『ゴジラvsコング』の日本公開が5月14日に決定! ゴジラとウルトラマンに挟まれたエヴァはどうなる!?
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先週末の動員ランキングは、『花束みたいな恋をした』が土日2日間で動員15万4000人、興収2億2200万円をあげて2週連続で1位に。動員、興収ともに前週比116%と、既に作品を観た人によるソーシャルメディア及び「マスク越しの口コミ」効果も大いにあって、このままロングヒットになりそうな勢いだ。先週日曜までの累計は動員56万6000人、興収7億7700万円を突破。東京テアトルとリトルモアの配給作品としては異例となる興収10億円超えも目前だ。
新作では、『樹海村』が3位に初登場。昨年2月に公開された『犬鳴村』に続く「実録! 恐怖の村シリーズ」の第2弾となる同作の先行上映も含む3日間の動員は11万8055人、興収1億5287万1250円。この成績は『犬鳴村』のオープニング3日間の興収の約75%。東映としては実写映画で久々に掘り当てた鉱脈とも言える同シリーズ。新型コロナウイルスのパンデミック下で撮影に様々な制限があったという事情もあるようだが、シリーズ2作目にして作品内容的にも少々パワーダウンが見受けられた。人気シリーズに育つかどうかは、次の作品が正念場となってくるだろう。
今週に入ってからの最注目ニュースは、東宝が『ゴジラvsコング』の日本公開を5月14日と発表したことだろう。2014年の『GODZILLA ゴジラ』、2017年『キングコング:髑髏島の巨神』、2019年の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に続く、レジェンダリー・ピクチャーズ製作の「モンスターバース」第4弾となる本作。日本ではゴジラの商標を持つ東宝の配給作品となるが、観客にとっては昨年12月公開の『ワンダーウーマン 1984』以来、久々のハリウッド・ブロックバスター作品の劇場公開作となりそうだ。
2020年3月に全米公開が予定されていた同作は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて同年11月20日に延期。その後、2021年5月21日に再び公開延期となったが、日本国外での配給元であるワーナー・ブラザースによる「2021年に劇場公開されるすべての作品をHBO Maxで同時配信する」という方針を受けて、今年1月に北米では急遽3月31日に劇場公開されることが決定していた。そんな本国での二転三転を受けて、日本公開はどうなることかと気を揉んでいたが、ひとまずは5月14日公開に落ち着いたわけだ。
同じ実写特撮大作映画として、東宝は庵野秀明原案・脚本による『シン・ウルトラマン』を2021年初夏に公開すると発表済み。また、東宝は東映とカラーとの共同配給作品として『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開も控えている。同作は当初2020年6月に公開が予定されていて、新型コロナウイルスの感染拡大によって2021年1月に一度公開延期、さらに二度目の緊急事態宣言を受けて再度公開延期となっていて、現在のところ新しい公開日は未発表のままだ。
同じ庵野秀明関連作品として、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開を初夏公開予定の『シン・ウルトラマン』よりも後回しにするとは考えにくく、それをふまえても『ゴジラvsコング』の5月14日という公開日の設定はなかなか悩ましい決断だったのではないか。その背景には、どんなに遅くとも5月14日までには、現時点で緊急事態宣言の対象となっている地域での「20時まで」という映画館の営業制限が解除されるという予測もあったはずだ。ゴジラが先か? エヴァが先か? 『ゴジラvsコング』の公開日が決定したことで、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開日再々決定はカウントダウンに入った。
■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「集英社新書プラス」「MOVIE WALKER PRESS」「メルカリマガジン」「キネマ旬報」「装苑」「GLOW」などで批評やコラムやインタビュー企画を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter
■公開情報
『ゴジラvsコング』
5月14日(金)全国公開
出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、小栗旬、エイザ・ゴンザレス、ジュリアン・デニソン、カイル・チャンドラー、デミアン・ビチル
監督:アダム・ウィンガード
脚本:エリック・ピアソン マックス・ボレンスタイン
製作:レジェンダリーピクチャーズ ワーナーブラザース
配給:東宝
(c)2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.