松井珠理奈とはどんなアイドルだったのか? SKE48 後輩メンバーが語る、絶対的エースの偉大な背中
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SKE48が2月3日に27thシングル『恋落ちフラグ』をリリース。2020年に卒業発表した松井珠理奈のラストシングルで、表題曲はグループ初となるメンバー全員で歌唱。研究性も含む68名で、珠理奈を明るく送り出す。
そんな同シングルにかけた思いとは? リアルサウンドでは松井珠理奈本人へのインタビューも行っているが、荒井優希、江籠裕奈、鎌田菜月、熊崎晴香、髙畑結希の中堅メンバーと、8期生の井上瑠夏、北川愛乃、野村実代、佐藤佳穂の2組にもインタビュー。『恋落ちフラグ』の魅力はもちろん、彼女たちが長く背中を見てきた“松井珠理奈”という存在、さらにはグループの今後についても聞いてみた。
「おじゅりに成長を見せられて嬉しかった」(江籠)
ーー今回のシングル表題曲「恋落ちフラグ」は、全員参加の楽曲となりましたね。
鎌田菜月(以下、鎌田):(松井)珠理奈さんが卒業してからもこの曲を全員で歌い続けることになりますが、このタイミングで「これはSKE48の曲です」と全員が同じ意識で思える曲ができたのは、すごく意味があると思っています。珠理奈さんのSKE48愛を改めて感じました。
髙畑結希(以下、髙畑):この曲の振りは、s**t kingzのshojiさんが付けてくださったんですけど、全員で踊るということもあって、MV撮影前に3日間くらいダンスレッスンが設けられたんです。そこでshojiさんは、場を盛り上げつつ一人ひとりのことをしっかり見てくださったんですよ。褒めて伸ばしてくれるというか。
ーーそれはレッスンにも力が入るでしょうね。
髙畑:はい。やる気も出ますし、楽しい振り入れになりました。実際のダンスも、揃うところはちゃんと揃えて、勢いのあるSKE48を見ていただけると思うし、一人ひとりのイメージに合ったシーンもあります。みんなに見どころがあるダンスですね。
ーーMVは、かわいい、クール、元気など6チームに分かれてそれぞれの色に合わせたダンスを披露するシーンもあるそうですね。それぞれ見どころも聞いていいですか?
髙畑:私はクールチームです。意識したのは……雰囲気ですかね。可愛いチームのあとに出番が来るので、そこで一気に私たちの雰囲気に変えないといけないので、ダンスや表情一つひとつにも注意を払いながらパフォーマンスしました。
荒井優希(以下、荒井):私も同じチームなんですけど、私は後ろ向きから始まるんですよ。MVで後ろ向きからはじまるってなかなかないですし、先生も「前に向いた瞬間の目線のインパクトを出してほしい」とじっくり教えてくださいました。そこは、すごく意識した部分なので、ぜひ観てもらいたいですね。
ーーで、江籠さんはかわいいチームだとか。
江籠裕奈(以下、江籠):はい。……「かわいい」で、「はい」って答えるのも恥ずかしいけど(笑)。うちのチームは何もしなくてもかわいい子たちが集まっているんですけど、振り自体もすごくかわいいんですよ。ピースをしたり、目を合わせたりする振りがあって。なので、よりかわいくみせるにはどうすればいいか、チームの中でも何人かに分かれてダンスを見せあって追求していきました。先生も、「自分が一番かわいく見える角度で」とアドバイスしてくださったので、とにかくかわいいシーンになっていると思います。
鎌田:私は、しなやかさや体の柔らかさを活かしたチームでした。先生からは「鏡を見て、一番キレイなポーズや、ポーズをとるまでの最も美しい動線を見つけて欲しい」と言われていたので、そこを意識しましたね。それぞれのパートもしっかり決まっていたし、チーム全員で“魅せる”ことを一番意識されていたチームなんじゃないかなと個人的には思っています。
熊崎晴香(以下、熊崎):私は元気チームなんですけど、私たちは新しい振りを入れてもらったわけではなくて、2サビを踊らせていただきました。珠理奈さんがいないサビを任せてもらえるということで、「重要だからね」「これからのSKE48を見せて欲しい」と先生にも念を押されていたので、SKE48らしいダンスを見せようと思いっきり元気に踊りました。振りが決まっていない部分はフリーだったので、自分らしさを出せたシーンになっていると思います。
ーー熊崎さんはご自身のチームでSKE48らしさを出したとのことですが、曲全体を見て「SKE48らしいな」と感じた部分はありますか?
