「巨神兵」はメイキングのために制作?樋口真嗣がゴジラまつりで秘話明かす
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樋口真嗣
上映イベント「ゴジラまつり」が本日11月13日に東京・池袋HUMAXシネマズで開催され、トークショーに樋口真嗣が登壇した。
本イベントは、毎年11月2日に行われている「ゴジラ誕生祭」のスピンオフ企画。この日は庵野秀明が企画と脚本、樋口が監督を務めた「巨神兵東京に現わる」と同作のメイキング映像「巨神兵が東京に現われるまで」が前半に上映され、後半に庵野が総監督と脚本、樋口が監督と特技監督を担当した「シン・ゴジラ」がスクリーンにかけられた。
「巨神兵東京に現わる」は、2012年に開催された展覧会「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」で公開された短編作品。樋口は、本作と同展覧会で併映された「巨神兵が東京に現われるまで」について、「特撮って昔のものは完成した映像はあっても、撮影風景があまり残ってないんですよ。だったらどう作るのか説明するために1本作っちゃったほうがいい。だからいわば『巨神兵』はメイキングを作るためのやらせ映像なんです(笑)」と明かす。また、この日来場していた「巨神兵が東京に現われるまで」の撮影を担当した島崎淳に向けて、樋口は「島崎くんがメイキングを撮りやすいように撮っています。だいたいメイキングカメラって邪魔なんですけど、今回は『島崎さんどうでしょうか』って」と冗談を飛ばした。
1カ月ほどの撮影期間を「ぜいたくでした」と振り返った樋口。渾身のカットを聞かれると「全部というか……恐ろしいくらい全部うまくいってる。その中で東京タワーは当時アナログで撮れなかったので、絶対に俯瞰で撮りたいという思いがあって。それができたのがよかったですね」と答える。今回上映された展覧会版と「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」公開時に同時上映された劇場版との違いに関しては、「劇場版はCG解禁だった。具体的には巨神兵が飛んでるところの羽が、庵野監督の要望でより精度の高いものになっています。あとはテンパガラスのビルの間の電柱をCGで作って。電柱がバチバチってなるところはCGで表現しています」と解説。そして「展覧会版は僕らも観ようと思っても観られない。こんなに大きなスクリーンで観るのは初めてだったので非常によかったです」と喜んだ。
円谷英二の出身地である福島・須賀川市に開館した須賀川特撮アーカイブセンターに話が及ぶと、樋口は「特撮博物館の巡回が終わるときに展示品をどうしようと。会社に戻そうとしても新しい作品ができると捨てられちゃうんです。そんな中でマニアは嫌われるんですけど(笑)、このままではまずいと思っていたときに澄んだ瞳で我々に提案してくださったのが須賀川市で」と開館までのいきさつを説明。円谷の遺作となった「日本海大海戦」で使用された戦艦三笠が展示されていることなどに触れながら、「円谷英二さんを生んだ町だと、須賀川の方たちが本当に誇りに思っている。僕も円谷さんにはお会いしたことがないんですけど、聖地巡礼してここで生まれたのかと実感しました。行くだけの価値があります。なんと無料です!」とアピールして、トークを締めくくった。
なお「ゴジラまつり」第2弾は、11月20日に池袋HUMAXシネマズで開催。アンドロイドM11役で出演したロバート・スコット・フィールドのコメンタリー付きで「ゴジラVSキングギドラ」が上映される。チケットは、劇場の公式サイトおよび窓口で販売中だ。