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『ボス恋』間宮祥太朗演じる中沢の献身ぶりが切なすぎる 潤之介と奈未の絆は確かなものに

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リアルサウンド

 『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系、以後『ボス恋』)第7話では、主人公の鈴木奈未(上白石萌音)を巡る“子犬系男子”ことカメラマンの潤之介(玉森裕太)と“ワイルドオオカミ系”のドS先輩・中沢(間宮祥太朗)の想いが交錯し、今回はガッツリと“恋愛メイン回”となった。

 潤之介と蓮見理緒(倉科カナ)の関係を不安視している奈未は、編集長の宝来麗子(菜々緒)からのお達しで長野の化粧品会社に向かうことになる。同じく、長野のコテージの取材に来ていた中沢らと合流し日帰りキャンプを楽しむも、帰り際に潤之介からもらったブレスレットの紛失に気づき「失くしたものがあるから」と一人残ると言い出す奈未。もちろん一緒に残ってくれて黙々と探してくれる中沢だが、なかなか見つかる気配がなく諦めモードの奈未に「あいつにもらった大切なものなんだろ?」と全てお見通しの彼の“お察しの良さ”に、観ているこちらの胸が締め付けられる。

 バスに乗り過ごし終電に間に合わないとなり、宿泊先を探すも、1部屋しか空いていないというこれは“あるある”な展開。潤之介に「遠慮しないから」宣言をしていた中沢だったが、客室に取材道具だけ置いて自分は別の宿を探すと言い出す紳士っぷりを発揮する。さすがにそれは忍びないと「布団を離せば大丈夫だし、始発までUNOかトランプでもしましょう」と提案する奈未に対して、中沢より極めつけの一言が放たれる。「もしお前が俺の彼女だったら、俺はお前が他の男と泊まるのは嫌だ」。ここまでわきまえていて、何より奈未のことを大切に想ってくれて正々堂々と勝負に挑む様子に、胸キュンを通り越してその尊さに面食らった視聴者も少なくないだろう。その上、中沢が宿を後にして向かったのはお昼にキャンプをした川辺で、ライト片手に奈未の落とし物を探し続ける様子には本当に泣けた。

 ただ、そんな涙ぐましい中沢の献身ぶりも、潤之介のあまりに純度の高い、何にも汚れていない心に触れてしまうとやはり奈未はどうしたってそちらに駆け出してしまうのである。もはやそこに理由も理屈もないのだ。

 夜通しバイクを走らせ長野までやってきた潤之介が言う。「奈未ちゃんの手はちっちゃいね。俺、奈未ちゃんのこと考えるとドキドキするんだ。奈未ちゃんが笑うと嬉しいし、泣いていると悲しい。そんな風に思えるのは世界中で奈未ちゃんだけなんだ」。こんなにシンプルな、だけれどもこれ以上に伝わる“好き”という表現があるだろうか。

 第4話ラストと同じ展開、デジャブである。星空を見に行く約束をしていた矢先、潤之介に初恋の相手で想い人がいると耳にした奈未は待ち合わせ場所に行くのを一度は断念。しかし、やっぱり気になって駆けつけた先に待っていたのが、雨の中フードを被って自分のことを一心に待つ潤之介の姿。遅刻を咎めるでも、雨の中待たされたことを咎めるでもなく「雨降って星見えないや」なんて呟かれたら、理屈も理性も超えて抱きしめたくなってしまうだろう。

 今回も、色々な要素が重なり勘違いし、潤之介の本心を測りかねた奈未が一旦は彼を遠ざけるのだが、これまでとは違って、最後には自分から想いを伝えられていた。2人の絆がより確かなものになった、美しく愛おしさに溢れた瞬間だった。

 抱き合う2人の元に戻ってきた中沢……夜通し探してようやく見つけた奈未のブレスレットはバッグの隣に置いて、そっとその場を立ち去る。自分の気持ちや欲望よりも、好きな相手の想いを尊重するなんて、なかなかできることではない。「見返り」を求めずに、自身の献身をちっとも見せずにそっと仕舞い込める優しさ、色んな想いを飲み込んで飲み込んでその上で言葉を選んで話す中沢のストレートな物言いと最後の去り際に本当に魅せられた回だった。

 奈未の家族が登場した今話に続いて、次週は宝来家のターンになるようだ。潤之介が実家や家業、自身の夢とどう向き合い折り合いをつけていくのかにも注目したい。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS