スタジオライカ愛を熱弁、楠野一郎と香川愛生が最新作「ミッシング・リンク」アピール
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第33回東京国際映画祭「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」トークイベントにて、左から香川愛生、楠野一郎。
第33回東京国際映画祭の特別招待作品「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」が東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで11月5日に上映され、トークイベントに「東京喰種 トーキョーグール」などで知られる脚本家・楠野一郎と棋士の香川愛生が登壇した。
本作は「コララインとボタンの魔女」「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」を手がけたスタジオライカ最新作となるストップモーションアニメーション。探検家ライオネルと人間の言葉を話すビッグフットの“Mr.リンク”が、地球の裏側にある伝説の谷シャングリラを目指すさまを描く冒険譚だ。
トークゲストの楠野と香川はスタジオライカ作品への造詣が深く、イベント内でも“ライカ愛”をのぞかせる。「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」の感想を聞かれると、楠野は「ライカ作品は全部観ていますが、この作品は老若男女すべての人が楽しめる間口の広い作品。これまでは子供が主人公で、その成長を描いてきたライカが、初めて大人を主人公にした、とても風通しのいい映画になっていますし、とにかくキャラクターがかわいいですね」と熱弁。香川も「ライカ作品は瞬きするのがもったいないくらいの映像の連続。本当に胸がいっぱいになるくらい感激しました。何より、これまでのライカ作品は小さな世界での出来事だったのが、今回のスケール感はすごいです! 地球を横断する旅!」と興奮気味に絶賛した。
もともとアニメ好きな香川は「アニメ作品はいつもと違う世界を見せてくれるのが魅力だと思っていますが、ストップモーションは実写とアニメの中間を描いている気がして、ほかでは見れないものを見せてくれるんです」と説明。「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」を初めて観たときはストップモーションで作られていることに気付かず、エンドロールのメイキング映像で衝撃を受けたという。そこからライカの魅力にハマり、米ポートランドで行われたライカ展に足を運ぶほどの熱烈なファンとなった。
一方、楠野は「もの作りをするとき、どこまでの嘘を人が受け入れてくれるのかを考えるんです。実写映画の場合は、現実では難しい表現方法や、実在の俳優さんを起用することで起きるイメージとのギャップなど、どうしても雑味が入り込んでしまうもの。でもアニメの場合、観る側も心を開いて観に来てくれるから、より直接的に作り手の愛をお客さんに届けやすいと思うんです」とクリエイターならではの視点で語る。ライカ作品の中では「パラノーマン ブライス・ホローの謎」がお気に入りだと明かし、「エンドロールに流れるメイキング映像も素敵ですよね。クリエイターからの愛を届けるという意味でも素敵な方法だと思う」とライカ制作陣をたたえた。
また香川は「ライカの作品には、多くのクリエイターたちの思いが至るところにあふれているような気がして……キャラクターたちも、まるで一生懸命、大切に育てられた子供たちを観ている気持ちになるんです!」と熱く語る。楠野も「実写や普通のアニメと違って、パペットという実物が残るのも大きいかも。作り手しか彼らに生命を吹き込むことができないし、自分の子供と近い存在になるのかな」と述べ、「『ミッシング・リンク』は本当に誰もが楽しめる作品だから、初めてのライカ作品としてもお薦めです!」とアピールした。
「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」は11月13日より東京・新宿バルト9ほか全国で順次ロードショー。
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