柳楽優弥が「HOKUSAI」お披露目に歓喜、田中泯は「北斎が一番待っていた」
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左から橋本一、柳楽優弥、田中泯、河原れん。
33回東京国際映画祭のクロージング作品「HOKUSAI」が本日11月9日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映され、キャストの柳楽優弥と田中泯、監督の橋本一、企画と脚本を手がけた河原れんが舞台挨拶に登壇した。
「冨嶽三十六景」で知られる浮世絵師・葛飾北斎の信念と人生を描く本作。青年期の北斎役の柳楽は「時代劇でチャンバラや殺陣ではなく、アーティストを演じられることに興奮しました」と挨拶し、老年期の北斎に扮した田中は「小さな頃から北斎に触れることが多い人生。北斎を身をもって演じることができるのは、このうえない幸せな日々でした」と撮影期間を懐かしむ。
そんな彼らの目が印象的だったという橋本は「カメラ越しに見ながら抱きしめたくなったことが何度もありました。今は叶わないのが残念なんですが、いずれ抱きしめたい」と宣言して2人を笑わせる。河原は人間の“美しい不器用さ”が好きだと話したあと「北斎もきっとそういう人だった。愚直に作品を作り上げて、世に出して何かを伝えようとしていたんじゃないかなと感じます」と北斎への思いを口にした。
本作は今年の5月に封切り予定だったが新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっており、このたび2021年5月に公開されることが明らかになった。柳楽は「東京国際映画祭で皆さんに初めて観ていただける機会ができたのはうれしいし光栄です」と喜び、田中は「ひょっとしたら北斎が一番待っていたタイミングなんじゃないか?と思っています。北斎が喜んでくれると、みんなうれしいですよね?」と観客に呼びかける。橋本は「日本語が通じない国に持っていっても伝わる作品にしたいと思っていました」と作品に込めた思いをしみじみと述べた。
最後に柳楽は「日本映画の大ファンとして、日本映画で皆さんに元気を与えられるような俳優になれれば。その1発目が『HOKUSAI』です」と力を込めて語る。田中は「夢中で作った映画です。ぜひ正直に反応するようにしてください。いいかげんな感動はいらないです(笑)」と来場者にメッセージを送り、ステージをあとにした。
「HOKUSAI」は東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
(c)2020 HOKUSAI MOVIE