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LiSA、劇場版『鬼滅の刃』主題歌「炎」が記録的ヒット スクリーンの外側で生きる一人ひとりにも寄り添う曲に

音楽

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リアルサウンド

 LiSAが10月14日、シングル『炎』(読み:ほむら)とアルバム『LEO-NiNE』を同時リリースした。前者の表題曲は、10月16日公開の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌。後者は、3年半ぶりのフルアルバム。どちらもリリース前から注目を集めていた。結果、オリコン「週間シングルランキング」「週間アルバムランキング」では2作が同時1位を獲得した。これは女性アーティスト作品としては歴代10組目で、宇多田ヒカル以来16年6カ月ぶり、令和では初の快挙となる。

 本稿では、シングルの表題曲「炎」をピックアップしたい。「炎」は、シングルリリースの2日前、10月12日より配信がスタートされ、各種配信サイトのチャートで55冠を達成した(参照:LiSA公式サイト)。この結果はおそらく、“2019年を代表するヒットソングとなったテレビアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマ「紅蓮華」が名曲だったのだから、きっと「炎」も名曲だろう”といった、“LiSA×鬼滅”に対するリスナーの期待値の高さ、絶大な信頼感が招いたものだ。実際、原作漫画を読了済みで、映画でどのエピソードが描かれているのかを把握しているリスナーからは「泣ける」という声が続出している。

 また、配信翌日にYouTubeで公開されたMVは、24時間で200万回再生を突破(参照:LiSA_STAFF Twitter)。過去に発表されたMVよりも速いペースで数値を伸ばしている。海外ユーザーからのコメントが非常に多く、“LiSA×鬼滅”の世界的な広がりが読み取れた。

LiSA 『炎』 -MUSiC CLiP-

 アニメシリーズが最終回を迎え、原作が完結した今でも、多くの人が『鬼滅の刃』の話をしていて、「紅蓮華」が未だチャート上位に残留している現状がある。そして映画公開に向けて、勢いはさらに加速していた。特に、土曜21時からという多くの視聴が見込まれる時間帯に放送された、フジテレビ土曜プレミアム『鬼滅の刃 兄妹の絆』(10月10日放送)、『鬼滅の刃 那田蜘蛛山編』(10月17日放送)の影響力は大きかったのではないだろうか。

 LiSA本人も音楽メディアに留まらず、様々なジャンルのテレビ・ラジオ番組、雑誌等に出演。膨大な量の取材に応じた。ファンからしたら追うべき情報の量が多く、嬉しい悲鳴を上げざるを得ない状況だが、それに対し、彼女は、ハッシュタグ「#きょうのりさ」とともにメディア情報をまとめた手書きメモを自身のSNSアカウントに掲載。以前、この記事にも書いたように、情報のリリースやメディア出演のタイミングを調整することは曲をヒットさせるうえで考慮すべき要素ではある。しかし、それだけではなく、ライブもなかなかできないこの状況だからこそ、今回は特に“1個でも多くの楽しみをみんなと分かち合いたい”、“リリースというイベントを一つのきっかけしてみんなと盛り上がりたい”という想いが強かったのではないだろうか。そうでなければ、忙しいなか、わざわざ手書きでメモを作ったりしないだろう。

 シングル『炎』には、初回生産限定盤/期間生産限定盤/通常盤と3つの形態が存在し、それぞれ異なるパッケージングが施されている。今作に限らず、LiSAは元々、“CDには、CDならではの美味しさを”という考え方のアーティストであるように見えるし、それを受け取るのを楽しみにしているファンも多い(SNSでは、CDの購入報告をするファンの投稿もたくさん見受けられた)。結果として『炎』はアルバム『LEO-NiNE』と合わせて、オリコン週間音楽ランキング1位獲得数史上最多7冠を達成した。(参照:ORICON MUSIC

 戦闘シーンを彷彿とさせるアッパーチューンだった「紅蓮華」に対し、「炎」は壮大なバラード。クレジットは“作詞:梶浦由記、LiSA/作曲:梶浦由記/編曲:梶浦由記”となっている。梶浦は、テレビアニメシリーズから『鬼滅の刃』の音楽を(椎名豪とともに)担当していて、アニメのEDテーマ「from the edge」は、作詞・作曲・編曲を梶浦が、歌唱をLiSAが担当した曲だった(FictionJunction feat. LiSA名義)。梶浦が作曲・編曲を手掛けたということは、“劇伴との温度感・スケールのズレ”のようなものを危惧する必要はないだろう。荘厳なサウンドは、映画館の音響設備だとさらに聴き応えがありそうだ。

