第19回東京フィルメックスでホン・サンス2作品上映、閉幕はジャ・ジャンクー新作
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「川沿いのホテル」
本日10月4日、第19回東京フィルメックスのラインナップ発表記者会見が東京の東京ドイツ文化センターにて行われ、映画祭ディレクターの市山尚三が登壇した。
東京フィルメックスはアジアを中心に、世界各国の独創的な作品を厳選して上映する国際映画祭。新鋭監督を紹介するコンペティション部門には、トルコ映画で初めて同映画祭コンペに選出された「シベル」をはじめ、タン・ウェイやシルヴィア・チャンが出演する台湾映画「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」、柳楽優弥と小林薫が共演した広瀬奈々子監督作「夜明け」など10作品が選出された。審査委員長は「スモーク」「女が眠る時」で知られる監督ウェイン・ワンが務め、審査員にはインドネシアの女性監督モーリー・スリヤ、日本のアートディレクター・エドツワキが名を連ねる。追って2名の審査員が発表される予定だ。
特別招待作品には例年より多い16本がラインナップされた。ホン・サンスがモノクロで撮影した「川沿いのホテル」はオープニング作品、ジャ・ジャンクーがヤクザと情婦の10年以上にわたる恋愛を描いた「Ash is Purest White(英題)」はクロージング作品として上映。ほかにアモス・ギタイがマチュー・アマルリックを主演に迎えた「エルサレムの路面電車」および短編「ガザの友人への手紙」、坂本龍一が音楽を担当したツァイ・ミンリャンの新作「あなたの顔」、オープニング作品とは異なるホン・サンスの新作「草の葉」、日本からは豊田利晃「PLANETIST」、篠崎誠「共想」、中江裕司によるドキュメンタリー「盆唄」といったタイトルが並ぶ。
同部門には、22歳の監督・奥山大史がメガホンを取った「僕はイエス様が嫌い」も選出された。奥山は同作にて、去る9月に第66回サンセバスチャン国際映画祭にて最優秀新人監督賞を獲得。大学卒業間近の今年2月に撮影し、会社に勤めながら編集を行って本作を完成させた。本日の会見に登壇した奥山は「いくつか海外の映画祭も決まりかけているので、それが終わってから来年(劇場で)公開できたらと思っています」と状況を報告し、市山は「年内に国内上映するのはフィルメックスだけですね。ぜひ早めにスクリーンで観てください」とアピールした。
また本年はイランの監督アミール・ナデリの特集上映も実施。「ハーモニカ」「期待」といった作品のほか、ナデリが脚本を執筆したマイケル・B・ジョーダン出演作「華氏451」などがスクリーンにかけられる。
さらに「フィルメックス新人監督賞・シナリオ賞」と銘打たれたコンテストの開催が決定した。グランプリ受賞作品は木下グループのバックアップにより製作および配給される。応募要項は11月1日に開設される公式サイトで確認を。
第19回東京フィルメックスは11月17日から25日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。主なラインナップは以下の通り。
第19回東京フィルメックス
2018年11月17日(土)~25日(日)東京都 有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日比谷、有楽町スバル座
コンペティション部門
「シベル」(トルコ)
「アイカ(原題)」(ロシア、カザフスタン)
「マンタレイ」(タイ)
「幻の土地」(シンガポール)
「幸福城市」(台湾)
「自由行」(台湾)
「轢き殺された羊」(中国)
「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」(中国)
「象は静かに座っている」(中国)
「夜明け」(日本)
特別招待作品
「川沿いのホテル」(韓国)※オープニング作品
「Ash is Purest White(英題)」(中国)※クロージング作品
「エルサレムの路面電車」(イスラエル)
「ガザの友人への手紙」(イスラエル)
「名前のない墓」(カンボジア)
「8人の女と1つの舞台」(香港)
「アルファ、殺しの権利」(フィリピン)
「あなたの顔」(台湾)
「盗馬賊」(デジタル修復版)(中国)
「草の葉」(韓国)
「PLANETIST」(日本)
「盆唄」(日本)
「共想」(日本)
「僕はイエス様が嫌い」(日本)
「空の瞳とカタツムリ」(日本)
「Complicity(英題)」(日本)
特集上映 アミール・ナデリ
「ハーモニカ」
「期待」
「華氏451」(2018)
「マジック・ランタン」ほか(予定){/pre}