Saucy Dogツアーファイナルでファンに感謝「ごめんなさいよりありがとうと言いたいです」
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Saucy Dog(撮影:日吉“JP”純平)
Saucy Dogが11月29日に大阪・Zepp Osaka Baysideで、ワンマンツアー「Saucy Dog one-man tour 2020"We will take you"」ファイナル公演を開催した。
「Saucy Dog one-man tour 2020"We will take you"」は、サウシーが9月発売の最新ミニアルバム「テイクミー」を携えて行ったツアー。10月22日に愛知・Zepp Nagoya公演、翌23日にZepp Osaka Bayside公演が行われる予定だったが、せとゆいか(Dr, Cho)が新型コロナウイルスに感染したことを受けて開催見合わせに。次いで秋澤和貴(B)もPCR検査の結果陽性と判定されたため、バンドは2人の療養期間と濃厚接触者全員の健康観察期間を設けたのちに2公演を開催した。本公演は1階フロアに椅子を設置するなど、ソーシャルディスタンスが保たれた状態で実施され、会場に足を運べないファンのために生配信も行われた。
まずは石原慎也(Vo, G)が「大阪ー! 楽しんでいこうね」と呼びかけて、ライブは疾走感のある「シーグラス」で幕開け。3人はこの曲のみずみずしい世界観をパフォーマンスで表現した。続く「真昼の月」では、せとが刻むタイトなリズムと秋澤によるグルーヴィなベースラインに石原のボーカルが絡み合う。場内に高揚感が漂う中、3人は「ナイトクロージング」で息の合ったコーラスワークを響かせて観客と視聴者を魅了した。MCでは、せとが「本当にお待たせしました! やっと今日ファイナルを迎えることができます。このツアーを回って、ライブができること、みんながこうやって観てくれること、そのありがたさとか、それが当たり前じゃないということが本当に身に染みて……。だから、今日を絶対にいい日にして、Saucy Dogらしいライブをして帰ろうと思います。最後までどうぞよろしくお願いします!」と挨拶した。
その後「煙」を皮切りに「BLUE」「film」と、石原が切々と歌い上げるミドルナンバーが続く。さらに石原が「自分の大切な人のことを、自分を幸せにしてくれる人のことだけを考えて、次の曲を聴いてください」と前置きしてからドラマ性のある歌詞の「結」を披露して、バンドの世界観を打ち出した。中盤にはアコースティックコーナーが用意され、石原はアコースティックギターに持ち替え、せとはキーボードの前へと移動。せとは改めてライブが延期になってしまったことを詫び、「でも、ごめんなさいというよりありがとうと言いたいです」とファンに感謝の気持ちを伝える。せとの言葉を聞いた石原は「Twitterとかでも励ましの言葉をもらって……正直、すごく落ち込んでいたんですけど、今は前を向くことができているので、本当にみんなのおかげです」と重ねた。そして披露された「寝ぐせ」では、せとがメインボーカルを務めてあどけなくも優しい歌声を響かせ、「世界の果て」では秋澤がエレキギターを演奏してみせた。
後半には「猫の背」「雀ノ欠伸」とライブ定番曲が畳み掛けられ、せとのパワフルなビートをきっかけに「ゴーストバスター」の演奏へ。3人の力強い演奏で場内は熱気に満ちあふれた。本編最後には石原による「幸せだー。この先、そんなことを思う日が来るのかなと思ってた時期もあったんですけど、今がそのときかもしれないです。このツアー自体、本当に開催できるのか不安もあったし、めちゃめちゃ怖かったんです。でも、こうやってみんなが観に来てくれて……ここから僕たちはまだまだ走り続けたいと思ってます。みんなに幸せな未来が訪れるように願いを込めて」という言葉から「今更だって僕は言うかな」が優しく届けられた。
アンコールでは石原が「みんなの気持ちをちょっとでも明るく、温かくしてあげられたら。そういう気持ちでいつもライブをやっているし、曲を作っているつもりです。Saucy Dogの音楽を聴いて明日からがんばろうって、ちょっと気分が晴れたなって思ってもらえたら」と石原が語り、「グッバイ」を豊かな声量で歌唱してオーディエンスを圧倒した。最後に彼が「また絶対に大阪に戻ってくるから。そのときはみんなでたくさん歌って、たくさん飛び跳ねよう!」とオーディエンスとの再会を約束して、このツアーの幕を下ろした。
Saucy Dog「Saucy Dog one-man tour 2020"We will take you"」2020年11月29日 Zepp Osaka Bayside セットリスト
01. シーグラス
02. 真昼の月
03. ナイトクロージング
04. 煙
05. BLUE
06. film
07. 結
08. あとの話
09. 雷に打たれて
10. 寝ぐせ
11. 世界の果て
12. 猫の背
13. 雀ノ欠伸
14. ゴーストバスター
15. バンドワゴンに乗って
16. 今更だって僕は言うかな
<アンコール>
17. グッバイ