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Snow Man、初ライブ作品なぜ大ヒット? 演出やカメラワークなど斬新な試みも

音楽

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リアルサウンド

 Snow Manの初映像作品『Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.』が3月11日付オリコン週間ランキングのBD部門で初週23.6万枚、DVDが17万枚をマークし、ともに初登場1位を獲得した。また週間ミュージックDVD・BDランキングでも初週40.6万枚で初登場1位を獲得し、3部門で同時1位の快挙を成し遂げた。

 本作は昨年10月22日から25日の4日間9公演、無観客で生配信されたSnow Manのデビュー後初となる同名コンサートの映像作品である。発売日の3月3日のSNSでは『Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.』を手にしたファンのコメントが溢れ、盛り上がりを見せた。本稿では好発進となった今作の魅力について考察したい。

 冒頭センターステージ上の鮮やかな赤に白でSnow Manの名とツアーロゴを記した幕が映し出されてスタートするライブがスタート。センターステージ上部から回転するリフターに乗った9人が姿を現す。「Make It Hot」、「Cry out」でスピードは加速し、ファンから人気の高い「Party!  Party! Party! 」まで一気に披露。続いてライブの醍醐味ともいえる9人の紹介ラップからSnow Manの輝かしい伝説のスタートとなったデビュー曲「D.D」へ。筝曲のアクロバットを随所に取り入れたダイナミックな振付は、アリーナの広いステージ上でさらに魅力を増し、圧巻の一言だ。さらに『滝沢歌舞伎ZERO』で話題となった「ひらりと桜」の演出である桜吹雪はメインステージのLED大画面モニターで再現。メンバーそれぞれの指先に花びらが舞う美しい映像が堪能できる。

“Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.” Digest Movie

無観客ならではの斬新なカメラワークも魅力

 無観客ライブならではの斬新なカメラワークが盛り込まれているのも本作の大きな特徴だ。「Boogie Woogie Baby」では特効花火をバックに踊るメンバーの間近までカメラが接近した迫力の映像も。またファンの間で「ナミヲ」と呼ばれ親しまれている「ナミダの海を越えて行け」では、ステージの外周に“めめラウ”“ふかさくこじ”“あべなべ”“だていわ”といったメンバーの組み合わせにカメラが大接近した場面を捉えている。また、縦方向の花道が9つのムービングステージに分割される演出にも注目してほしい。高さや向きが自在に変化し、時には空中に浮かぶ階段状のステージにもなる演出はジャニーズでも初の試みだ。しかし注意してみるとステージの一つひとつはかなり揺れている。それを一切感じさせず、堂々としたパフォーマンスを行う9人の身体能力の高さには驚くばかり。またメンバー全員が随所でカメラアピールをしてくれるのも、実際にライブ会場にいるかのような臨場感を味わうことができる。

ハードなダンスも余裕でこなすスキルの高さ

 ライブ後半にセンターステージでパフォーマンスする岩本照の振付の「君の彼氏になりたい。」では、時計の針をモチーフにした美しいフォーメーションに注目してほしい。客席に降りカメラに向けてファンサービスしながら歌う「Lock on!」では9人のキュートな表情を存分に楽しむことができる。

 そしてSnow Manの真骨頂を感じるのが、岩本振付の「Crazy F-R-E-S-H Beat」。ハードな振付の同曲をあえてライブ後半に投入し、余裕の表情で踊り切る姿に9人のスキルの高さを見せつけられる。またステージ上を9人が縦横無尽に駆け抜け披露するパルクールも必見だ。

 メンバーそれぞれが万感の思いを込めた言葉で締めくくった挨拶も、観る人の心を大きく揺さぶる。

 本作はジャニーズのデビューライブには珍しく、全編彼らのオリジナル曲で構成されている。このセットリストにも、デビューを支え、後押ししてくれたファンに対する彼らの感謝の気持ちが込められているに違いない。

 本編映像に加え、特典映像の充実度も見逃せない。通常盤にはメンバーがライブを見ながら見どころを語るビジュアルコメンタリーや、ライブの初日である10月22日のダイジェスト映像を収録。初回盤にはライブツアーの密着ドキュメント、MC集、マルチアングル映像、全9公演のメンバー別&グループハイライトシーンなどが収録されており、ファンにとっては嬉しい限りである。

 1stライブには、クオリティの高い全力パフォーマンスと、メンバー同士の絆を感じる胸キュンシーンの数々など、Snow Manの魅力がこれでもかと詰め込まれている。加えて、4月7日には、Snow Manが単独初主演を果たした映画『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』のDVD&BDの発売が決定。ファンにとって楽しみな春はまだまだ続く。 

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。