DOBERMAN INFINITYが「6 -Six-」で綴った“かけがえない仲間への感謝” 「みんながいてくれるから自分らしくいられる」
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5人組ヒップホップユニット、DOBERMAN INFINITYが12月2日に約1年ぶりとなるシングル『6 -Six-』をリリースした。表題曲「6 -Six-」は放送中のドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』挿入歌として書き下ろされたナンバー。以前よりLDHが手がける総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』シリーズとタッグを組み、アグレッシブな楽曲で作品を盛り上げてきた彼らだが、今作は“仲間とのかけがえのない時間”を綴った等身大のメッセージソングとなっている。カップリングには、コロナ禍で感じたフラストレーションを一蹴する「SO WHAT」、KAZUKIとSWAYによる初のコラボ曲「DESTINY -S.O.L- feat.SWAY、KAZUKI」も収録。自分達の音楽をじっくりと見つめ直し、集中して楽曲制作に臨めたという今作について、5人に話を聞いた。(斉藤碧)
「みんなが集まったことで100点を超える仕上がりになった」
ーー新曲「6 -Six-」は、ドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』挿入歌として書き下ろされた友情ソングです。トラックも歌詞もメンバー全員で話し合いながら制作されたそうですが、まず、トラックはどのような流れで形にしていったんでしょうか?
P-CHO:「6 -Six-」のトラックは、前回出したシングル曲「We are the one」を作曲してくれたRIMAZIさんにお願いしたんですが、「『We are the one』とは違う新しいものを作りたい」というのを僕らからリクエストして、それに応える形でベースを作っていただきました。ポイントはギターですね。作ってもらったトラックを聴いて、僕らの中で「ギターを入れるとさらにいい雰囲気が出るんじゃないか」という話になって。いつもドーベルのツアーに同行してくださっているギターのTakuさんと一緒にスタジオに入って、ディスカッションしながら生のギターを入れました。生のギターを入れたことで、より景色が浮かぶような楽曲に仕上がったんじゃないかなと思います。
SWAY:歌詞を考えたのは、ベースとなるトラックに仮のメロディがついてからで。各自が自分の歌唱パートに歌詞をつけていきました。そして僕らが軽くレコーディングした後、再びRIMAZIくんに投げてブラッシュアップしてもらって。キャッチボールみたいな感じで作っていきました。
ーー耳を澄ますと時計の音も入っていて、トラックだけでもすごく懐かしい気持ちになります。あの音を入れようというのは、どなたの案だったんですか?
P-CHO:時計の音は、自分達が書いた歌詞を読んだ上でRIMAZIさんが追加してくれて、最後の最後に入れることが決まりましたね。
KAZUKI:どこでどういう風に入れるかはギリギリまで試行錯誤したんですけど、音自体はメンバー全員好きな感じだったので、満場一致で入れることになりました。
ーー今回の制作は、カップリング曲も含めてリモートで制作する部分も多かったんでしょうね。
GS:そうですね。2~3月あたりからライブができなくなって、表立った活動を自粛しないといけなくなって。その中でもできることを……ということで、まずはリモートで制作を始めました。最初の頃は新たな試みだったので、やりにくい部分もありましたけど、リモートだと時間にゆとりがあるのでいいですね。移動する時間も必要ないし、メンバーと打ち合わせをするにしても、家で何か作業をしている合間にできたりするので。この期間はやりたいことにたっぷりと時間を使えたなと思います。
ーー自粛期間も有意義に過ごせたんですね。
GS:ただ、リモート明けで久しぶりにみんなでスタジオに入った時は、やっぱり、同じ空間で同じ音を聴きながらどう思うかをディスカッションできるほうが、僕らには合ってるなって思いました。自分が言ったことに対してみんながどういう顔をするのかとか、その場じゃないと感じられないことがたくさんあるので、5人で歌う曲は5人が集まって作ることに意味があるな、と。リモートだけだったら、おそらくどんなに練っても100点のものしかできなかったんじゃないかなって思うんですよ。でも最終的にみんなで集まったことで、この曲が持つ温かさや熱さやメッセージの強さが増して、100点を超える仕上がりになったなと思います。
ーー確かにこの曲からは、ドラマに出てくる6人の幼馴染みとしての関係性とともに、DOBERMAN INFINITYの5人の絆も感じます。タイアップもありつつ、メンバー各自が作詞をするにあたって共通認識として見据えていたものは何ですか?
