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『デレステ』『ごちうさ』『ナナシス』……クラブで大音量で聴きたくなるアニメ/声優ソング

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 アニメや声優の楽曲を中心に注目の新譜を紹介するこの連載。約2カ月ぶりの掲載となりますが、その間にも酷暑と言えるほどの暑い夏をさらに熱く盛り上げる楽曲がたくさんリリースされました。なかでも個人的にぶっ飛ばされたのが、田村ゆかりの最新シングル『永遠のひとつ』のカップリングにサラッと収められていたハウステイストのダンストラック「SUKI KIRAI」。

 ほのかに和の情緒を感じさせるメロディと大人の色香を漂わせた歌声、リゾート感あるファンキーなサウンドを解体〜再構築したようなモダン極まりないプロダクションは、ちょっと他では聴いたことのないようなものに仕上がっており、このキャリアにして最新かつ最高のカードを切ってくる“田村ゆかり”という存在の底知れなさに戦慄を覚えたほどでした。

 また、8月28日にはアプリゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(以下、『デレステ』)』より、ゲーム内に登場していたものの未CD化だった楽曲が一挙に配信リリースされ、ジャージークラブ調のコキコキしたリズムがクセになる一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ)と宮本フレデリカ(CV:野麻美)のフューチャーベース曲「クレイジークレイジー」が待望のフル尺で登場したこともあり、個人的にクラブミュージック的なアプローチを採り入れたアニソン/声優ソング熱がさらに高まった夏でもありました。ということで、前置きが長くなりましたが、今回は「クラブで大音量で聴きたくなる楽曲」を軸に新譜をご紹介していきます!

 まずは、その『デレステ』より、高垣楓(CV:早見沙織)と速水奏(CV:飯田友子)のクール系美女二人によるユニット、ミステリアスアイズが歌う「Pretty Liar」。速水奏と言えば前述の「クレイジークレイジー」も手掛けたTaku Inoue制作によるトランス調の「Hotel Moonside」(2015年)というフロアライクなソロ曲でも知られており、一方の高垣楓もソロではたおやかなタイプの楽曲が多いですが、ユニットでは「Nation Blue」(2013年)などのダンス曲も多く歌っています。本楽曲では、速水もメンバーの一員であるLiPPSの人気曲「Tulip」(2016年)を手掛けた石濱翔(MONACA)によるドラムンベースのフィーリングを散りばめたトラックをバックに、二人がどこかミステリアスで蠱惑的な美声を絡ませています。

【楽曲試聴】「Pretty Liar(M@STER VERSION)」(歌:ミステリアスアイズ(高垣楓、速水奏))

 続いては高垣楓の中の人(声優)繋がりで、先日にOVAおよびTVアニメ第3期の制作が決まった『ご注文はうさぎですか??』のキャラソンCD『ご注文はうさぎですか??キャラクターソロシリーズ04』より、青山ブルーマウンテン(CV:早見沙織)が歌う「流星ガーデン」をピックアップ。小説家にしてバーテンダーという『ごちうさ』キャラ随一の大人な女性ということもあり、仕事終わりに夜空のもとで友人たちとお酒を楽しむ様子を描いた本楽曲。サウンド的にはUKガラージ〜2ステップ流儀のビートに軽快なギターカッティングや流麗なストリングスが絡むリズミカルかつ優雅なナンバーで、それこそ聴いていると星屑の夜空が目に浮かぶよう。なお、本稿の趣旨とはズレますが、同じく本CDに収録されている「ラ・エレガンス」も、カフェに合いそうなフレンチジャズ系の美曲でオススメです。

 キャラソンということであれば、この夏(7月〜9月)に放送されたTVアニメ『One Room セカンドシーズン』より、メインキャラクターの一人である天月真白(CV:水瀬いのり)の「サーチライトと月灯り」も推したい1曲。推進力のあるビートとアンセミックなメロディを備えたサウンドは、ジョナス・ブルーなどのいわゆるEDMとポップスを交配させた近年の洋楽のテイストに近く、サビでは思わず大合唱したくなります。この楽曲はアニメのエンディングテーマとしても使われていましたが、フル尺だと歌声のエディットや徐々にビルドアップしていく曲構成を含めさらに工夫が満載なので、TVで気になっていた人はぜひフルでも聴いてほしいところ。また、水瀬いのりは歌手活動も行っていますが、自身のソロ曲でこういったタイプの楽曲を歌う機会はあまりないので、本作は歌い手の普段は見られない一面を楽しめるという意味でもキャラソンとしての良さが際立つナンバーではないでしょうか。

【SMIRAL公式】サーチライトと月灯り【One Room セカンドシーズン 真白編主題歌】

 そして、今夏に初の日本武道館公演を成功させて以降も次々と新展開を繰り広げているアプリゲーム『Tokyo 7th シスターズ(以下、『ナナシス』)』より、双子の空栗ヒトハ/フタバ(CV:秋奈)による姉妹ユニット、KARAKURIの配信シングル『AMATERRAS』もエレクトロハウス調のダンサブルなナンバー。KARAKURIは歌とダンスで魅せるユニットということもあり、「B.A.A.B.」「-Zero」「Winning Day」というこれまでに発表された楽曲はいずれもシンセとビート感の強い近未来的なダンスポップでしたが、今回の新曲はそれらの延長線上にありつつ、初めてラップパートを導入することで、これまで以上に彼女たちのクールで力強い一面が引き出されています。

【Tokyo 7th シスターズ】KARAKURI 配信限定シングル「AMATERRAS」Trailer

 ちなみに『ナナシス』からは、川澄シサラ(CV:末柄里恵)、浅見ミワコ(CV:優木かな)、鳳チャチャ(CV:大地葉)、二川ミミ(CV:齋藤綾)の4人からなる新ユニット、CASQUETTE’Sがシングル『SHOW TIME』でデビュー。ホーンやストリングスをあしらったビッグバンドジャズ・テイストの表題曲、歌謡曲風のいなたいメロディーとアレンジが懐かしくも新鮮なカップリング曲「マスカレード・ナイト」というゴージャスな2曲を収録しており、『ナナシス』に新しい風を吹き込むことは間違いなさそうです。

 ほかにも、近年はダンスミュージック路線を推し進めているGARNiDELiAが、「踊っちゃってみた動画」シリーズ楽曲を集めたアルバム『響喜乱舞』をリリース。和テイストとEDMを融合した表題曲(ファットマン・スクープっぽい煽り声も!)や、アラビアンミュージックとサイケトランスを掛け合わせたような「アブラカダブラ 〜avra K’Davarah〜」といった、クラブ耳で聴いてもイケてるナンバーを多数搭載しています。竹達彩奈と悠木碧による声優ユニットのpetit miladyによる、AIの恋を描いたロボ声エレクトロポップ「LOVE demonstration」(ニューシングル『360°星のオーケストラ』のカップリング曲)も爆音で浴びるように聴いてみたいところ。ダンスミュージックが当たり前のものとして受容されるようになった昨今、アニソン界隈でもこういった楽曲が今後さらに増えていくことになりそうです。

【みうめ・メイリア・217】アブラカダブラ [avra K’Davarah] OFFiCiAL
【試聴動画】petit milady – LOVE demonstration (Sg「360°星のオーケストラ」カップリング曲)

■北野 創
音楽ライター。『bounce』編集部を経て、現在はフリーで活動しています。『bounce』『リスアニ!』『音楽ナタリー』などに寄稿。