熊崎:今回は珠理奈さんのラストシングルではあるけれど、卒業らしい言葉が一言も入っていないんです。曲自体もポップでかわいい感じなので、その前向きさはSKE48らしいなと感じています。あとは個性豊かなところも。チーム分けしたことで、新たに見えてきた感じがありますね。
鎌田:いろんなおいしいところを見てもらえる感じがする。
江籠:うん、そうだね。私は、サビの英語とかノリノリのラップとかが入っているので、おじゅり(珠理奈)の好きそうな曲だなとも感じているんです。このタイミングでなければSKE48として歌うことはなかったかもしれないですし、そういう意味では、新しいSKE48らしさも生まれる曲なんじゃないかなと。レコーディングでは英語を本当に頑張ったので!
ーーそのくらい、難しかった。
江籠:もう、本当に難しかったです!
熊崎:こんなに英語が多い歌詞ってなかなかないですから!
ーー言われてみれば。
鎌田:あっても、ワンフレーズくらいだもんね。
熊崎:そうそう。過去に、仮歌のときは英語だった歌詞が、最終的に日本語に変わることがあったんですよ。だから今回もそれかな?と思っていたんですけど、まさかのそのままで(笑)。びっくりしました。
鎌田:しかもサビごとに違うから。
熊崎:そう!
江籠:私、スタッフさんに一度カタカナに直してもらって、それを必死で追いながら歌ったんです。大変だった……。
鎌田:みんなの努力の成果をぜひ聴いてみてください(笑)。
ーーまた、江籠さんと熊崎さんはユニット曲「Change Your World」のセンターも務めています。珠理奈さんがプロデュースした楽曲だそうですね。
江籠:おじゅりが自分でプロデュースした楽曲に、「期待しているよ」という意味も込めて選んでくれたのは純粋に嬉しかったですし、気合いが入りました。
熊崎:メンバーに選んでいただいてすぐに集まって、おじゅりも交えてこれからSKE48としてどうなっていきたいのか話す機会をもらえたんです。そこで、今思っていることや悔しいことを素直に言葉にしたら、それをおじゅりが歌詞に込めてくれました。ダンスもおじゅりが考えてくれて、振りの意味も説明しながら振り入れしてくださったので、すごく踊りやすかったですね。
ーー珠理奈さんも、「みんな感情を込めやすかったみたいです」と話してくれました。
熊崎:そうなんです。私たちの本音がこもった曲なので、自然と熱くなれました。
江籠:MV撮影ではリップシーンを熊ちゃんと2人で撮ったんですけど、おじゅりがすごく褒めてくれるんですよ。おじゅりにそこまで褒めてもらえたこと今までなかったので、ちゃんと成長できていたんだな、その姿をおじゅりに見せられたんだなと思うと嬉しかったです。
熊崎:それに、アドバイスも丁寧にしてくださいました。私はグループのなかでも先輩と呼ばれることが多いけれど、そんな私でも学びが多い撮影になったと思っています。
江籠:これからを担っていく若いメンバーも、おじゅりからアドバイスをたくさんもらって吸収していたので、卒業されるまでに披露できる場があるといいなと思っています。
熊崎:あと、個人的なことをいうと……「制服を着た名探偵」という曲でセンターを務めたことがあるんですが、その曲にはMVがなかったんです。今回はMVがある楽曲で江籠さんとセンターに立てるということで、本当に嬉しい。センターに立つことは昔からの目標でもありますし、ファンの方も喜んでくれるんじゃないかなと。次世代ではないので、そんな私がセンターに立つことに厳しい意見も来ると思いますが、それを跳ね返すくらいの覚悟で挑んだつもりです。
「珠理奈さんはダンスの正解を知っている方」(鎌田)
ーーそもそも、珠理奈さんが卒業するんだという実感はありますか?