SWAY:ドラマの挿入歌ではあるんですが、ドラマの内容に寄せるというよりは、僕ら目線の“仲間”をテーマに作詞していきましたね。ドーベルの楽曲には仲間との絆を描いた曲がいくつかあるんですけど、今までは「頑張れよ。お前ならできる」みたいな、自分達から仲間に向けた応援メッセージを歌うことが多かったんです。でも、今回は「みんながいてくれるから、自分が自分らしくいられる」という視点で、仲間に向けての感謝を書かせてもらいました。
GS:みんなで作詞をするにしてもいろんなスタイルがありますけど、この曲では全員の想いを1つにして、1mmもズレないようにっていう作り方をしましたね。普段だったら「この人はこういう考えなんだな」っていう受け取り方をするところも、今回は細かく軌道修正しながら作っていきました。
ーーKUBO-Cさんはどんなことをイメージしながら作詞しましたか?
KUBO-C:自分のバースに関しては、地元の友達のことを中心に書きました。でも、ドーベルも自分の居場所なので、ドーベルへの想いももちろん反映されているし。それこそGSとは小学生の頃から付き合いがあるので、小さい頃に遊んでいたことも思い浮かべながら歌詞にしていきましたね。
DOBERMAN INFINITYの成り立ちとリンクしたMV
ーーKAZUKIさんはボーカルレコーディングで特にこだわったポイントはどこでしょうか?
KAZUKI:たぶんRIMAZIさんは、全体的にオートチューンを使ってパキッとした音色にしたかったと思うんですよ。だから、最初は僕のパートもそういう感じで仕上げたほうがいいのかなと思っていたんですけど、今回は歌詞のメッセージ的にも生歌のほうが伝わるものがあるんじゃないかなと思って、オートチューンを使わずに仕上げました。
ーーそもそもボーカルとしてオートチューンを使うことに抵抗はないんですか?
KAZUKI:抵抗は全くないですね。「We are the one」もそうですけど、ちょっと前の自分だったら「オートチューン万歳です。やりたいです!」と言ってたと思います。でも「6 -Six-」に関しては、オートチューンを使ったらもったいないと思って。個人的なこだわりですけど、今の形が正解だと信じています。
GS:他のラップと比べても、KAZUKIの歌はオートチューンがかかっているのがわかりにくいと思います。でもやっぱり、生歌のほうが温もりを感じますね。
ーーラップに関しても、仲間に語りかけているような表現が印象的でした。MCの皆さんはレコーディングする際にどんなことを考えていましたか?
SWAY: KAZUKIがオートチューンを外したように、自分も「音楽的にカッコいいものを」というよりは、仲間に対する熱や一生懸命さが伝わったほうがいいんじゃないかなと考えて歌いました。仮歌は自宅でも録っていたんですけど、徐々にみんなで集まる機会が増えて、ちょっとずつ日常が帰ってくる感じが嬉しくて、そういう状況の変化も楽しみながら制作していました。
KUBO-C:俺は、この曲だからこう歌おうっていう感じじゃなくて。変に力むことなく、自然に歌詞に気持ちを乗せて歌いましたね。
P-CHO:レコーディングブースでは1人で歌っているんですけど、気持ちの面ではメンバーと肩を組んでいるような感覚で歌いました。今はソーシャルディスタンスと言われている世の中ですが、この曲が世に出て歌う時には、肩を組めるような世界になっていてほしいなという願いも込めています。
GS:僕は曲によってアプローチの仕方を変えているんですけど、わかりやすく言うと、ラップ曲か、人に歌ってもらえる曲かっていう2パターンに分かれていて。ラップ曲は人に歌ってもらうことを一切意識しないんですけど、カラオケでみんなに歌ってもらえる曲になるといいなって思う場合は、みんなが歌いたくなるようなメロディを考えるんです。でも、長年ラッパーとしてラップをやってきたプライドもあるので、みんなにも歌ってもらえそうなメロをつけようとすると、自分の中で葛藤があるんですよ。
ーーもっと高いスキルを見せられるのに、それをあえて封印するわけですからね。
GS:前作の「ずっと」からそういう作り方に変えて、「6 -Six-」がその2作目なんですけど、殻が破れたなと思いました。ちょっとでも後ろめたい気持ちを持ってやったらダサくなるなと思って、今回は1回聴いたらすんなり言葉が入るように歌っています。歌詞の中にも絶対的に引っかかるワードや、自分しか使わないワードを意識的に入れることにしていて。「6 -Six-」には、自分の生い立ちを踏まえて〈鍵っ子〉というワードを入れました。そこも注目してほしいですね。
ーーMVの見どころや、撮影中に印象に残っていることも教えてください。
KAZUKI:喋ってる風のイメージシーンがあるんですけど、ここでは言えないような、えげつない話をしながら撮りました(笑)。真面目なエピソードで言うと、撮影前から雨が降りそうだったので、「雨かぁ……」と思っていたんですけど、逆に雨が地面を濡らしたからこそ、いい画が撮れましたね。地面に空が反射して綺麗で、あれは奇跡的でした。
ーースタッフさんによると、もともと雨が降るのを見越して準備していたそうです。
KAZUKI:知らなかった!
