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『半妖の夜叉姫』第19話、琥珀の成長を感じさせる回に 翡翠との師弟関係の尊さ

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リアルサウンド

 高橋留美子原作のアニメ『犬夜叉』シリーズのスタッフが再集結し、次世代の物語を紡ぐ『半妖の夜叉姫』(読売テレビ・日本テレビ系)の第19話「愛矢姫の紅夜叉退治」が2月13日に放送された。

 これまで数話にわたって、獣王・麒麟丸が束ねる四凶たちとの厳しい戦いに身を投じてきたとわ(松本沙羅)とせつな(小松未可子)、もろは(田所あずさ)の3人。だが、彼女たちの妖怪退治は一旦お休み。代わりにせつなたち妖怪退治屋と、もろはをはじめとする賞金稼ぎが合戦を繰り広げることとなった。

 というのも妖怪退治屋の1人、翡翠(浦尾岳大)が第7話に登場した関東管領家・扇谷柊弾正の娘である愛矢姫(山岡ゆり)に「賞金稼ぎとの合戦に勝利すれば召し抱えにしてやろう」と持ちかけられたから。指定された賞金稼ぎたちの中に、もろはがいたのだ。頭である琥珀(木村良平)が不在の中、翡翠はその依頼を勝手に引き受けてしまう。

 翡翠は、『犬夜叉』で犬夜叉やかごめと行動を一にしていた不良法師・弥勒の息子。弥勒は自分の本心を他人に知られまいと、美しい女性を見ては口説くという軽薄な行動を取っていたが、唯一本気になった同じく犬夜叉一行の珊瑚と最終的に結ばれ、間に翡翠と双子の娘を授かった。

 しかし、自身の技であった風穴を失ったことで一戦を退き、神通力を得るために山奥で千日行を積んでいることが第13話で明らかに。翡翠はそんな父をよく思っていなかったようで「親父は戦いから逃げた」と軽蔑していた。誤解は四凶・饕餮との戦いで溶けたようだが、翡翠にとって父よりも尊敬できるのが妖怪退治屋を牽引する珊瑚の弟・琥珀だったのだろう。愛矢姫の依頼を受けたのも関東管領家の召し抱えになれば、これまで世話になった琥珀に恩返しができると思ったからだった。

 だが、この依頼には裏があったのだ。愛矢姫はまるで余暇のようにせつなたちの合戦を楽しんでいるかのように見えたが、実は菊十文字盗難事件の際にとわとせつなに着物を汚されたことを根に持っており、復讐のために今回の件を企てていた。そうとも知らず、翡翠たちはもろはと口裏を合わせ、談合試合のような形で合戦を開催。機転の良さは弥勒に似たのかもしれない。

 そこに待ったをかけたのが、琥珀だ。琥珀は愛矢姫のでっち上げに気づき、お金のために合戦に臨んだ翡翠に「退治屋は困っている人のために退治をするものだ」と大事な教えを授ける。かつて犬夜叉最強の敵であった奈落に殺され、蘇生するも妖怪の手下として扱われていた琥珀。犬夜叉をはじめ、たくさんの人に助けられ困難を乗り越えてきた琥珀だからこそ、困っている人を助けたいという強い信念を持っているのだろう。第19話は彼の成長ぶりも伺えるとともに、合戦を通してとわ、せつな、もろはの絆も深まる回となった。

 さらに第20話では、『犬夜叉』との繋がりを感じられるキャラクター・紫織が登場する。紫織は凄まじく強い結界を張ることができる妖怪・百鬼蝙蝠の父と人間の母の間に生まれた半妖。犬夜叉が持つ鉄砕牙の強化に貢献した彼女は、どうやら山火事でとわと離れ離れになったせつなを隠れ里で育てていたようだ。せつなの過去も明らかになりそうな次週に期待が高まる。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
『半妖の夜叉姫』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜17:30~放送
※一部地域を除く
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子 
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ、小学館、読売テレビ
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
公式サイト:hanyo-yashahime.com
公式Twitter:@hanyo_yashahime