髙畑:私は正直、まだ実感が沸いていないです。珠理奈さんはSKE48の先頭を走る偉大な先輩だし、今もこの先もずっとそうなんだろうなというイメージ。だから発表を聞いたときもポカーンとしてしまったし、MVを撮り終えた今も不思議な気持ちですね。きっと、卒業されていなくなってしまったときにやっと実感するのかなと思います。
荒井:本当なら、もう卒業されているはずなんですよね。日程的に。
ーー卒業コンサートは、2020年9月末に予定されていましたものね。
荒井:なので、ちょっと延びて安心してしまう気持ちもあるんですけど(笑)、いつまでも頼りっぱなしになってしまうのもいけないですよね。本人は既に卒業の先を見ているし、そのスピード感に早くついていかなきゃなと思っているんですけど……やっぱり実感はまだかな。卒業コンサートのリハがはじまったら、だんだんと沸いてくるのかなと思っています。
ーーみなさんにとっても特別な存在だと感じますが、そんな珠理奈さんからどんなことを得たのか聞きたいです。
江籠:難しい! ありすぎて……。おじゅりは、常にSKE48の真ん中に立って走ってくれていた方で、ずっと背中を追っていたい方。観ている人を納得させられる存在感もある、天才なんです。だから、いるだけで学ぶことが多かったんですよね。
鎌田:私にとって珠理奈さんは、ダンスの正解を知っている方なんです。12周年記念の特別ライブ(2020年10月3日から3日間開催)では、いままでSKE48がやってきた歴代の公演を披露したんですけど、珠理奈さん、レッスン場にずっといてくれて、自分が出ないユニットの曲でも「ここはこうなってるんだよ」と教えてくれるんです。もう、生き字引なんですよ。
ーー何百曲も頭に入っていると言いますものね。
鎌田:そう。そのうえ、ダンスも正確で上手じゃないですか。だから……卒業したら誰に聞けばいいんだろうって思っちゃいますよね。珠理奈さんに連絡でもすればいいのかな(笑)。
江籠:教えてくれそうだけどね(笑)。
鎌田:でも、いつまでも甘えていられないですもんね。そのくらい偉大な先輩。私も、学んだことはありすぎて数え切れません。
ーーまだ卒業後のことは考えられない様子ですが、珠理奈さん自身は今のSKE48が団結していて雰囲気がとても良いことを嬉しそうに語っていました。コロナ禍により全員で活動することが少ない中で、そこまでまとまれた要因って何だと思いますか?
熊崎:みんな同じくらいライブに飢えていたからかもしれないです。「早くステージに立ちたい!」と思っていたから、自然とまとまったのかな。
鎌田:それに、良いものにしたいという気持ちも共有できていた気がします。12周年特別ライブのレッスンでは、出たことがない公演に出演するメンバーに、出たことのある先輩が教えてくれたんですよ。それが全部の公演であったので、結果的にSKE48がやってきたことを各所で伝えられることができた。これは大きいんじゃないかなと。
髙畑:私も、違うチームの大場美奈さんや惣田紗莉渚さんたちとの仲がすごく深まった実感があります。
荒井:チームが違うと、全員が出演するコンサートでもあまり接しないんですけど、この時期はレッスン場に行くと誰かしらいて、音楽をかけるとだんだんと人が集まっていくんです。先輩後輩関係なく。
熊崎:レッスン時間じゃないのに、「14時から〇〇公演やるからね!」って声を掛け合って、勝手にみんな集まっていたんですよね。
「みんなで一本締めをやりたい!」(荒井)
ーー結束も強まったSKE48。今後もきっと安泰だろうということで、みなさんがSKE48をさらに良くするために、個々にやっていきたいことも聞きたいです。
荒井:あ、じゃあ私から。一本締めをやりたいんですよ。
江籠:……どういうこと(笑)?