P-CHO:ま、雨降って地固まったってことですね!(ドヤ顔)
KUBO-C:ちょっと、黙っといてくれる~?
ーー(笑)。
GS:あと奇跡的と言えば、このMVでは俺がKUBOちゃんを迎えに行って、CHOちゃん、SWAYと来て、最後にKAZUKIのところにみんなで行くっていう展開には驚きましたね。自分達で順番を考えたとはいえ、ただ単にバースとかストーリーの繋がりでこの順番にしたのに、不思議と年齢順になってるんですよ。しかも、僕とKUBOちゃんは地元の友達だし、そこからDOBERMAN INCの3人がSWAYと出会い、最後にKAZUKIを迎えに行くという、DOBERMAN INFINITYの成り立ちとリンクしていて。完成した映像を観て、自分達もハッとしました。
「音楽で表現することが一番のストレス発散になる」
ーーカップリングの「SO WHAT」は、世の中に蔓延する“負”に対して「だから何?」と一蹴するストレス解消ソングです。コロナ禍の今、こういう楽曲を発表しようと思ったのはなぜですか?
SWAY:自粛中には本当にいろんな曲を作ったんですけど、「みんなで集まって作れないんだったら、離れていても作れる曲にしません?」というのが、この曲を作り始めたきっかけでしたね。ずっと家にいると、なかなかインプットできないじゃないですか。だったら、今のもどかしい感じとか、ニュースで流れてくるネガティブな要素に対して、家の中で吐き出せるものを……と思って。それぞれがリモートで作って録っておいて、『6 -Six-』のリリースが決まった段階で「SO WHAT」も入れましょう、という話になりました。「SO WHAT」は超リモートでしたね。
P-CHO:トラックを作ってくれたNAKKIDとも完全リモートだったんですけど、久しぶりに一緒に曲が作れて嬉しかったですね。最初は僕らのほうから「こういうオケを」とお願いしてベースとなるトラックを作ってもらったんですが、僕らがラップを入れた後は、それぞれのバースを活かすアレンジをNAKKIDなりに考えてくれました。
SWAY:あの……記事に「NAKKID元気?」って書いておいてもらえますか?
KUBO-C:こちらも元気だよ、ってね(笑)。
P-CHO:あははははは。直接顔を合わせなくてもいい感じに仕上がったし、僕らのことをわかってくれてるなって思いました。
ーー各自が作詞をするにあたって、たとえばP-CHOさんはコロナ禍でのどんなストレスを曲にぶつけましたか?
P-CHO:ライブができないことが一番大きなストレスだったんですけど。今までのようにメンバーで集まってディスカッションできないとか、単純にスタジオに入れないとか、“何もできない状況にいる”というのがかなりストレスになっていました。でも、リスナーの皆さんのことを考えながら自宅で曲作りをしている時間や、『LIVE×ONLINE』に向けて動けたこと、一歩一歩進めているなっていう実感が自分の救いになっていて。どんな時も音楽で表現することが一番のストレス発散になるなって、改めて感じましたね。「SO WHAT」の歌詞を書く時も、裏テーマとしてリスナーの皆さんにスッキリしてもらいたいという想いがあって。実はリモート明け1発目のレコーディングが「SO WHAT」だったんですけど、僕自身もこの曲を歌ってスッキリしました。
SWAY:「SO WHAT」のサビはみんなで作ったんですけど、各パートに関してはそれぞれが違った角度から挿してくるので、メンバーのパーソナルな部分が見えて面白いなって思いますね。
GS:「6 -Six-」と違って、「SO WHAT」はそれぞれが書いてきた歌詞に対してノータッチだったし。そもそもHIP HOPってそれぞれが主張を持ち寄って、「俺、1バース目いくね」みたいな作り方をするものなので。本来のやり方でスムーズに作れました。
ーー逆に言うと「6 -Six-」のようにみんなでディスカッションしながら作るやり方は、結構時間がかかるんですか?
