『この恋あたためますか』樹木と浅羽の恋は最高潮の盛り上がり Xデーはクリスマスに?
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空気が澄んだ冬の夜、季節外れの花火、弾む白い息、降り始めた初雪、そして聴こえてくるのはSEKAI NO OWARIの「silent」……と、恋が盛り上がる要素しかなかった『この恋あたためますか』(TBS系)第6話。樹木(森七菜)の切ない想いが、〈夜を泳ぐように過ごしたあの瞬間を このスノードームみたいに閉じ込められたら〉と歌う「silent」にリンクして響く。
浅羽(中村倫也)とは「社長と社員」の関係性でしか繋がっていない樹木は、社長の座を追われた浅羽とはもう2度と会えなくなるかもしれない……と、決死の思いで追いかけた。受け取ってもらえなかったプリン、そして口をついて出た「好き」の言葉もそのままに、浅羽の乗る車は走り去ってしまった。
ところが、新谷(仲野太賀)と共に向かった浅羽の自宅であっさり再会する羽目に。浅羽の態度を見るに、どうやらあの言葉は聞こえていなかったようだと思った樹木は、浅羽を強引に『ココエブリィ』上目黒店へと連れ出す。何の弁明もせずに会社を去った浅羽が、このままでは心が腐ってしまうと思ってのこと。樹木も地下アイドルをクビになって同じ思いをしていたときに、浅羽にもう一度動き出すきっかけをもらった。今度は、樹木が浅羽にとってそのきっかけを作れたらと願いながら。
初めて着る制服、一緒に働く仲間、直接聞くお客様の声……これまで机上のデータでビジネスを動かしてきた浅羽にとって、『ココエブリィ』での日々は新たな発見の連続だった。売上や話題を作る前に、もっと大事な「届けたい」という思いが、浅羽の中に育まれていく。お客様を待つだけではなくお店の方から出向いていく、そんな移動式のコンビニがあってもいいのではないかとビジネスアイデアが浮かんでくる。
樹木と一緒にいると、浅羽は彼自身が想定した自分以上の自分に出会うことができる。そのことに気づいたのは浅羽本人よりも、恋人の里保(石橋静河)が先だった。新谷から「好きな人にはかっこ悪いところを見せたくないからだ」と言われても、自分には見せない弱いところを樹木には見せていると思うと、やはり穏やかではいられない。そんなときに浅羽が『ココエブリィ』のメンバー、そして樹木と温泉旅行にいったという知らせを聞く。
恋人であるはずの自分が、一番彼のことを理解していたいのに。一番に何でも話してほしいのに。気づけば、いつも樹木が浅羽の心の扉を開けているように思えて、落ち込む里保。その姿を見て、樹木に想いを寄せる新谷も気持ちが揺れる。これまではかっこ悪いところは見せたくないと、見栄を張ってきたけれど、そんなことをしている場合ではないのでは、と。
恋は、好きになってもらいたい、特別な存在になりたい、頼りにされたい……と、まずは自分のことを相手に受け入れてもらいたいと願ってしまう。だから、全てを見せられなかったり、踏み込んだ話ができなかったりするのは、相手を大事にしているように見えて自分が傷つきたくないという、独りよがりなエゴだったりする。
相手を気遣うことは大前提として、自分の弱いところも、カッコ悪いところも、ときにはぶつかってでも、素をさらけ出して、それでもお互いをリスペクトし合えたら……それが2人で恋をあたためるということなのかもしれない。幸せな恋とは、例え1人で震えそうな夜でも、2人で過ごした瞬間を思い出すと心があたたかくなるものだから。
浅羽への想いをどうしても封印できない樹木。恋人になった途端に心が乱される里保。自分を奮い立たせる新谷。そして、実は樹木の告白が聞こえていたと明かした浅羽。〈自分の鼓動が響いている〉エンディングに、「ここで終わらないで!」と悲鳴を上げた視聴者は少なくなかったに違いない。だが、予告編を見ると、またもやあっさりと日常が続きそうな気配も。どうやら、この四角関係のラブストーリーはクリスマスがXデーとなりそうだ。イルミネーションが輝き、ますますロマンティックな季節がやってくる。果たして、誰と誰がケーキと共に甘い時間を味わうことができるのか。そして、このドラマを観る全ての人が、幸せな恋をしたような、あたたかな気持ちでクリスマスを迎えられる展開を期待している。
■放送情報
『この恋あたためますか』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、飯塚悟志(東京03)、古川琴音、佐藤貴史、長村航希、中田クルミ、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史
脚本:神森万里江、青塚美穂
プロデュース:中井芳彦
演出:岡本伸吾、坪井敏雄
主題歌:SEKAI NO OWARI「silent」(ユニバーサルミュージック)
製作著作:TBS
(c)TBS