荒井:ライブが終わると、SKE48のメンバーはすぐに散るんですよ。私も今までは率先して散っていたタイプなんですけど、これからは終演後にみんなで集まりたい。だからといって、反省会は長くなるから、サクッと一本締めで締めくくりたい。ちゃんと区切りができていいなと思うんですよ。
ーーすみません、なんでまた一本締めという発想が?
荒井:外出自粛期間中に地元の友だちとZOOMで話していたとき、友だちが言っていたんです。地元では行事が終わったあとに必ずやると。で、実際にやってみたら結構気持ちいいんですよね。リモートなのでズレるんですけど。だからSKE48にも取り入れたいなと思ったんです。
江籠:じゃあ、13周年の公演からやろうか! やってくれたら全然ついていくよ。
ーー楽しみにしています。ではほかの皆さんも順番にいきましょう。江籠さんがやりたいことは?
江籠:私は、2020年に入って思うように活動できなくなってから、アイドルがすごく好きだなと再確認したので、ソロ公演をしたいです。SKE48のメンバーはそれぞれ個性を生かして外でお仕事をしていて、その姿を見られるのはファンの方も嬉しいと思うんですけど、私はアイドルに憧れてアイドルになったので、自分が思うアイドル道を極めたいんです。その姿を見て「自分には個性がないからな」って悩んでいる後輩にも、「アイドルを極めたら、1人でステージに立ってファンの人を幸せにできるんだ」と感じてもらえるんじゃないかと思います。
鎌田:私は、正直アイドルとしてのポテンシャルはそんなに高くないと自分で思っているんですけど、ありがたいことに趣味がお仕事に繋がる機会が多くて。SKE48のファンじゃない人から「今のSKE48にはこういう子もいるんだ」と思ってもらえることが多いんです。なので、私を入り口にしてSKE48のことを知る人がもっと増えたらいいなと。そのために私は、グループ以外のお仕事も頑張りたいなと思っています。
熊崎:私は、シングル表題曲のセンターに立つことが目標なので、まずはそれを早く叶えたいですね。もう、年も年なので……。
荒井:いやいや!
江籠:そんなことないから!
熊崎:でも、若手からもたくさん魅力的なメンバーが出てきているので、誰が立ってもおかしくない状況なんですよ。だから焦っているんですけど……これが目標ですと言葉に出したからには叶えたいですね。あともう一つやりたいのはご飯会! SKE48ってご飯会を全然しないんですよ。
鎌田:確かに。落ち着いたらやりたいね。要らない服を持ち寄ってフリマとか、ビンゴ大会とか!
江籠:あ、いい! ビンゴいい!
熊崎:12周年を経てメンバーの仲が深まったので、せっかくならチームの垣根を越えてもっと仲良くなりたいです。仲が良いと個性を出し合えるし、それによってパフォーマンスもより良くなるんじゃないかなと思います。
ーーいろんな願望が飛び出しますね。では最後、髙畑さんも。
髙畑:私は……前作の「ソーユートコあるよね?」のとき、最年長の24歳で初選抜になれたんです。今回もこうして取材を受けられてありがたいんですけど、今の私はまだ先輩に教えていただく立場なんですよ、どうしても。「そろそろ後輩に背中を見せなきゃいけないよ」と須田(亜香里)さんからはずっと言われているんですけど。
鎌田:確かに、言われてる!
熊崎:集合かけられるんだよね。
髙畑:「はたごん、集合!」って言って。そのくらいポンコツなんですけど、だからといってずっと後輩のままでいてはいけないなと意識を変えている最中です。ただ言葉で教えるのは苦手なので、背中を見て感じてもらえるようになったらいいなと。そのためにも、選抜でい続けて結果を残せたらいいなと思っています。
ーー素敵な目標です。教え方は人それぞれですものね。
髙畑:はい。あと個人的には、外出自粛中に料理にハマったんですよ。今、料理好きのメンバーってSKE48にはあまりいないので、24歳の今、主婦や主夫の方にも興味を持ってもらえたらいいなと。年齢に見合ったアイドルを目指したいです。
「珠理奈さんの歌詞を聞くたびに泣きそうになる」(井上)
ーー「恋落ちフラグ」を全員で歌えると知ったときはどんな気持ちでしたか?
野村実代(以下、野村):珠理奈さん最後のシングルということで、SKE48として表題曲を歌うのもラストじゃないですか。私、珠理奈さんと一緒に表題を歌う機会がなかったので、次が最後だとずっと思っていたんです。そうしたら全員で歌えると知って……珠理奈さんの優しさを感じました。普段から優しい方だけど、最後の最後まで優しいなって。
佐藤佳穂(以下、佐藤):このシングルでSKE48のメンバーは全員同じ場所に立たせてもらえた気がするんです。珠理奈さんが卒業されたあとも、同じ場所から全員がスタートを切れる気がして、また新しいSKE48を見せられるなと思っています。
ーー表題曲の振り入れでは、全員が珠理奈さんの背中を見られたんですよね。
北川愛乃(以下、北川):珠理奈さんと一緒に立たせていただくと、こだわりをもって臨まれているのがすごくよく分かるんです。珠理奈さんがいたら自然と気持ちを高められるというか。本当にすごい存在。吸収するところがありすぎるので、一緒にいられるときはできるだけ一緒にいるようにしています(笑)。
ーー今回のMVのダンスレッスンでは、お話しましたか?
北川:ダンスレッスンに限らず、最近はよくお話しています。最初は緊張して話せなかったんですけど、選抜に選んでいただいたあたりから電話で相談できるようになったんですよ。毎回真剣に受け止めて答えてくださって、すごく嬉しいです。
野村:私は、表題曲のラップパートのダンスメンバーに選んでいただけたんです。かなり激しいダンスを披露するパートなんですけど、なんでそこに私を選んでくれたんですかって珠理奈さんに聞いてみたんです。そうしたら、「劇場公演のダンスメドレーでどこにいても見つけることができるのはみよまる(野村)だといつも思っていたから選んだよ」と言ってくださったんですよ。
ーーそれ、嬉しい言葉ですね。
野村:嬉しいんですよ(満面の笑みで)。すごく嬉しくて! 頑張りたくてめちゃくちゃ練習しました。まわりはダンスがお上手な方ばかりなので、余計に力が入りましたね。それに、ダンスレッスンのときもMV撮影のときも、振り付けしてくださったs**t kingzのshojiさんが私たちのテンションを上げてくれたんですよ。
佐藤:メンバー一人ひとりをちゃんとみてくださっていて、撮影自体もすごく楽しかったよね。
野村:うん。本番は曲を流しながら撮影するんですけど、その音をかき消すくらいの声で「みんなすごいよ! 最高!」って言ってくれるんです(笑)。おかげですごく良いMVになったと思います。
ーーでは、この楽曲のSKE48らしさというとどこにあると思いますか?
井上瑠夏(以下、井上):珠理奈さんのラストシングルということでしんみりと悲しい曲になるのかな? と思っていたんですけど、いざ聴いてみたら明るい恋愛ソングだったので、まずそこが珠理奈さんらしいなと思いました。珠理奈さんって、いつも明るくてポジティブになれる言葉をかけてくれるので。
ーーSKE48らしさ以前に、珠理奈さんらしいと。
井上:はい。あと、振りの力強さや一つひとつの動きが大きいところは、揃うとかっこいいんですよ。そこはSKE48らしいところだなと感じています。
ーーMVでは、チーム分けをされているそうですね。
北川:そうなんです。元気とかクールとか6つのチームに分かれていて。私は体の柔らかさやしなやかさを活かしたチームでした。振りもしなやかなので、そこが見せ所になっています。先生からは「眼力も大切にして」と言われていたので、ガンを飛ばすくらいの感じでやっています(笑)。あと、振りの芸術性が高いのも私たちのチームの特長かもしれません。真ん中にいる(須田)亜香里さんに向かって手をのばす振りはまさにそうで、見どころになると思います。
ーー佐藤さんと野村さんは、セクシーチームだとか。
野村:そうなんです。私まだ17歳だし、全然セクシー路線でいった覚えがないんですよ。だから「おっと?」と思ったんですけど、新しい魅力を出せるのは面白いなと思って頑張りました。
井上:でも、セクシーだったよ?
