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「斬、」釜山国際映画祭で上映、塚本晋也が語る“暴力の始まり”とは

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塚本晋也

「斬、」が第23回釜山国際映画祭にて現地時間10月6日に韓国・ハヌルヨン劇場で上映され、監督の塚本晋也が登壇した。

江戸時代末期の農村を舞台にした本作は、時代の波に翻弄される浪人と彼に関わる人々の姿を描いた時代劇。池松壮亮が文武両道で才気あふれる浪人、蒼井優が浪人の隣人である農家の娘を演じている。

台風による飛行機欠航のため、池松と蒼井の登壇は叶わなかった公式上映。質疑応答では、浪人の「どうしてあんなふうに人を斬れるのか」というセリフに関して質問が飛ぶ。「SNSの言葉の暴力なども含め、観客が拡大解釈することまで念頭に入れて演出していたのですか?」と問われた塚本は「ネット上での言葉の暴力も暴力です。この映画には、そういうことは嫌だなという気持ちが入っています。小学生みたいですが『隣の人の悪口を言うことは暴力の始まり』だと思っています。隣の人のことをよく言ってるほうがいい。なので、あなたの質問の内容は映画にきちんと入っています」と答えた。

また塚本作品の特徴である“執拗さ”と揺れ動く手持ちカメラでの撮影について聞かれると、塚本は「客観的に観るのではなく、なるべく観客が映画の中に入って一緒に体験している感じになってほしいと思っています。カメラはそれに付いてきているだけです。狙っているわけではなく、生々しい感じにしたいのでやっています」とコメント。「しつこいという点に関しては、私の資質ですね。どこから来ているのかは、両親に聞きたいぐらいです」と笑い、「普段はけっこうぼーっとしているのですが、映画を作るときだけは非常ベルを鳴らして『大変だ! 作らなきゃ!』と思ってやっています。お客さんにジェットコースターを体験しているような気持ちになってもらいたくて、音と映像に力を入れています」と語った。

「斬、」は11月24日より東京・ユーロスペースほかで全国でロードショー。

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

(c)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER