映画コミュニティ「ミニシアタークラブ」発足記念イベント、入江悠が“原体験”語る
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トークイベント「ミニシアターの未来をかけて」の様子。
トークイベント「ミニシアターの未来をかけて」が、文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」として1月30日に東京・ユーロスペースで開催された。
本イベントは、ミニシアター文化の再発見や盛り上げのための映画オンラインコミュニティ・ミニシアタークラブのスタートを記念したもの。ミニシアタークラブは、限定Facebookグループ内やライブ配信で、映画に携わる人々がリアルな話を共有するコミュニティだ。
映画評論家・森直人の進行のもと、第1部ではユーロスペースの支配人・北條誠人がコミュニティ設立経緯を説明。北條は「昨年のSAVE the CINEMAやミニシアター・エイド基金などの応援が大いに励みになった。その声に何かお礼ができないかと思ったときに、オンラインコミュニティの企画の話があり、せっかくこういう時代なので新しい挑戦をしながら今までできなかったミニシアターの歴史を紐解いたり、配給会社の方からより深い話を聞いたりして、未来に向かって取り組んでいければ」と語った。
第2部では、読売新聞の恩田泰子、朝日新聞の小峰健二、キネマ旬報の川村夕祈子、リモート参加した毎日新聞の井上知大がトークを展開。ミニシアター存続について、記者たちは「2000年からずっと議論されてきたことだが、このコロナ禍で本気で取り組まざるを得なくなった」「営業時間自粛などで苦しい状況は続いているが、特集上映などは満席になることもある。シネコンとは違う取り組み方に改めて気付きがあった」と語る。ミニシアターの存在意義に関しては「映画監督・映画作家を育てる“ゆりかご”のようなもの」「作品を選出するキュレーションとしての機能」という意見が交わされた。
そして第3部では、映画監督の入江悠と、配給会社・トランスフォーマーの宣伝プロデューサーである國宗陽子が登場。入江は「SRサイタマノラッパー」の興行を「ミニシアターが満員になりお客さんや劇場の方の反応をダイレクトに感じられたのが原体験」と述懐し、配信か映画館か?という話題では「日本のミニシアターって世界的に見てもかなり充実していて、世界一と言っていいくらい作品の幅がある」「ずっとあるのはやっぱり映画館。映画館がどう変化していったら面白いかを考えたほうがワクワクする」とコメントする。そして國宗は、ミニシアター作品の宣伝に関して「誰が観たいのか?を意識しながら宣伝を丁寧に組み立てている」と話した。いかにして若い世代にミニシアター作品を届けるかという議題では、映画好きYouTuberのもっちゃん、映画感想TikTokerのしんのすけが登壇し、SNSを活用したコミュニケーション方法について議論を重ねた。
同イベントの模様は、ミニシアタークラブのYouTubeチャンネルで視聴できる。