ももクロの初ミュージカルが本日開幕、百田夏菜子「ギリギリまで詰めて素敵な作品に」
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PARCO Production「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」公開舞台稽古より。
ももいろクローバーZが主演する、ミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」が本日9月24日に千葉・舞浜アンフィシアターで開幕する。これに先駆けて、昨日23日に同劇場で公開舞台稽古が行われた。
ラッパ屋の鈴木聡が劇作を務め、2015年公開の映画「幕が上がる」および同年に上演された舞台「幕が上がる」を手がけた本広克行が演出を担当する本作は、ももクロの楽曲を全編にちりばめたジュークボックスミュージカル。劇中では「WE ARE BORN」「BIRTH 0 BIRTH」「LOST CHILD」をはじめ「走れ!」や「行くぜっ!怪盗少女」といった人気楽曲が歌唱される。
「幕が上がる」では演劇部の高校生を演じた百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、佐々木彩夏が、ダンス部に所属する高校生役を務める本作。ダンスが大好きな千田カナコ、玉木シオリ、高沢レニ、笹野アヤカの4人はダンスの大会に向け、毎日のように練習に励んでいた。いよいよ大会の決勝を翌日に控えた彼女たちは部活の帰り、交差点で暴走した車にはねられてしまう。この世にさまざまな思いを残した彼女たちの魂は、パラレルワールドで転生するが……。
ももクロメンバーを中心としたキャストたちは、生演奏をバックにパフォーマンスを披露。さらに今作のために書き下ろされたナンバーや、10月12日に配信開始されるももクロの新曲「天国のでたらめ」も歌唱される。
また、かつてシルク・ドゥ・ソレイユの専用劇場として運用されていた舞浜アンフィシアターの舞台機構を生かした回転する盆や、百田がフライングを披露するシーンも見どころだ。ももクロの4人は、それぞれの思いを胸に歌い踊る登場人物たちをまっすぐに表現。妃海風、シルビア・グラブは彼女たちを見守る2人組の天使役を演じ、歌唱パートでは美声を響かせた。
公開舞台稽古前に行われた初日前会見には、キャストから百田、玉井、高城、佐々木、妃海、シルビア、そして演出の本広が登壇。本広は「ミュージカルの演出は初めてですが、こんなに楽しいものだと思わなかった」と述べつつ、3年前にももクロとタッグを組んだ「幕が上がる」に触れ、「今回はどういう物語を作り出したら面白くなるかなと、(劇作の鈴木と一緒に)試行錯誤した結果、台本が遅れてご迷惑をおかけしました(笑)。ようやく明日、初日を迎えることができます」と感慨を語った。
続く百田は「(会見の)このステージに来るまでのエレベーターの中でも、ずっとダメ出しを受けていました。それぐらいギリギリまで詰めて詰めて、素敵な作品になるように全力でやっているので、ぜひたくさんの方に楽しんでいただけたらと思います。がんばります!」と意気込む。
玉井は「ミュージカルは歌がすごく大事ですが、私たちは歌が得意とは言えないので(笑)、苦戦しながらもシルビアさん、妃海さんに勉強させていただき、稽古していました」と振り返る。高城は「高沢レニ、高田れに役の高城れにです!」と笑顔で切り出し、周囲を笑いで包むと、「劇中にはパラレルワールド、夢、死後の世界というファンタジーなワードが出てきて、奥深いテーマになっています。上手に演じられるようにがんばります」と語った。
佐々木は「私たちらしいシーンを(本広)監督が作ってくださって。一方、いつもと全然違う私たちが観られるシーンもあるので、やっていてとても楽しいです。観てくださった皆さんの日々が充実するような公演になったらいいなと思います」とコメントした。
執事・坂上役の妃海は「面白い仕掛けがいっぱいあって、アトラクションのような舞台になりました。また、ももクロさんの楽曲をミュージカルにするということで、ライブ感覚の強い作品になっています。私も心を動かしながら一緒に楽しみたいと思います」と笑顔を見せた。
“お局堕天使”ミーニャ役のシルビアは「普段やっているミュージカルとは異なる、新ジャンルの作品という感じ。コンサートとしてもミュージカルとしても楽しめますし、回る舞台や、床から上がって登場する場面など、大劇場の機構を使ったシーンが盛りだくさんになりました。それから、キャストのほとんどが女性なので、華やかで明るいです。楽しみにしていてください」と期待を煽る。これを受けた佐々木が「(女性キャストが多いので)本広監督は稽古中ずっとニヤニヤしてますからね」と述べると、本広は「してないよ!(笑)」と瞬時に切り返し、会場の笑いを誘った。
本広は、ももクロメンバーの成長について「『幕が上がる』のときは台本が手放せないで苦労していたのですが、今回、稽古2日目に台本を手放していたので焦りました」と明かし、「あと歌が上手くなったと思います」と述べると、ももクロメンバーは「シルビアさんと妃海さんの前で言われると……」と恐縮。これに対しシルビアは「素直に喜べばいい!」と投げかけた。
劇中で、ももクロのナンバーを歌い踊る妃海は「私はアイドルが好きなので、今回アイドルのような経験ができてうれしかったです(笑)。普段のミュージカルの100倍汗をかいてます」と述べる。続くシルビアは「まさか、そのままの曲と振りをやることになるとは思っていなかったので、振付の初日に『殺す気か!』と思いました(笑)」と冗談交じりに語った。
自分たちの楽曲を、役を通して歌うことの苦労について尋ねられると、「アレンジも違いますし、お芝居に組み込まれることで、歌うときの心情や曲の表情も変わってきて、新しい発見があります」(百田)、「ライブだと自然と笑顔が出てしまう曲も、登場人物の心情を考えて笑顔を出さなかったり、『どう歌ったらそのシーンに合うかな?』ということを考えながら歌っています」(玉井)、「歌詞の意味が身に染みてわかるし、楽曲を違う方向から見られるようになりました」(高城)、「いつもユニゾンで歌っているところを1人で歌うシーンもありますし、私の役は『幕が上がる』を彷彿とさせるシーンや曲が多いので、当時のことを思い出したりします」(佐々木)とそれぞれ回答した。
上演時間は途中休憩20分を含む約2時間40分。公演は10月8日まで。
※「BIRTH 0 BIRTH」の0はストローク符号付きが正式表記。
PARCO Production「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」
2018年9月24日(月・振休)~10月8日(月・祝)
千葉県 舞浜アンフィシアター
作:鈴木聡
演出:本広克行
出演:百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)/ 井田彩花、伊藤彩夏、大澤えりな、草野未歩、KUJINKO、小石川茉莉愛、佐藤マリン、滝澤梨吏華 / 二橋南、MIO、八尋由貴、結木春衣、吉田藍、大澤信児、加藤貴彦、sho-ta、Anna / 妃海風、シルビア・グラブ