野村:えっ! ほんと?
井上:うん。チームで分かれてレッスンしていたんですけど、チラッと見たらセクシーさがにじみ出てた。
野村:やった。出てました! よかったぁ。ただ、彼女(佐藤)は別格ですよ。
佐藤;ははっ(笑)。
野村:腰の使い方とか一つひとつの動きが本当にセクシーでした。
ーー佐藤さんはグラビアでも活躍されていますし、セクシーなイメージですよね。
佐藤:このチーム分けって、珠理奈さんやスタッフさんたちが何度も話し合って入れ替えたりしながら決めてくださったそうなんですけど、私は何度話し合ったとしてもここ(セクシーチーム)だっただろうなと思いました(笑)。わりと初期からこっち路線でやってきたので、集大成を見せられたと思います。スタッフさんからも「さとかほ(佐藤)の色が出ていて良かったよ」と言ってもらえたので安心しました。
ーーそうして、井上さんはかわいいチームですね。
井上:ダンスの先生に振り入れをしていただくとき、「今回の曲のダンスは、全体的に力強くてかっこいい振りになっているけど、かわいいチームだけかわいいを見せられる。それはSKE48のかわいいを担っていくチームだからだよ」と言っていただいたんです。そこで、私たちがグループをかわいくしなきゃ!と使命感が生まれました。ぶりっこポーズからスタートするくらい、かわいいが詰まっているのでぜひ注目してもらいたいです。
ーーまた、井上さんと野村さんは珠理奈さんがプロデュースした9人組ユニットBlack Pearlのメンバーでもありますね。このユニットで「Change Your World」を歌唱しています。
井上:最初にBlack Pearlと聞いたとき、タピオカが思い浮かんだんです。「あ、珠理奈さん、タピオカが好きだからこの名前にしたんだ!」と思ったんですけど、意味を聞いたらBlack Pearl(黒真珠)って、「どんなに反対されても攻撃を受けても跳ね返して進め」という意味を持っているらしくて。同時に、曲自体にもそのメッセージが込められていると知りました。しかも、メンバーが話した本音を珠理奈さんが歌詞にしてくださったので、私が考えていたことがそのまま曲に詰まっていたんですよ。
ーー特に印象深い歌詞はありますか?
井上:〈孤独な夜も 切ない朝も 生きていれば何度だって来るだろう その度に強くなれる 私に会いたい〉という歌詞が好きです。これからもたくさんの卒業を見るかもしれないし、厳しい言葉をかけられて折れそうになることもあるかもしれないけれど、それでもちゃんと成長していきたいなって思っていたので、この歌詞を聞くたびに泣きそうになります。
野村:私的に、このユニットのメンバーは普段ライブなどで先頭に立っている人たちが多いなと思ったんです。だから、どこにいてもそこが中心に見えるくらいに踊らないとみんなに飲まれてしまうなと思ったので、必死でした。
ーーまたひとつ成長できる曲にもなりましたね。
野村:そうですね! この曲は、いろんな意味でずっと大切にしていきたいです。
「8期生の勢いはまだ止まってない」(佐藤)
ーー「Change Your World」の話もしたところで、みなさんが折れそうになってしまった瞬間を聞きたいです。
佐藤:昨年までSKE48の活動と大学の勉強を両立していたので、公演に出られないこともあって。私はどっちをやりたいんだろうとずっと悩んでいました。「なんで休学しないんだよ」という言葉をかけられたこともあって正直、つらい時期もありましたね。
ーーどうやって乗り越えたのですか?
