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乃木坂46 山下美月の新センター抜擢は必然か? グループで築いたエースとしての確固たる地位

音楽

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リアルサウンド

 乃木坂46の山下美月が、2021年1月27日にリリースする26thシングルのセンターに選ばれた。乃木坂46にとって10カ月ぶりのシングルであり、白石麻衣卒業後、初めてのシングルである今作。「未来が作られる」と大々的に掲げられた公式Twitterの事前動画は、26thシングルへの期待と重要性を示している。

 そんな中、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で放送された選抜発表。驚きこそあるものの、それはどちらかと言えば「納得」という言葉がしっくりくるのではないだろうか。

 山下が個人としてより注目を浴び始めたのは、2019年の春。専属モデルを務める雑誌『CanCam』の単独表紙を2019年3月号で飾り、坂道AKBとしてセンターを務めた「初恋ドア」のMVが公開されたのが2019年3月だった。翌4月には西野七瀬からバトンを受け継ぐ形でドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』(テレビ東京系)のヒロインを好演。多忙なスケジュールから23rdシングル『Sing Out!』での活動を見送ることとなってしまったが、活動再開の地となった『真夏の全国ツアー2019』のナゴヤドームで山下に送られた声援はすでにグループのエースとして確固たる地位を築いていることを証明していた。

 中でも彼女の人気を分かりやすく表しているのは、今年1月に刊行された1st写真集『忘れられない人』だ。坂道グループのソロ1st写真集としては史上最多の初版14万部スタート、累計発行部数は18万部を突破している。今もオリコン週間BOOKランキングに度々ランクインしており、今後も息の長い、より多くの人に愛される作品になってくことだろう。9月には齋藤飛鳥、梅澤美波とともに出演した映画『映像研には手を出すな!』が公開に。山下はこれまでも映画『日日是好日』(2018年)、ドラマ『神酒クリニックで乾杯を』(BSテレビ東京/2019年)、先述した『電影少女』、さらには『THE突破ファイル』(日本テレビ系)、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)の再現ドラマにも度々出演しており、演技経験と知名度を着実に伸ばしてきていた。

 グループ活動のみならず、モデル、女優、写真集……とあらゆるシーンで活躍の幅を広げる山下。それらは今回のセンター抜擢への大きな要素でもあるが、それ以上に乃木坂46として山下に備わっているのはセンターを継承する覚悟だ。

 3期生としては、2017年8月リリースの18thシングル『逃げ水』での大園桃子、与田祐希のダブルセンター以来。期生毎に考えると、3期生が2度目のセンターを務めるのは1期生以外では初めてとなる。2016年9月に加入して4年が経った3期生。いまだ誰一人卒業をしていない結束力の強い3期生の中で、山下は先頭を切ってひた走ってきたメンバー。そこで山下が見つめてきたのが1期生、2期生の偉大なる背中だった。

 2018年4月リリースの20thシングル『シンクロニシティ』から選抜に立ってきた山下は、毎年の『真夏の全国ツアー』や『BIRTHDAY LIVE』、アジアでの海外単独公演、さらに年末の音楽特番で忙殺の時を過ごしながら、乃木坂46の空気を人一倍に感じ取ってきた。

 『乃木坂工事中』でのコメントや放送の2日後にSHOWROOMで配信された『のぎおび⊿』の山下から伝わってくるのは、「一致団結」という白石の卒業発表時期からグループがより強く纏っている温かな空気感と先輩や同期との絆。フロントメンバーに並ぶ同期の梅澤美波と久保史緒里、信頼する先輩の生田絵梨花と齋藤飛鳥は、山下にとって心強い存在。一人で背負いすぎずにほかのメンバーに身を委ねられるというのも覚悟の一つ。何事にも全力投球で挑んでいた山下にとっては大きな成長だ。山下が願う、ファンにとって幸せで日常の一部であれる乃木坂46像というのも、これから彼女が体現していくセンターであり、グループが、山下が作り出していく新たな未来である。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter