『おちょやん』みつえ・東野絢香の想い人は? 朝ドラ定番の“恋模様”に動き
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鶴亀家庭劇の初興行は大盛況のうちに幕を閉じた。次の公演はひと月後と決まった頃、芝居茶屋「岡安」のひとり娘、みつえ(東野絢香)に縁談話が持ち上がった。NHKの連続テレビ小説『おちょやん』が第11週初日を迎え、みつえの好きな人が判明する。
みつえの縁談相手は京都の料亭の跡取りで、シズ(篠原涼子)と宗助(名倉潤)は「あんたにはちょっとでもええとこお嫁に行ってもらいたい」と後押しする。考え込む表情を見せるみつえにシズが「誰かほかに思うてる人でもいてますのか?」と聞くと、みつえは「ちょっと考えさしてもろてもええ?」と答えた。
みつえは幼い頃から、一平(成田凌)を慕っていた。鶴亀家庭劇の千秋楽では「一平君!」と黄色い声をあげ、投票用紙には一平の名を書いている。「今でも思てんねやろか、一平君のこと」という宗助の台詞もあいまって、みつえが一平を思っているように思えた。
ところが、みつえが思いを寄せる相手は「福富」の息子・福助(井上拓哉)だった。
思えば、千代(杉咲花)が道頓堀に戻ってきた回から、みつえと福助の仲を匂わせるシーンがいくつもあった。「福富楽器店」へと変わった「福富」の前で、千代は福助とみつえに再会する。千代がなぜ二人がここにいるのかと聞いた時、二人ははっきりとは答えなかった。この際、胸に手をやるみつえはそこはかとなく切ない表情を見せ、福助もどこか照れくさそうに鼻をかいていた。おそらく勘のいい視聴者は、勝気な性格のみつえがふと女性らしい表情を見せたこの一瞬で、二人の関係が憎まれ口をたたきあう幼馴染から恋仲に変わっていることを推測したはずだ。鶴亀家庭劇の芝居を見に来たシーンでは、福助がみつえに親しげに声をかけた時、みつえは彼にそっけない態度をとった。一平に声援を送ったこともあり、みつえはやはり一平が好きなのでは? とも思えたが、その場にはお互いの両親がいた。みつえはシズと菊(いしのようこ)の仲を気にしていたのかもしれない。
「(好きな人は)福助や……」というみつえの笑顔と、それを聞いて思わずにやけ、「フフフ、みつえちゃん……フフフフフ」と妙なデレ方をする福助は可愛らしい。
二人の関係をどことなく匂わせていた東野と井上は公式サイトのインタビューで、お互いの印象について「最初から話しやすい人やと思ってた!」「“福助の顔”になったから、安心してお芝居ができた」と話している。東野と井上自身が、お互いに信頼して芝居に向き合っていることがうかがえる。
第11週初日を迎えるまで、一部視聴者の間で盛り上がりを見せていたみつえと福助の絶妙な関係性は、二人の演技の向き合い方あってのことだろう。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/