SWAY:そうですね。例えば以前リリースした「あの日のキミと今の僕に」という曲は、頭から最後まで全部5人で考えたんですけど、すっごい時間がかかりました(笑)。それはそれで満足感はかなりあったんですけどね。「SO WHAT」には、この作り方ならではの勢いやノリが活きているんじゃないかなと思います。
KAZUKI:それこそ俺、歌詞しか書いてなかったですからね。「SO WHAT」は歌詞だけ用意してレコーディングに入って、その場でメロディを考えて歌ったので。KUBOさんも、スタジオで「あれ、どんなラップだったっけ?」と言ってましたよね?(笑)。
KUBO-C:あまりにも前に書いた曲だったので、思い出しながら歌ってましたね。CHOちゃんが言った通り、レコーディング自体かなり久しぶりでしたから。曲調的には、今まで歌っていなかった気持ちを吐き出すような感じですけど、実際は今までの感覚を取り戻すのに必死でした(笑)。
「男のセクシーさを重視しました」
ーー今作にはKAZUKIさんとSWAYさんのコラボ曲「DESTINY -S.O.L- feat.SWAY、KAZUKI」も収録されます。11月にはお二人が出演したオンラインライブ『DESTINY -S.O.L-』も行われましたが、この曲はどういう経緯で生まれたんでしょうか。
KAZUKI:オンラインライブの『DESTINY -S.O.L-』に向けて作った1曲なんですけど、今回は候補曲を出し過ぎちゃってヤバかったですね(笑)。
SWAY:KAZUKIとリモートを繋いで「出し過ぎたね~」って話しながら、さらに追加で候補曲を作って(笑)。その中でKAZUKIが「これいいんじゃないですか?」って言ったのが、R&Bテイストの「DESTINY -S.O.L-」でした。
ーー“運命=DESTINY”というテーマは、ライブの演出も考えた上で出てきたものですか?
KAZUKI:いや、ライブにどう絡めていこうかというのは、特に考えていなかったですね。トラックができた段階で、どう考えてもポジティブな曲調じゃなかったから、歌詞には切ない要素がほしいなと思っていて。
SWAY:そこに、僕が「遅かれ早かれ=sooner or later/S.O.L」という言葉を提案しました。じゃあ、何が遅かれ早かれなのかを突き詰めていったら、“DESTINY”というキーワードが見えてきましたね。わかりやすく言えば、男女の出会いと別れを描いた曲なんですけど、出会うことも運命だったし、別れることも運命だった……遅かれ早かれ、みたいな。そういうストーリー性のある歌詞になっています。
ーー他の2曲とはガラッと印象が変わって、歌声から放たれる色気がすごいですね。息遣いまで聴こえてドキドキします(笑)。
SWAY:男のセクシーさはかなり重視しましたね(笑)。このニュアンスとこのニュアンス、どっちが色っぽいかなって、二人でニュアンスを微調整しながらレコーディングしました。
KAZUKI:聴き心地のよさは、かなりこだわって歌いましたね。トラックのアレンジも、D&HというR&Bを得意とするチームにお願いしてめちゃくちゃカッコよく仕上げてもらったので、じっくり聴いてほしいです。
ーーでは最後に、2021年に向けての目標をお願いします。
P-CHO:今年は予定していた47都道府県ツアーも中止になり、『D.Island』も本当は野外でやりたかったんですけど、『LIVE×ONLINE』としてオンライン上で開催することになり、生で皆さんにお会いできなかったことが残念でした。だから来年はツアーを回って、いつも応援してくれている皆さんと顔を合わせて『6 -Six-』の楽曲をお届けしたいですね。〈ここが居場所だから〉って直接伝えたい、それが僕らの今の願いです。
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【オリジナル動画】DOBERMAN INFINITYの「数字にまつわるエピソード」
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※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
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<締切:12月16日(水)>
■リリース情報
DOBERMAN INFINITY『6 -Six-』
12月2日(水)発売
・初回生産限定盤(CD+DVD)¥1,500 (tax out)
・通常盤(CDのみ)¥1,000 (tax out)
・FC&mobile限定盤(初回生産限定盤+2021年D.Iカレンダー)¥3,000 (tax out)
【CD収録内容】
1.「6 -Six-」
2.「SO WHAT」
3.「DESTINY -S.O.L- feat. SWAY, KAZUKI」
【DVD 収録内容】
「6 -Six-」MV収録