私と音楽 第23回 滝沢和典が語るDragon Ash
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滝沢和典
各界の著名人に愛してやまないアーティストについて話を聞くこの連載。第23回はEX風林火山のメンバーとして麻雀プロリーグ戦「Mリーグ」でも活躍するプロ雀士・滝沢和典にインタビューを実施した。
村田智史(ex. 真空ホロウ)、雀士仲間の小宮悠と共にバンドを組み、茨城放送「麻雀普及委員会 Root for M.LEAGUE」のジングルを担当した滝沢(参考:麻雀プロバンド初収録!カッコよすぎるジングル【滝沢和典プロ・小宮悠プロ】 )。実はギター小僧でもある彼に、敬愛するDragon Ashについて語ってもらった。
取材・文 / 丸澤嘉明 撮影 / 押尾健太郎
出会いは友達がコピーした「Iceman」
僕、一応ギターをやっているんです。中学3年のときに友達と「なんかやろうぜ!」って盛り上がってBOOWYのコピーバンドをやり、高校でも先輩のバンドに入りました。先輩のバンドではExtremeやGuns N' Rosesのコピーをやってましたね。僕は新潟出身なんですけど、当時Dragon Ashが近所の大学の学園祭にライブをしに来たみたいで、友達がハマってコピーしたのを聴いたのがDragon Ashとの出会いでした。確か「Buzz Songs」に隠しトラックとして収録されている「Iceman」だったかな。それを聴いて僕もカッコいいなと思って。
高校生のときは……まあ今もですけど、好きな曲が弾けたら満足なので、オリジナル曲を作るということを考えたことはありません。音楽で食べていこうとはまったく思っていなくて、あくまで趣味でやっていて。でも、高校を卒業してESPという音楽系の専門学校のギタークラフト科に入学しました。高校のときにすでに麻雀で食べていきたいと思って上京すると決めていたんですけど、そのときはまだどうやって麻雀で食べていけばいいのかよくわからなかった。でも何もないのにただ東京に出るのも違うなと思って、一旦専門学校に行ったんですけど、結局1年で辞めちゃって。そこから本格的に麻雀の道に進みました。
櫻井さんをきっかけにどっぷり浸かるように
Dragon Ashは友達のコピーで知って以来、新譜を聴いたりたまにライブに行ったりしてはいましたが、どっぷり浸かるようになったのはここ5年くらいなんです。パチスロライターのルーキー酒井さんと木村魚拓さんが、ドラムの櫻井(誠)さんと懇意にされていたという縁で紹介していただきました。カラオケもある居酒屋で一緒に飲んでいただいて、僕はもともとDragon Ashが好きだったからすごく感動して、それ以来仲よくさせてもらっています。香箱ガニを食べる「カニ会」というのが毎年あって、僕もそこに呼んでもらっています。その会にはサンボマスターの木内泰史さんもいらっしゃってますね。僕は櫻井さんのライブのMCが大好きなんですけど、普段もMCの雰囲気と同じでとても気さくな方です。お酒飲んでかなりフランクになっている僕と同じ目線でしゃべってくださって、まったく気取らない。魚拓さんは変な絡み方するんですよ。「今度滝沢さんが麻雀で負けたら櫻井さんの爪を剥ぐ」とか(笑)。ホントやめてくれって思うんですけど、櫻井さんは笑いながら聞いてくれていて。ちなみに初めてお会いしたときのカラオケで、櫻井さんは松山千春さんを歌ってました。渋いけど、めちゃくちゃうまかったです。
コロナウイルスの影響でもちろん今はライブには行けてないですが、ここ数年はツアーにもよく行ってます。ルーキー酒井さんと一緒に関係者として行かせていただくこともありますし、もちろん自分でチケットを買って行くこともあります。関係者だと2階席に通されるんですけど、我慢できなくなって1階のフロアに行くことが多いですね。ただ、今は最前列ではなく、ちょっと引いた位置でモッシュしたい人を持ち上げる係になりました(笑)。Dragon Ashって仲間をすごく大切にする感じがありますけど、お客さん同士にもあるんですよね。ライブ空間に助け合いの精神が広がっていて、そこがいいなと思います。僕もお客さんを持ち上げて、汗だくになって帰るという。たまに麻雀ファンの人から「この間CLUB CITTA'にいましたよね?」とか声をかけられることもあります(笑)。
試合前に聴いて戦闘モードに入る
Mリーグの試合がある日は、ライブのオープニングでやるような曲を聴いたり、「Majestic」「Stardust」みたいにアルバムの1曲目から順番に聴いたりしながらスタジオに向かいます。そうするとライブのワクワク感がよみがえるので、テンションも高まりますし、戦闘モードのスイッチが入るんですよね。ほかにも「For divers area」もお気に入りです。対局の際に入場するときは、直前まで聴いていた音楽が頭の中で流れていることもありますね。それで、帰り道はアンコールでやるような曲を聴いて帰宅します(笑)。ほかには最近だと「ROCK BAND(feat. SATOSHI, KO-JI ZERO THREE)」や「Jump」「Ivory」をよく聴いてますね。
Dragon Ash好きの友達と飲んだあとにカラオケに行くこともあるんですけど、Dragon Ash縛りで歌ったりもします。酔っ払ってるから歌詞が飛んだりもするけど、絶対誰かが助けてくれるし、結局全員で歌うことになって(笑)。酒も進むし、かなりカオスな空間になりますね。コロナの影響でしばらくできてないですけど、またやりたいです。
Dragon Ashの魅力
Dragon Ashの魅力は、なんと言ってもライブですよね。とにかくカッコいい。ライブに行くたびに今回が一番よかったんじゃないかと思えて、それがすごいですよね。元の音源で聴くのとライブで聴くのとまた全然違うんですよ。精神的に参ってるときにライブに行くとすぐ泣いちゃいます(笑)。ATSUSHIさんとDRI-Vさんのラストライブは配信で観たんですけど、何回も観返しちゃいました(参照:Dragon Ash現体制ラストライブ完遂、ATSUSHI&DRI-Vの門出を祝った一夜)。本当にカッコいいので、まだ観たことがない人はとにかく一度ライブを観てほしいと思います。
※「BOOWY」の2つ目のOはストローク符号付きが正式表記。
滝沢和典
1979年生まれ、新潟県出身。日本プロ麻雀連盟所属のプロ雀士。2000年に日本プロ麻雀連盟のプロテストに合格し、第16期生として入会。2006年に王位戦で優勝し、タイトルを獲得する。2018年に「Mリーグ」ドラフト会議にてEX風林火山から2位指名を受け、現在も在籍している。愛称はタッキー。