BLACKPINK×デュア・リパ、BTS(防弾少年団) RM×ワーレイ……国境越えたコラボ増加の背景
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近年最も成功した若手ソロシンガーの一人と言われるイギリスの女性アーティスト、デュア・リパが、現在最も欧米圏で注目を受けているKPOPガールズグループ・BLACKPINKとコラボレーションすることが発表された。10月19日リリース予定の新曲3曲を収録したスーパーデラックスエディションアルバムのうちの1曲、新曲「Kiss and Make Up」での共演とのことだ。デュア・リパは過去の韓国公演の際にコンサートに訪れたBLACKPINKのメンバー・ジェニとリサとの写真を公開して話題になっていた。
KPOPアーティストの楽曲に欧米の人気アーティストが参加することはさほど珍しいケースではない。古くはJYJのアルバムにカニエ・ウェストが参加したこともあり、最近ではBTSとスティーヴ・アオキやニッキー・ミナージュ、LOOΠAのユニット・yyxyとグライムスなどすでに過去に多くの例がある。今回のケースは欧米のアーティストの楽曲にKPOPのアーティストが参加、しかも既存曲のリミックスやバージョン違いではなく新曲という点が珍しい印象だ。今回のケースと同様に、海外アーティストの新曲にKPOPアーティストが参加している楽曲をいくつか紹介したい。
過去にゲストアーティストとして最も多くの海外アーティストの楽曲に参加しているのはBIGBANGのG-DRAGONと元2NE1のCLだろう。G-DRAGONは自身の作品においても『KCON LA』のステージでRIAA(アメリカレコード協会)で認定されたプラチナアルバムを複数有する大物フィメールラッパーであるミッシー・エリオットをフィーチャリングしたり、「Heartbreaker」がアメリカの人気ラッパー・Flo Ridaの曲の盗作ではないかという疑惑が出た時は逆にFlo Ridaをフィーチャリングした同曲の別バージョンをリリースするなど、海外のラッパーと交流が深いようだ。数多くの海外アーティストとのコラボレーションをしているアーティストの中でも特にミュージシャンズミュージシャンのイメージが強いと言われている。
一方CLは、2000年代EDMムーブメントにおいて世界的に最も重要なプロデューサーの一人と言われるディプロの楽曲に多く参加している。韓国の『SIA(スタイルアイコンアワード)』でもコラボレーションステージを披露しており、一時はディプロのレーベルからアメリカデビューするのではないかという噂もあったほどだ。ちなみにG-DRAGONとCLがダブルでフィーチャリングされた「Dirty Vibe」はブロステップの生みの親であり数々のアワードを受賞してきた人気DJ ・スクリレックスとディプロの共作だが、スクリレックスはKPOPガールズグループ・4minuteの楽曲「Hate」をプロデュースした経験もあり、やはりKPOPとは遠からぬ関係がある。
「Like AG6」でアジア系アメリカ人ヒップホップグループ初のBillboard Hot 100チャート1位に輝いた、Far East Movementは韓国系のメンバーが2人在籍し、LAコリアンタウンを拠点に活動しているというのもあるのか、KPOPアーティストとも複数回コラボレーションしている。「Don‘t Speak」はほぼ少女時代・ティファニーの楽曲と言っても良いほどMVでも全面にフィーチャーされており、メンバー3人はラストに数秒間登場するだけだ。また、彼らの楽曲をプロデュースしている中国系アメリカ人プロデュースグループ・The Stereotypesは近年Red VelvetなどKPOPアーティストのプロデュースも手掛けている。
過去、Billboard 200チャート1位に2回輝いたアルバムを2枚持つラッパー・ワーレイと、今アメリカ騒がせている随一のKPOPボーイズグループ・BTS(防弾少年団)のリーダーであるRMとの共作「Change」。KPOPファンがワーレイの楽曲「Illest Bitch」をRMが昔カバーした動画リンクをタグづけしてTwitterに投稿したところ、ワーレイ本人がそれに反応したことから始まった縁だという。ファンの投稿ツイートがきっかけで実現した、SNS世代らしいコラボレーションだ。
近年はSNSの発達によって異なる国のアーティスト同士がお互いの楽曲に触れたり、相互に交流することが容易になっている。このような環境の変化に伴い、よりフランクに国境を超えたコラボレーションが生まれやすくなって来ているのかもしれない。特に、様々な国の楽曲や流行をフットワーク軽く取り入れることに定評のあるKPOP業界へのオファーは今後も増えていくのではないだろうか。
■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
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