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V候補たちが好発進! どうなる、最後のトップリーグ優勝戦線

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TJ・ペレナラ(NTTドコモレッドハリケーンズ)

オールドファンもにわかも、ラグビーを心行くまで満喫していることだろう。『ジャパンラグビー トップリーグ2019-2020』は前半でシーズン中止となり、『トップリーグ2021』開幕は延期、ラグビーファンの飢餓感がピークを迎えた中、最後の『トップリーグ』は開幕した。

今季も世界各国の超大物たちが大挙して来日。ニュージーランド代表の司令塔ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス)やオーストラリア代表現主将マイケル・フーパー(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、元スコットランド代表スクラムハーフ(SH)グレイグ・レイドロー(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、オールブラックスでハカのリーダーを務めるTJ・ペレナラ(NTTドコモレッドハリケーンズ)らが全国各地で超一流のスキルを披露しているのだ。待ちに待った甲斐があるというものである。

ナエアタ ルイ(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)

さて『トップリーグ2021』は2節を終えたところ。優勝候補たちのパフォーマンスを見てみたい。

初代『トップリーグ』チャンピオンであり、連覇で最後の王者を目指す神戸製鋼コベルコスティーラーズは開幕戦でらしくない姿を露呈してしまう。昨季1勝も挙げられなかったNECグリーンロケッツを突き離せず、47-38と苦しんだのだった。

初戦で守備と規律に課題を突き付けられた神戸製鋼だが、そこは王者。1週間後に一発回答して見せた。キヤノンイーグルスを相手に11トライを量産し、73-10と粉砕。5トライをマークしたNO8ナエアタ ルイが「コロナの影響でトンガに帰ることができず、日本でずっとトレーニングを積んできた。昨季より走れている。トライはみんながハードワークしてくれたおかげ」と語れば、デーブ・ディロンHCも「今日はキックオフから80分まで攻める姿勢を保ってくれた。最後のトライを見てもらえればわかるだろう。選手、コーチ陣を誇りに思う」と称えた。また2トライを決めたフランカー(FL)トム・フランクリン共同主将は「選手みんなで『トップリーグで優勝できるチームを2チーム作ろう』と言い合っている」と胸を張った。

NZ代表50キャップのスタンドオフ(SO)アーロン・クルーデン、日本代表51キャップのSH日和佐篤、日本代表PR(プロップ)中島イシレリら主力を欠いてこのトライラッシュなのだから恐れ入る。

テビタ・リー(サントリーサンゴリアス)

サントリーも11トライを挙げた。東芝ブレイブルーパスとともに最多優勝5回を誇るサントリーは三菱重工相模原ダイナボアーズとの開幕戦で75-7の大勝。神戸製鋼がNO8なら、サントリーはウイング(WTB)である。テビタ・リーが5トライをマークした。リーは緩急と初速のスピード、キレキレのステップで相手を置き去りにしたのだ。

続く、Honda HEAT戦では相手の強烈なタックルと粘り強いディフェンスに苦しみ、ペナルティもおかしながらもサントリーは31-14と連勝した。試合後、センター(CTB)中村亮土主将は「思っていた以上にプレッシャーを感じ、ペナルティが多く、自分たちがゲームを壊してしまった。もっと自分たちでコントロールできる部分を増やしたい。ここを調整しないと今後厳しい試合が続くので、修正したい」と課題に目を向けた。

神戸製鋼然り、サントリーも然り。今季の『トップリーグ2021』はV候補と言えども、完勝の連続とはいかない。事実、第2節・クボタスピアーズに7-39で敗れたリーチ マイケル(東芝)は「トップリーグのレベルが上がっている。それぞれのチームのディフェンスのレベルが上がって、トライを取るのが難しくなかった。外国人選手のインパクトが大きい」と口にしている。

山沢拓也(パナソニック ワイルドナイツ)

そんな中、パナソニック ワイルドナイツはリコーブラックラムズに開幕戦で55-14と快勝すると、第2節も日野レッドドルフィンズに60-12の会心の勝利。リコー戦では前へ出るディフェンスからシンプルかつスピーディなアタックで7人がトライを奪えば、日野戦ではSOに入った山沢拓也が多彩な足技を駆使して2トライ5ゴール1ペナルティゴール・23点をマークする大活躍を見せた。

試合後、名将ロビー・ディーンズ監督が「見ていただいたように、これぞ山沢というプレーをしてくれた。彼は誰も真似できないようなプレーをしてくれる選手だと評価している」と称えるも、当人は「前半のようなゲームマネジメントをしてしまうと国を代表するような試合に出場するのは難しいと思う。どんな試合でも、しっかりと勝ち切る、チームに勢いを戻せるプレーヤーにならないといけない。自分の持ち味は消さず、ゲームマネジメントを勉強、経験していきたい」とさらなるレベルアップを誓った。

優勝4度を数えるパナソニックだが、最後のタイトルは2015-2016シーズン。リーグ随一の選手層を誇る野武士軍団は神戸製鋼、サントリーとともに優勝戦線の中心を担っていくことだろう。

茂野海人(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

初優勝をターゲットにするトヨタ自動車も連勝スタートを切った。東芝との開幕戦は前半こそ24-7とこれまでとの違いを見せたが、後半は一転して東芝ペースに。ミスからトライを奪われたが、34-33と辛くも勝点4を手にした。続くNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦も前半を25-8で折り返し、終盤に35-29と迫られも同じ轍は踏まなかった。最後に立て続けにトライを奪い、最終的に47-29とボーナスポイントも手繰り寄せた。

連勝発進にSH茂野海人共同主将は「課題に関しては簡単に修正できると思うので、来週改善していきたい。一試合一試合を通してチームとして成長している。今週より来週の方がいいチームになっていると思う」と確かな手応えを口にした。

バーナード・フォーリー(クボタスピアーズ)

あと開幕2連勝を飾ったのはクボタとNTTドコモ。五郎丸歩のラストシーズンを日本一で送り出そうとチーム一丸となっているヤマハ発動機は第2節・リコーブラックラムズ戦では前半に10個ものペナルティをおかし22-23で敗れた。まさかの敗戦に堀川隆延監督は「この敗戦から何を学ぶのか。次は生まれ変わったつもりでヤマハスタイルを発揮したい」と巻き返しを約束した。

果たして、リーグ戦7試合を経て行われるプレーオフトーナメントではどのような結末が待っているのか。神戸製鋼が連覇を飾るのか、サントリーが最多Vで締め括るのか、パナソニックが5季ぶり優勝を決めるのか、トヨタが悲願の初優勝を達成するのか、それとも……。優勝トロフィーの行方はわからないが、これだけは言える。5月23日(日)のプレーオフ決勝までかつてない熱戦が全国各地で繰り広げられるはずだ。今週末も『トップリーグ2021』が日本を熱くすることだろう。

文:碧山緒里摩(ぴあ)

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11027033

トップリーグ特設ページ
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