J☆Dee’Z、“未来”への上昇気流に乗った一夜 渋谷CLUB QUATTROワンマンを見た
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J☆Dee’Zが8月29日に渋谷CLUB QUATTROで開催した『J☆Dee’Z SUMMER LIVE TOUR 2018~未来飛行~』は、彼女たちが輝かしい“未来”への上昇気流に乗った瞬間を見届けたような、可能性に溢れた一夜だった。
CAの機内アナウンス風の影ナレが流れ、飛行機が離陸するかのような展開から「あと一歩」でライブはスタート。今回のバンドメンバーは佐々木望(Gt / Soulife)、河原太朗(Ba)、田中航(Dr)、山下健吾(Key)、林洋輔(Sax)、関山博史(Tb)と、前回ワンマン同様金管2人が入ったリッチな編成で、相変わらずの同期なし、生歌とダンスで行われた。
(参考:J☆Dee’Zが明かす、新作で挑戦した“刺激”の数々 マイクロドローンとのMV撮影秘話も)
金管が盛大に鳴り響き、ファンファーレのように会場全体の士気が上がった「あと一歩」から、「Dream Arch」「Let the music flow」と序盤からアッパーな楽曲が続き、それに影響されてか、1発目のMCも超ハイテンション。3人はツアータイトルが最新シングル表題曲「未来飛行」よりも先に決まっていたことを明かし、「Secret Summer」へ。
バンド演奏ながらヒップホップ感とグルーヴがより出ていた「Beasty Girls」や、アカペラからスタートした「Melody」と緩急を付けるパートに入ったかと思えば、メンバーは舞台袖に履け、バンドによるインスト演奏がスタート。会場のファンも休憩することなく、各自のソロに歓声を送り、横ノリでセッションを楽しんでみせる。ファンもまた、J☆Dee’Zとともに育ってきていることを実感する一幕だった。
白い衣装に着替えて戻ってきたメンバーは、バレエダンスとコンテンポラリーを組み合わせたダンスパフォーマンスを披露。これまでフレッシュで元気なイメージが先行しがちだったが、MOMOKAも高校を卒業するなど、次第に大人びていく3人の“新たな魅力”が打ち出されているように感じた。その後は「流星のパノラマ」「伝えたいこと、ちゃんと伝えなくちゃ」と切ない楽曲を立て続けに歌い上げ、各メンバーのソロコーナーへと移る。
Nonoは手嶌葵の「明日への手紙」を、amiはB’zの「衝動」を、MOMOKAはTEEの「ベイビー・アイラブユー」をそれぞれカバー。三者三様で難易度の高い楽曲ではあるのだが、それぞれが工夫を凝らしながら自分なりの歌い方で楽曲の世界観を表現していることに、ボーカル面での成長を大きく感じることができた。その後は先日の『Voice JAM』でも披露していた、Stevie Wonderの「Don’t You Worry ‘bout a Thing」を披露。彼女たちは岡村靖幸のカバー曲「だいすき」がライブ定番曲にもなっているが、「Don’t You Worry ‘bout a Thing」もまた、そのような楽曲になるのではないか、という予感がした。
13曲目の「ひとひらの涙」は、原曲の持つ切なさとそれでも前に進む気持ちが、金管を含むバンドのライブアレンジと演奏、メンバーの純粋さと大人っぽさが同居する歌とダンスで表現された。筆者がこれまで見てきたJ☆Dee’Zのライブパフォーマンスのなかでも屈指の完成度で、思わず笑みがこぼれるほどだった。
その流れを緩やかに着地させ、再び離陸させるかのようなインストセッションのあと、2度目の衣装チェンジを終えたJ☆Dee’Zは「Swing Swing Swing」「Fun Time Funk!!!」「カラフルジャンプ」「だいすき」とアッパーでファンキーなナンバーを次々と投下。最後はamiの「私たちはこうしてステージという立つ場所があって、それを見に来てくれる人がいて、 そこで歌えてというすごく幸せな環境がある。これからも音楽を通して感謝や私たちがいる意味を皆さんに届けていきたい」というMCから、最新シングルの表題曲「未来飛行」を披露し、本編を終えた。
アンコールでは「代わりにこの唄を」を披露し、MCで12月14日にTSUTAYA O-WESTでのワンマンと、2019年にグループ史上最長のツアーを開催すると発表。さらに11月21日にはシングルの発売もアナウンスし、最後はボディパーカッションも組み込んだ、ライブの定番曲「Answer」で締めくくった。
ここ最近のJ☆Dee’Zは、これまでにないスピードで変化/成長し続けているが、そこにライブの規模拡大やツアーの公演増加、立て続くシングルリリースと、状況も追いついてきたように思える。さらに筆者が驚いたのは、前回のワンマン時よりも同性の観客が多かったこと。アーティストのブレイクにファン層の拡大は必要な通過点だが、J☆Dee’Zはそのタームに差し掛かりつつあるのかもしれない。
なにより、大人と子供の間ともいえる現在の彼女たちによる歌とダンスは、見るたびに“成熟”へと近づいているように感じる。路線変更後の生歌&ダンスという本格的なパフォーマンスに加え、アカペラにダンスパートにと振り幅の広さを見せてくれたこの日のライブ。終了後に早くも次が楽しみになるような、ワクワクが詰め込まれた公演だった。(中村拓海)
■セットリスト
1.あと一歩
2.Dream Arch
3.Let the music flow
4.Secret Summer
5.Beasty Girls
6.Melody
7.流星のパノラマ
8.伝えたいこと、ちゃんと伝えなくちゃ
9.明日への手紙(Nono・手嶌葵カバー)
10.衝動(ami&MOMOKA・B’zカバー)
11.ベイビー・アイラブユー(MOMOKA&ami&Nono・TEEカバー)
12.Don’t You Worry ‘bout a Thing(Stevie Wonderカバー)
13.ひとひらの涙
14.Swing Swing Swing
15.Fun Time Funk!!!
16.カラフルジャンプ
17.だいすき
18.未来飛行
En1.代わりにこの唄を
En2.Answer