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ダニエル・シュミット監督『ヘカテ』リバイバル上映 蓮實重彦がコメント

映画

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CINRA.NET

映画『ヘカテ デジタルリマスター版』が4月23日から東京・渋谷のBunkamura ル・シネマほか全国で順次公開。ポスタービジュアル、場面写真、蓮實重彦のコメントが到着した。

1941年に生まれ、2006年に逝去したスイスの映画監督ダニエル・シュミットの代表作で、1982年に公開された『ヘカテ』が、シュミットの生誕80年を記念してデジタルリマスター版としてリバイバル上映。第二次世界大戦の中立国スイスの首都ベルンを舞台に、フランス大使館主催のパーティー会場で外交官の男ジュリアンが、約10年前に赴任した北アフリカの植民地で出会い、愛した謎のアメリカ人妻クロチルドを想う様を描く。

原作は、外交官で、第二次世界大戦後の亡命先スイスでココ・シャネルの伝記を執筆したポール・モランの小説『ヘカテとその犬たち』。ラウール・ヒメネスがプロダクションデザインを務め、カルロス・ダレッシオが音楽を担当している。

外交官役を演じるベルナール・ジロドーが劇中で着用している白のリネンスーツなどの衣装は、クリスチャンディオールが同作のためにデザインしたもの。ヒロインはローレン・ハットン。

蓮實重彦のコメント

求めあう男女がとりわけ大きな悦びを享受するのは、素肌で交わることにもまして、ラフなドレスをまとったままの女を、衣服を脱ごうともしない男が背後から抱擁することによってである。
それにふさわしい懐古的なワルツのリズムと、二階の欄干という宙吊りの空間とを二人に提供することで、ダニエル・シュミットは、もっとも心に浸みる忘れがたいラブシーンを映画の歴史に刻みつけてみせた。この場面、必見である。