沢村一樹がドラマ「東京地検の男」で庶民派検事に、矢本悠馬や市川猿之助と共演
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左から市川猿之助、沢村一樹、矢本悠馬。
沢村一樹が主演を務めたドラマスペシャル「東京地検の男」が、3月24日にテレビ朝日系で放送される。
本作で沢村が演じたのは、東京地検の検事・東丸信助。父や兄と同じく弁護士になることが当然だと思い込んでいた東丸は、あるとき“本当に自分は弁護士になりたいのか?”と疑問を抱き、一度はスーパーマーケットに就職したという変わった経歴を持つ検事だ。たまたま遭遇したある出来事をきっかけに司法試験を受け検事になった彼は、スーパーで働いていたときに培った“普通”の感覚を忘れない庶民派検事。そんな東丸の誠実な態度が、かたくなな被疑者の心を解きほぐしていく。
沢村の脇を固めるのは矢本悠馬と市川猿之助。矢本は検察でのキャリアが自分より浅い“後輩”東丸とコンビを組んで2年になる検察事務官・桐野圭太を演じた。そして猿之助は東京地検の花形部署・特捜部のエース・三枝浩一に扮している。
このほか本作には、東丸のもとに送検されてきた洋食店オーナー・山岡誠二役で平岳大、その店の店員・田所美香役で星野真里が出演。三枝が着手する贈収賄事件のターゲットとなる衆議院議員秘書を野間口徹と岡田浩暉、東京高等検察庁の検事長・大川克彦を羽場裕一が演じた。そして明るく元気に東丸を支える妻・恭子に富田靖子が扮する。
沢村は東丸の役作りについて「台本を読んだ時に感じた“愛らしい”イメージは崩さず、ちょっとオタクな感じにしてみました」と述懐。「“正義”というものを感じていただき、さらにコロナの影響が続く中でも『諦めないで頑張ろう』『夢をもって生きていこう』というメッセージが伝わればいいな、と思っています」と語った。
なお本作の脚本は尾崎将也が担当。星野和成が監督を務めた。
ドラマスペシャル「東京地検の男」
テレビ朝日系 2021年3月24日(水)20:00~21:48
沢村一樹 コメント
検事・東丸信助を演じるにあたり、意識したこと
今回、検事の役をやるにあたって、「推定無罪」を意識していました。僕が演じる東丸は、取り調べをする時、「この人を何年の刑にしてやろう」ではなく、「本当に有罪なのか? 無罪ではないのか?」と考えて、被疑者に関わる人だと思ったので、つねに「推定無罪」ということを考えながら演じました。
僕はこういった“事件もの”にたくさん出演させていただいているので、東丸を演じる際、キャラクターを差別化したいな、という個人的な欲みたいなものが出てしまって(笑)。台本を読んだ時に感じた“愛らしい”イメージは崩さず、ちょっとオタクな感じにしてみました。そういう人って、得意分野のスペックがすごく高かったりしますが、そこはあまり高くし過ぎず、一生懸命さで能力をカバーしている人、観た人が応援したくなるキャラクターにしたいな、と。突出したオタクっぽい一面は“諦めないところ”。七転び八起きという言葉のように“8回までは失敗してもへこたれない人”というイメージでやりました。
相棒となる矢本悠馬、エリート検事を演じる市川猿之助と共演した感想
東丸のキャラクターができ上がっていたので、三枝役の猿之助さんと一緒のシーンでは、三枝の面白おかしいキャラクターが生きればいいなと思っていました。三枝のキャラクターが前面に出てきた時には、グッと沈んだ動きをするよう意識していましたね。三枝のテンションに寄って行きすぎると大変なことになるので(笑)、少し気配を消すなど…その瞬間ごとにシーンとして面白くなるように考えていました。人間の脳ってすごいんですよ、瞬時にいろんなことが考えられるんです(笑)。
猿之助さんとは久々にご一緒しました。「サラリーマンNEO」の“セクスィー部長”ぶりでしたね。本当にいい具合にはっちゃけていて、三枝もとても面白い人物になっています。
東丸の相棒・桐野を演じる矢本くんは、ヤンチャ感がにじみ出ていて、すごく男気がある。そして負けん気の強さみたいなものが芝居にも出ていて、すごく面白かった! 東丸の方が年は上だけどキャリア的には桐野が先輩という関係と、僕ら自身のキャリアや性格の違いなど、いろんなものが絡み合うことで、2人の関係にすごく立体感が出ていて、面白いバランスが生まれたと思います。
視聴者へのメッセージ
劇中に、「検察は最後の砦」という東丸のセリフがあるんですが、このドラマには“この国の司法や正義はきちんと守られているはず”という期待と、“そうあるべきでしょ?”と問い掛けるメッセージが込められています。視聴者の皆さんに“正義”というものを感じていただき、さらにコロナの影響が続く中でも「諦めないで頑張ろう」「夢をもって生きていこう」というメッセージが伝わればいいな、と思っています。
矢本悠馬 コメント