佐藤:ファンの方が「佳穂ちゃんの決断についていくよ」と言ってくださったのが大きいです。それを聞いて、ファンの方だけを信じようと思って。そこで強くなりましたね!
北川:私は、頑張りが報われないときや頑張っていたと思っていたけれど頑張れていなかったのかもしれないと気づいたとき、しんどくて折れそうになりました。でも、そうやってくよくよしている時間がもったいないなと気づいたんですよ。
ーー北川さんも、意識を変えることで強くなったんですね。
北川:どっちみち頑張らないと前に進めませんから! 例え報われなくても、この環境で活動できている事自体恵まれているんだし、悩むくらいなら次に繋がることを考えたい。そうやって前向きに生きられるようになりました。
井上:私は『SKE48 ZERO POSITION 〜チームスパルタ!能力別アンダーバトル〜』(以下、ゼロポジ)という番組で北野瑠華さんとMCをしているんです。昨年MCになったばかりだし、いままでそういう役回りってやったことがなかったので、発表のときは反応がすごく怖くて。気になりすぎて調べてしまったんです。そうしたら、やっぱり「観たくない」というコメントを目にしてしまって……。さすがに落ち込んでしまったんですけど、でも絶対に見返してやる! と奮い立ちました。北野さんは支えてくださるし、スタッフさんも優しいし、ファンの方は「いつも楽しみにしています」と言葉をかけてくれるので、今では自信につながっていますね。
ーー経験を重ねることで、自信が増すでしょうし。
井上:そうですね! まさにBlack Pearlのように、批判を力に変えています。
野村:私は、8期生として活動している約4年間、なにかできたかなと考えたときに何も浮かばなくて絶望したことがあります。
ーーやりたいと思っていても、できることには限界がありますし。もどかしいところですね。
野村:なので、SKE48に入ってから辛いことがありすぎて。今ではどんなに辛いことでも辛いと思わなくなったくらいにはメンタルが鍛えられました。やばいなって思うくらい強いです、今! 「もう4年経ってしまった」という思いはあるけれど、一方で「まだ4年しか経っていないよな」という思いもある。ここまでは下積みと捉えて、悔しいことがあっても次に目を向けて。もっともっと自信をつけていきたいです。
ーーそうやって前向きに活動できるのは、支え合える同期の存在も大きいと思います。みなさんにとって、8期生ってどんな存在ですか?
北川:高め合える存在、ですかね。スタートラインが一緒だから、何年経ってもバチバチできる。そういう存在は、SKE48で活動していくうえですごく大切だと思います。
佐藤:確かに。実代のようにユニットのセンターや愛乃の絵といった輝ける場所を個々に持っているのも強いですよね。それぞれに活躍しているのを見ると、自分も頑張ろうという気持ちになれます。みんなより世代が上の私は、話についていけないところもあるんですけど……頼れる妹が大勢いる感じで、嬉しいです。
ーーじゃあ、今の8期生はSKE48のどのあたりにいると思いますか?
