東京フィルメックスが本日閉幕、アゼルバイジャンの映画「死ぬ間際」が最優秀作品賞に
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第21回東京フィルメックス授賞式の様子。
第21回東京フィルメックスの授賞式が本日11月7日に東京・有楽町朝日ホールで行われ、国際審査員を務めた万田邦敏、クリス・フジワラ、坂本安美、エリック・ニアリ、トム・メス、映画祭ディレクターの市山尚三らが出席した。
今年の最優秀作品賞はアゼルバイジャン、メキシコ、アメリカの合作「死ぬ間際」に与えられた。同作では、行く先々で死の影に追われる主人公の旅が描かれる。監督のヒラル・バイダロフはビデオメッセージで「私の作品を選んでくださったことをうれしく思います」と心境を述べ、「お客様の中には、アゼルバイジャンの映画を初めて観た方もいるかもしれません」と観客と本作の出会いを喜ぶ。そして審査員特別賞を獲得した「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」の池田暁は「コンペティション作品はとても素晴らしい映画がたくさん。賞をもらえるかなと弱気になっていたんです」と明かしたあと、「こういう時期ではありますが、映画祭を開催して素晴らしい映画を上映してくださった方々の勇気と努力に感謝したい」とコメントした。
観客賞はアン・ホイ、ジョニー・トー、ツイ・ハーク、サモ・ハン、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム、パトリック・タムによるオムニバス映画「七人楽隊」へ。監督たちを代表してジョニー・トーが「これを機会に日本の映画ファンが香港映画により興味を持っていただけるのを望みます」と映像越しに観客へ呼びかけた。学生審査員賞に輝いた「由宇子の天秤」の監督・春本雄二郎は受賞の喜びを噛みしめながら「『由宇子の天秤』は正しさを信じて疑わない人の危うさを問う内容です」と作品をアピールし、「若い世代の皆さんにとって私の映画作りが1つの指針となるように」と今後について語った。
プロ・アマチュア問わずに企画を募集し、映画の未来を切り拓く可能性を見出すNew Director Awardに選ばれた「熱のあとに」の山本英は「信じてきたもの、信じたいものを紡いだ作品。これからが始まりだと思っているので、この作品と真剣に向き合っていきたい」と意気込む。同賞の受賞には至らなかったものの、審査員特別賞を授けられた「まどろむ土(仮)」を企画した金子由里奈は「人類が滅亡したあとの地球を描いた物語。自分が死ぬまでには絶対に映画化したいと思っています」と目を輝かせた。
なお同映画祭のオンライン上映が11月21日から30日に決定。上映作などの詳細は公式サイトで発表される。
第21回東京フィルメックス受賞結果
最優秀作品賞
ヒラル・バイダロフ「死ぬ間際」
審査員特別賞
池田暁「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」
観客賞
アン・ホイ、ジョニー・トー、ツイ・ハーク、サモ・ハン、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム、パトリック・タム「七人楽隊」
学生審査員賞
春本雄二郎「由宇子の天秤」
New Director Award
山本英「熱のあとに」
審査員特別賞
金子由里奈「まどろむ土(仮)」
タレンツ・トーキョー・アワード 2020
チア・チーサム「Oasis of Now」
スペシャル・メンション
ネリシア・ロー「Pierce」
北川未来「KANAKO」