 「紅蓮華」は、言葉数が多く、ボーカルに求められる音域が広く、テンポの速い、アクロバティックな曲だった。アクロバティックでありつつも、“高い音域の音を張り上げる”、“声を大きく出す”、“音を長く伸ばす”など、フィジカルの限界を超えることを目指す歌い方に安住しなかったところに、LiSAというシンガーのすごさが表れていた。それは彼女にとって、経験を重ねた今だからこそできる挑戦でもあった。

LiSA 『紅蓮華』 -MUSiC CLiP YouTube EDIT ver.-

 そして「炎」は、そんなLiSAの表現力、歌心を存分に味わえる曲だ。メロディラインの上昇に合わせて、息を吹き込むように歌い込んだあとは、メロディラインの下降とともに息を引くように歌う箇所が必ずといっていいほど訪れる。Bメロが特に分かりやすいが、この起伏に注目してみてほしい。膨らんでは萎む自然な息遣いのなか、“萎む”の方も大切に扱いながら、丁寧に、心の機微を歌っている点が素晴らしい。人の心の最も脆い部分を肯定し、最後には前を向かせてくれるようなーー『鬼滅の刃』のキャラクターだけではなく、スクリーンの外側で生きている私たち一人ひとりに寄り添ってくれるような歌だ。また、原曲を聴いたあとは、「THE FIRST TAKE」の動画も観ることをおすすめしたい。曲の中に自身の感情を落とし込んでいくLiSAの歌唱には、観る者の胸を打つ力があるし、こんな歌を歌い終えたあとであれば確かに、泣きそうになってしまう気持ちも分かる。

LiSA – 炎 / THE FIRST TAKE

 今回は便宜上「炎」一曲の話に留めたが、シングルカップリング曲や、アルバム『LEO-NiNE』収録曲には、シンガー・LiSAの新たな表情が垣間見える曲、サウンド的にも新鮮味を感じさせる曲が多い(個人的にハッとさせられたのは「Leopardess」、「わがままケット・シー」、「1センチ」など。アルバムリリースをきっかけに「unlasting」が再評価されたらもっと嬉しい)。「炎」をきっかけにLiSAに辿り着いた人は、ぜひ他の曲も聴いてみてほしい。そうすればきっと、一層お分かりいただけることだろう。LiSAというシンガーは、今が一番面白い。そしてこれからもっと面白くなるはずだ。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

■リリース情報
5thアルバム『LEO-NiNE』
発売日:2020年10月14日(水)

完全数量生産限定盤(CD+BD+上製本フォトブック付き・豪華仕様):¥5,000+税
初回生産限定盤A(CD+BD):¥4,000+税
初回生産限定盤B(CD+DVD):¥4,000+税
通常盤(CD):¥3,000+税

<アルバム収録楽曲>
01 play the world! feat.PABLO (作詞:LiSA、田淵智也 作曲:PABLO a.k.a. WTF!? 編曲:PABLO a.k.a. WTF!?)
02 紅蓮華 (作詞:LiSA 作曲:草野華余子 編曲:江口 亮)
03 晴レ舞台 (作詞:LiSA 作曲:高橋浩一郎 編曲:高橋浩一郎)
04 マコトシヤカ (作詞:田淵智也  作曲:田淵智也 編曲:江口 亮)
05 cancellation (作詞:LiSA 作曲:PABLO a.k.a. WTF!? 編曲:PABLO a.k.a. WTF!?))
06 愛錠 (作詞:LiSA 作曲:草野華余子 編曲:江口 亮)
07 赤い罠(who loves it?) (作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太)
08 わがままケット・シー (作詞:金井政人 (BIGMAMA) 作曲:金井政人 (BIGMAMA) 編曲:江口 亮)
09 unlasting (作詞:LiSA 作曲:草野華余子 編曲:堀江晶太)
10 ADAMAS (作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:堀江晶太)
11 1センチ (作詞:LiSA 作曲:LiSA、堀江晶太 編曲:堀江晶太)
12 ハウル (作詞:LiSA 作曲:HIDEO NEKOTA 編曲:江口 亮)
13 BEAUTIFUL WORLD (作詞:LiSA 作曲:小南泰葉 編曲:江口 亮)

