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北村匠海が小松菜奈、吉沢亮らと「さくら」舞台挨拶登場「顔面が強いなと。濃いなと」

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北村匠海(左)、犬のちえをなでる吉沢亮(右)。

「さくら」の公開記念舞台挨拶が本日11月14日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの北村匠海(DISH//)、小松菜奈、吉沢亮、小林由依、監督の矢崎仁司が登壇した。

本作は、ごく普通の家族・長谷川家と彼らの愛犬サクラが、残酷な運命に翻弄されながらも強く生きていく姿を描く物語。一家の次男として生まれた主人公・薫を北村、容姿端麗で破天荒な妹の美貴を小松、ハンサムで人気者の兄・一を吉沢が演じ、美貴の親友カオルに小林が扮した。

北村は「3人で会うと、撮影の空気感や思い出がよみがえります」と小松、吉沢と顔を見合わせ「顔面が強いなと。濃いなという感じがありました」と話し会場の笑いを誘う。小松は北村、吉沢との共演について「最近、メイキング映像を観たのですが、本当に楽しそうにやっていたんだなと。夜の撮影も多くて、深夜ならではの変なテンションになっていましたね。今思えば全然面白くないことも全部面白く感じていました」と回想。吉沢が「いつも菜奈ちゃんは、撮影が終わったあと『おつカレーライス』と言って帰っていくんですが、それで僕たち2人も『おつカレーうどん』『おつカレーそば』とか、よくわからない感じで言ったりしていました」と裏話を披露すると、北村も「今聞いても全然面白くないけど、当時はめちゃくちゃ面白かった」と笑う。

オーディションでカオル役を射止めた小林は「初めての映画出演で、こんなに豪華な皆さんとご一緒させていただくということで、本当に緊張しました」と伝え、「撮影中は夢見心地ではあったんですが、すごくいい刺激をいただきました」とコメント。小林との共演を小松は「バスケのシーンは撮影に入る前に2人で練習をして息を合わせましたね。心と心で通じ合うシーンもたくさんありました。アドリブも多かったので、一緒にお芝居を考えていきました」と振り返った。

原作の魅力を問われた矢崎は「僕は『愛が動機なら、やってはいけないことなんて何1つない』という言葉を胸にずっと映画を撮り続けてきました。原作にはそこが書かれていた。最後に本を閉じたとき、すごく温かいものを感じて……」と涙で声を詰まらせ、「それをみんなに伝えたいと思って映画を作ったんです。皆さんもちょっと温かいものを感じてくれていたらうれしいです」と願いを込める。

ナレーションも担当した北村は「監督も感じられたという、なんともいえない温かい愛情を込められればいいなと思いました。薫を演じるうえで、主観性と俯瞰性を大事にしましたね」と言及。続けて「撮影が終わって、そのまま仮でナレーションを録ったときは、けっこう感情が入ってしまって、音声さんと僕とで泣いてしまいました」と思い返し、「監督が、自分の声がすごくいいとおっしゃってくれたので、自信を持ちながらやりましたね。1人で映画を振り返る優越感も感じました」と述懐した。

イベント中盤にはサクラを演じた犬のちえが登場する場面も。吉沢はちえとの共演を「本当にすごかった。彼女の動き1つでシーンが変わる。芝居がうまいんです」と語る。小松は「動物との撮影は今までになかったので、ちょっと不安な部分もあったのですが、すぐに不安はなくなりました。サクラに助けてもらったし、非常に頼もしかったです」とちえをたたえた。

最後に吉沢は「家族ものの中でもすごく斬新。この映画の中に残酷さやいろんな感情がぐちゃぐちゃと流れています。でも、根本にあるのは愛なんだと。刺さるものがたくさんある映画だと思います」とアピールし、小松は「愛おしい長谷川家を何度も劇場で観てもらえたらうれしいです」と呼びかける。そして北村は「この家族は、笑顔にあふれた幸せな日々を過ごしていました。でもいろんなことが起こり、愛という形が崩壊してしまうけど、また再生していく」と説明し、「家族の形ってそれぞれですが、自分を産んでくれた母や父、兄弟妹をはじめ、友達、恋人など、身近な存在を改めて感じることのできる作品になったかなと。いつまでも温かいものが胸に残る作品になればと思っています」と願いを込め、イベントの幕を引いた。

「さくら」は全国で公開中。

(c)西加奈子/小学館 (c)2020 「さくら」製作委員会