山田孝之と安藤政信が「デイアンドナイト」出演を巡り“言った言わない”論争
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「デイアンドナイト」完成披露報告会見の様子。左から藤井道人、安藤政信、阿部進之介、清原果耶、山田孝之。
「デイアンドナイト」の完成披露報告会見が本日10月5日に東京・東京国際フォーラムで行われ、キャストの阿部進之介、安藤政信、清原果耶、監督を務めた藤井道人、プロデューサーの山田孝之が出席した。
本作では“人間の善悪”をテーマとし、父親の自殺をきっかけに実家へ帰ることになった主人公・明石幸次が、次第に復讐心に駆られ裏稼業に手を染めていくさまが描かれる。藤井、山田、明石を演じた阿部が2013年から温めていた本作。完成した今の心境を問われた阿部は「できたかあ……という気持ちですね。長い時間みんなで作ってたので感無量です」と答える。藤井は「誰かからお願いされて始まった企画ではないので、脚本は納得のいくものを作ろうというのが、阿部さんと山田さんと僕の共通の思いでした。劇中に出てくる風車のある町に泊まり込んで、もっともっといいものになると思って書いていたら2年、3年経ち、そろそろ撮らなくてはと思ったのが2017年。こんな脚本作りは一生ないだろうなと思いました」と振り返った。
本作ではプロデューサーとして裏方に徹した山田。苦労したエピソードを問われると「皆さん力があって専門分野の方が集まってやってくださったので、僕は最終的に『どうですか?』『はい、いいですね』ぐらいです。大したことは何もやっておりません」と謙遜する。続けて山田は、安藤をキャスティングする際のエピソードを披露。「どれだけ話して熱を伝えても『やりたい!』としか言ってくれない。やる、とは言ってくれないんですよ(笑)」と明かす。すると、安藤は「いや! ずっとやるやるって言ってた!」と反論。山田が「いや『やり、たい』って言ってました」と応じると、阿部は「そんな、言った言わないを記者会見の場で……」と苦笑した。
2017年11月に秋田県内でオールロケを行った本作。児童養護施設で働く男・北村健一を演じた安藤は「2017年は映画やドラマにもたくさん出させていただいて、自分の中でとても挑戦的な1年だったんですが、もっとやれるという気持ちがあって。この作品にぶつけたい、応えたいという思いを持って秋田に向かいました。東京駅で小さなシャンパンを買って、1人で祝杯を上げて」と笑いながら振り返る。撮影中のエピソードについて、養護施設で暮らす少女・大野奈々役の清原は「あまり記憶がないんです」としながら「毎日感情の面で体当たりやタックルみたいな撮影をしていたので。でも自分がこの作品にそれだけの熱量を持って撮影していたという記憶はあるので、うれしかったですね」と語った。そんな清原の演技について山田は「オーディションでワンシーン演じていただいただけで、奈々そのもの。もう専属契約を結びたいぐらい。ただ、僕はくだらないこともやってしまうので事務所さんがNGだと思いますが」と苦笑いを浮かべる。
ここで会場の記者から「何故今、善と悪をテーマに作品を作ろうと思ったのか?」という質問が飛ぶ。阿部は「企画している段階で、今現状がこうだからこういうものを作ろうという話はしませんでした。私たちが今生きていて、肌で感じているものが出てきたんじゃないかなと僕は思っていて。『社会に問題提起します!』みたいな会議はしていないですね。じわじわと染み出てきたものが形作られてこの映画になったんだと思います」と述べた。
「デイアンドナイト」は2019年1月19日より秋田で先行公開。その後、1月26日より全国で公開される。
(c)「デイアンドナイト」製作委員会