検察事務官・桐野圭太を演じるにあたって意識したこと
僕が演じる桐野はわりとイマドキの若者なのかな、と思いました。土日は休み、というのが当たり前の生活を送り、職場では上司との関係にも入り込み過ぎないタイプなのかな、と。東丸のように一つの事件を追うために自分のプライベートな時間を費やすタイプではないと思うんです。でも、一緒にいるうちに、自分にはないものをもっている東丸からいろいろな刺激を受けて、尊敬もしているんだと思います。
感情やモチベーションで仕事をしていて、やる気のあるなしがその都度変わったりする、そういう桐野が一番“人間っぽい”のかなと感じました。きっと桐野は、一つの事件に対してきちんと向き合っている時もあれば、「めんどくせーな」って思っている時もあるんですよね。僕もそういうタイプなので(笑)、珍しく自分に似た役なのかもしれません。
主演の沢村一樹、エリート検事を演じる市川猿之助と共演した感想
脚本を読んだ時、東丸のキャラクターが「テレビで拝見している沢村さんぽいなぁ」と思いました。実際にお会いした時もイメージ通りで…僕が言うのは失礼なんですが、とてもかわいらしい方でした(笑)。沢村さんとはお互い素のまま本番に入っている感じでした。居心地のいい雰囲気を作ってくださる方なので、リラックスしてやれましたね。芝居をしているという感じがあまりなく、いい意味で、肩の力をバリバリ抜いてやっていました(笑)。
猿之助さんには、勝手にワイルドなイメージをもっていたんですが、凛と座ってらっしゃったり、本番まで扇子をお持ちになっていたりする、知的で品のある方でした。本当に礼儀正しく上品で…自分とは階級の違う、貴族みたいな方でした(笑)。でも、芝居は猿之助さんだけ…(笑)。驚きの芝居です! 最初はテンションを合わせた方がいいのか、どうチューニングすべきか迷ったんですが、沢村さんがいつもの東丸だったので、「合わせなくていいんだ!」と安心しました(笑)。
視聴者へのメッセージ
“検察もの”は、硬派なイメージをもたれがちなんですが、今回は東丸が相当ユニークで不思議なキャラクターなので、それを見ているだけでも面白いと思います。さらに、沢村さんや猿之助さんをはじめ、“芝居モンスター”たちの強烈な個性がバチバチしています!
捜査や聞き込みなどマジメなシーンでも、東丸と桐野に意外と緊張感がなかったり…かと思うと、急に東丸にスイッチ入ったりと、ユニークなキャラクターを見ているだけでも本当に面白い! 肩に力を入れず観ていただける作品だと思いますので、楽しみにしていてください。
市川猿之助 コメント
エリート検事・三枝浩一を演じるにあたり、意識したこと
検事を演じるにあたり特に意識したことはないんですが、沢村さんとかぶらないようにしようとか、俳優としての“彩り”については考えていました。脚本では、沢村さんの東丸と僕の三枝はまったくタイプが違う…対比する人物として描かれていたので、ドラマの中での“在り方”を意識していました。
東丸が庶民派で三枝がエリートとなると、エリートの三枝は高圧的で笑いの要素がない、というのがお約束ですよね? でも、そういう型にハマッても面白くないので、実は東丸とキャラが少しかぶるようにやってみた部分もあるんです。本来ならクソマジメになるところなんですが、東丸とはちょっと違うお茶目な面も出してみました。僕がやるならお約束には当てはまらないようにしたいと思い、キャラクターがどんどん変わっていきました。三枝には怖い面もあるんですが、おちゃらけた一面もある。キャラクターのどこかに“素”が見えないと面白さが出ないのかな…と思って、三枝と僕には似ている部分がないんですが、なるべく自分に近づけたいなと思って演じました。
沢村一樹と共演した感想
沢村さんとは「サラリーマンNEO」の“セクスィー部長”で、ふざけたコントをやっていたので、そのイメージが強すぎて…(笑)。がっつり芝居でご一緒するのは今回が初めてなんですが、マジメにお芝居してらっしゃると、それだけで面白かったです(笑)。雰囲気をよくしてくださる方なので、とても和気あいあいとした現場でした。
幅広いジャンルで活躍中だが、歌舞伎との切り替えなどで意識していること
よく歌舞伎とドラマ、バラエティーの現場では切り替えが大変そうと言われるんですが、僕自身苦に感じることはないですね。僕にとって歌舞伎は“日常”なので、特に切り替えもしていない…まったく世界が違うからいいんでしょうね。むしろ、警察と検察の役など設定が似ている作品をやり続けている人の方が大変だと思いますよ。
視聴者へのメッセージ
この作品は、2時間ものの伝統をきちんと受け継ぎつつ、東丸と三枝がイヤイヤながらも手を組むことになって生まれるチーム感というような、視聴者の皆さんに楽しんでいただけるイマドキのドラマのテイストも入っています。幅広い年齢層の方に観ていただける作品だと思いますので、ぜひご覧ください。