野村:今、微妙なラインだよね。
井上&佐藤:うんうん。
北川:中堅と言われ始めているところだし。
野村:そうだね。気持ちは若手だけど、中堅ではあるのかな。
北川:先輩方も卒業されている今、引っ張っていけるくらいの気持ちになったほうがいいなとは思うけれど……。
佐藤:微妙なラインにいるのは確かなんだよね。やっぱり。でも、8期生としての勢いはまだ止まっていないと思うので。今は「後輩として」とか、「先輩として」とかどちらかに振ってしまうのではなく、初心を忘れずに突き進めるのがいいなと思います。
ーーぐんぐん成長を続けている8期生。最後に、今の自分に足りない部分や今欲しいなと思っている部分を教えてください。
野村:やっぱり、自信と引っ張っていける力ですかね。今カミングフレーバーというユニットでセンターをさせてもらっているんですけど、ユニットの中では一番先輩なんです。しかもリーダーでもあるんですけど、リーダーの務めをちゃんとできているのかなと思うんです。自分自身がまだ成長途中なのに、まとめることなんてできるのかって。だから、引っ張る力が欲しいですね。
北川:私は最近、自分が求めている自分になれてきている気がするんですが、女優さんという夢が今の私にはまだ大きすぎて。「あれも足りない」「ここも伸ばしたい」とあげだしたらきりが無い状態です。正直、今は夢を追っているとどうしたらいいかわからなくなりそうで。
ーー遠くを目指すために、近くを見渡したほうががいいときもありますものね。
北川:そうなんですよ。なので今は絵で評価していただいているので、まず絵の技術をつけていきたいなと思っています。そのうえで、アイドルとしてもっと輝けるようにだんだんと自分を磨いていきたいですね。
井上:私は、『ゼロポジ』のMCをさせていただくにあたって、もっと語彙力をつけたいなと思うようになりました。MCって、ゲストの方を目立たせないといけないし、その時の気持ちや状況を言葉でまとめないといけないじゃないですか。それが今の自分にはすごく難しいんですよ。なので、プレゼンの本を読んで勉強するようになりました。語彙力がついたら、SKE48のことももっと工夫して伝えられると思いますし。うん、いろいろ伸ばしたいことはあるけれど、まずは語彙力ですね!
佐藤:私は、SKE48のなかで活動する佐藤佳穂として爪痕を残そうっていう思いもあるけれど、佐藤佳穂個人としてももっと名前を出していきたいと思っています。SKE48の中にいると、先輩に頼ってしまったり誰かが話してくれるのを待ったりしてしまうことが多いので、外に出たときに自分が怯んでしまわないよういろんな場所で吸収して、引き出しを増やしたいですね。そうしたら人間的にも成長できると思うし、SKE48にも返せるものがあると思うんです。
■リリース情報
SKE48 27thシングル
『恋落ちフラグ』
発売日:2021年2月3日(水)
[Type-A]
品番:AVCD-94969/B、AVCD-94972/B、AVC1-94976/B
価格:¥1,676(tax in)
<CD>
01.恋落ちフラグ
02.Memories 〜いつの日か会えるまで〜(松井珠理奈)
03.恋落ちフラグ off vocal
04.Memories 〜いつの日か会えるまで〜 off vocal
<DVD>
01.恋落ちフラグ Music Video
02.Memories 〜いつの日か会えるまで〜(松井珠理奈) Music Video
03.松井珠理奈 12年の軌跡 2008年-2020年
[Type-B]
品番:AVCD-94970/B、AVCD-94973/B、AVC1-94977/B
価格:¥1,676(tax in)
<CD>
01.恋落ちフラグ
02.Change Your World(Black Pearl)
03.恋落ちフラグ off vocal
04.Change Your World off vocal
<DVD>
01.恋落ちフラグ Music Video
02.Change Your World(Black Pearl) Music Video
03.Black Pearl「Change Your World」 Music Video Documentary&SKE48 劇場デビュー12周年特別LIVE
[Type-C]
品番:AVCD-94971/B、AVCD-94974/B、AVC1-94978/B
価格:¥1,676(tax in)
<CD>
01.恋落ちフラグ
02.あの頃のロッカー(Passion For You選抜)
03.恋落ちフラグ off vocal
04.あの頃のロッカー off vocal
<DVD>
01.恋落ちフラグ Music Video
02.あの頃のロッカー(Passion For You選抜) Music Video
03.SKE48 27th Single「恋落ちフラグ」 Music Video Documentary
[劇場盤]
品番:AVC1-94975
価格:¥1,047(tax in)
<CD>
01.恋落ちフラグ
02.音の割れたチャイム(カミングフレーバー)
03.恋落ちフラグ off vocal
04.音の割れたチャイム off vocal
■関連リンク
SKE48 official HP
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※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※チェキの選定についてはランダムとなります。ご了承くださいませ。
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<締切:3月13日(土)>