が更新され、そのスパンをものすごく早いペースで繰り返している。どこかに座ってゆっくり何かを想像して、それが現実になる事を気長に待つ時間は、なんとなく良い時間な感じがしますが、毎日のように近い未来を想像しつづける行為というのは、悪くはないものの、かなり疲れるというかきついなと感じています。この作品はスピードがゆっくりなので、是非劇場に来ていただき、この作品を観ていただいている時間だけは、ハイスピードに想像力を使わずに済むように、ぼやっとしながら観劇していただけるのではないかと思います。
「ムーンライト」
2020年10月31日(土)・11月1日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
構成・演出:村川拓也
出演:中島昭夫、塩原結菜、中野ひかる、伊東沙希子、小泉かをり
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。