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LiSA
17thシングル『炎』
発売日:2020年10月14日(水)
初回生産限定盤(CD+DVD)1,600円+税
<収録楽曲>
M1 炎
作詞:梶浦由記、LiSA 作曲:梶浦由記 編曲:梶浦由記
M2 ロストロマンス
作詞:LiSA 作曲:SHO from MY FIRST STORY 編曲:SHO from MY FIRST STORY
M3 Leopardess
作詞:松原さらり 作曲:Hi-yunk (BACK-ON) 編曲:Hi-yunk (BACK-ON)
M4 炎 -Instrumental-

通常盤(CD)¥1,200+税
<収録楽曲>
M1 炎
作詞:梶浦由記、LiSA 作曲:梶浦由記 編曲:梶浦由記
M2 ロストロマンス
作詞:LiSA 作曲:SHO from MY FIRST STORY 編曲:SHO from MY FIRST STORY
M3 Leopardess
作詞:松原さらり 作曲:Hi-yunk (BACK-ON) 編曲:Hi-yunk (BACK-ON)
M4 炎 -Instrumental-

期間生産限定盤(CD)¥1,300+税
<収録楽曲>
M1 炎
作詞:梶浦由記、LiSA 作曲:梶浦由記 編曲:梶浦由記
M2 ロストロマンス
作詞:LiSA 作曲:SHO from MY FIRST STORY 編曲:SHO from MY FIRST STORY
M3 My Friends Forever
作詞:金井政人(BIGMAMA) 作曲:大西克巳 編曲:江口 亮
M4 炎 -Instrumental-

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■ライブ情報
『ONLiNE LEO-NiNE』
【配信日時】2020年12月12日(土)サイトオープン19:00/配信開始20:00
【チケット販売期間】10月9日(金)22:00~12月19日(土)17:00まで
ライブ視聴ページ・チケット販売ページはこちら
【チケット料金】
・一般チケット:3,800円(税込)
・FC「リサラボっ。」限定チケット(デザインカード付き):3,900円(税込)
※FC「リサラボっ。」会員限定で購入できる、デザインカード付きのチケットです。
 チケットの購入には、FC「リサラボっ。」への有料会員登録が必要となります。
 会員登録をしていない方は、チケット販売ページより会員登録をお済ませのうえ、チケット購入にお進みください。
 既に会員の方は、お持ちのアカウントでログインいただけます。

【見逃し配信】見逃し配信公開開始から12月19日(土) 23:00まで
※見逃し配信は配信終了後、準備が整い次第配信スタートとなります。お時間をいただく場合がございますのでご了承ください。
※見逃し配信はチケット購入者のみ可能です。
※チケットは販売期間内にご購入下さい。

『ONLiNE LEO-NiNE ~Episode.0~』
※アルバム「LEO-NiNE」購入者対象配信ライブ
【配信日時】2020年12月10日(木)サイトオープン/配信開始時刻は後日発表となります。
【ライブ視聴ページURL】後日公開となります。
【チケット料金】無料
【視聴方法】
10月14日(水)発売のLiSA 5thフルアルバム「LEO-NiNE」に封入されているチラシに記載されているシリアルナンバーを入力すると、ライブ視聴ページにて観覧可能となります。
【シリアルナンバー封入対象商品】
・完全数量生産限定盤:¥5,000(+税)
・初回生産限定盤A:¥4,000(+税)
・初回生産限定盤B:¥4,000(+税)
・通常盤(初回プレス・初回仕様):¥3,000(+税)

【見逃し配信】見逃し配信公開開始から12月17日(木) 23:00まで
※見逃し配信は配信終了後、準備が整い次第配信スタートとなります。お時間をいただく場合がございますのでご了承ください。
※見逃し配信はチケット購入者のみ可能です。
※配信期間を過ぎますと、シリアルナンバーは無効となります。ご了承ください。

■関連リンク
LiSA Official Website
LiSA Official YouTube