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SKIPシティ映画祭で受賞、古民家に集う男女描いた藤田直哉の短編が劇場公開

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「stay」ポスタービジュアル

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020で国内コンペティション短編部門の優秀作品賞を獲得した、藤田直哉の監督作「stay」が4月23日に公開される。

山奥に佇む一軒の古民家を舞台に、共同生活を送っている男女5人と、村の役所から派遣された主人公・矢島の姿を描く本作。不法に滞在する彼らに退去勧告を言い渡しにやってきた矢島だったが、リーダー格の男・鈴山のペースに巻き込まれ、立ち退きを説得できないどころかその家でひと晩を明かす羽目になってしまう。「あの日々の話」の山科圭太が矢島を演じ、石川瑠華、菟田高城、遠藤祐美、山岸健太、長野こうへい、金子鈴幸も出演。脚本は金子が手がけた。

本作が生まれたきっかけとして、藤田は友人が購入し修繕した古民家の存在を紹介し、「この家に初めて入ったときの不思議な印象を、映像を通して伝えたいという気持ちから制作が始まり、旧来の日本家屋の中に現代人が住むとどうなるのか、どんなコミュニティを作るのか、『家族』とは何か、など色々な疑問を提示する作品になりました」と述べている。山科、石川のコメントは下記に掲載した。YouTubeでは予告編が公開されている。

「stay」は東京・アップリンク渋谷ほかで公開。

藤田直哉 コメント

この映画は、友人が購入し、廃屋になりかけていた状態から修繕や改装を重ねていた一軒の古民家に出会ったことで生まれた映画です。
この家に初めて入ったときの不思議な印象を、映像を通して伝えたいという気持ちから制作が始まり、旧来の日本家屋の中に現代人が住むとどうなるのか、どんなコミュニティを作るのか、「家族」とは何か、など色々な疑問を提示する作品になりました。
観客にどう受け入れられるか全く想像できなかったですが、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で優秀作品賞を受賞し、とても嬉しかったです。
コロナ禍を迎えて、他者との関係性や距離が制約され、新たな関係作りを模索している今だからこそ、観てほしい作品です。

山科圭太 コメント

少ない台詞でキャラクターを掴むのが難しいなと思い、とにかくあの場所で起きることに反応できるよう心がけました。最初に脚本を読んだとき、矢島はあまり動じないイメージでしたが、共演者の皆さんの演技により、とても心を動かされたのが印象的です。試写で作品を観た際は、知っている物語のはずなのに、先が分からないスリルがありました。人と人が共に暮らすことで生じる根源的なテーマ、そしてあの奇妙な緊張感をぜひお楽しみいただきたいです。

石川瑠華 コメント

私の演じたマキは「家」の外の世界で悩みや葛藤を抱えて自分を変えたくてこの「家」に来た人。
「家」に来る前とは違う自分を作り出すこと、そして違う自分でいることを心がけました。
マキとしては挑戦をしているような感覚でした。
また家の中で作られたモヤっとした人間関係をできるだけ感じながら、「家」にいました。

この映画は色々な捉え方ができる映画だと思います。誰のものでもない、誰にも決まりがないようである「家」で暮らす人達。
それって本当に自由なのかな。人の物語でもあり、「家」の物語でもあると思いました。

(c)東京藝術大学大学院映像研究科