市川海老蔵主演ドラマ「桶狭間」、三上博史&広瀬すずが時代劇への挑戦を語る
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左から、三上博史演じる今川義元、広瀬すず演じる濃姫。
3月26日に放送される、十三代目市川團十郎白猿襲名記念ドラマ特別企画「桶狭間~織田信長 覇王の誕生~」より、キャストの三上博史、広瀬すずのインタビューコメントが到着した。
市川海老蔵が織田信長役を務める「桶狭間」では、信長がわずかな軍勢で今川義元の大軍を打ち破った桶狭間の戦いが描かれる。本作で、三上は義元、広瀬は信長の正室・濃姫を演じた。
時代劇に出演した経験がほとんどないことを明かす三上は「特に武将の役の経験がないので、今までの役者人生で刀を持ったことがないんです。これは殺陣をやらなくてはいけないと思い、早めに京都に入ってずっと練習していました」と、撮影当時を振り返る。また桶狭間の戦いの場面については「義元の魂に僕が入っていくのか、僕の魂に義元の魂が入っていくのかわからないですが、何か少しでもその“魂”を見てくださる方が体感していただけたら作品として面白いのではないかなと思います」と視聴者にメッセージを送った。
「実は、“舞台と時代劇はむいていないかもしれない!”と思っていました(笑)」と心境を吐露した広瀬は「『なつぞら』を終えた後に、何か新しいこともやってみたいな、と考えていたので、このタイミングでこのお話がいただけてよかったです」と思いを述べる。テレビドラマ「なつぞら」の大森寿美男が手がけた「桶狭間」の脚本については「セリフが優しくて、毎回読むのが楽しみになる単語も多くて」と印象を話し、海老蔵との共演については「お芝居になると、絶対に目をそらせてはいけない、負けたくないという気持ちになるほどの目で見つめられるので、“絶対、目をそらさないぞ”という気持ちで演じました。以前、イベントでお会いしたことがあったのですが、そのときも、絶対的なオーラやつい目で追ってしまう存在感を感じたことを思い出しました」とエピソードを語った。
テレビドラマ「桶狭間~織田信長 覇王の誕生~」はフジテレビ系で3月26日21:00より放送。
三上博史コメント
放送が決まったときの感想
テレビドラマは即時性だと思っているので、作った作品は本当はすぐに見てほしいのが希望ではあります。でもこういう(コロナ禍という)ご時世で、撮影からは日が経ってしまいましたが、思いを込めた作品ですので、やっと皆様に見てもらえることができてうれしいです。
オファーが来たときの感想
桶狭間の戦いは歴史として知っているのですが、今川義元という人物はほとんど知らなかったので、まずはそこから調べ出しました。実際に会うことができるわけではないので、どこまで知ることができるのか? 結局はたどり着けないのかもしれないのですが、撮影前に“今川ツアー”を行ったんです。まず合戦地の桶狭間に行って、そこから埋葬された場所がいくつかに分かれているので、静岡に向かって3カ所くらい、まず首塚(東向寺)から最後に菩提寺を周って。友人の住職が“お墓参りをするのなら”とつきあってくれたので、二人で行脚して供養をしました。それが昨年3月でしたね。どこもひっそりと弔っていた場所なので、ちょっとした丘の裏側とかにお墓はあったのですが、ちゃんとお花が手向けられていました。“あ、よかった、ちゃんと見守ってくれている人がいるんだ”って思って、二人で“よかった、よかった”となごやかにお参りをしました。
今回の役を演じることについて
言葉は違うかもしれませんが義元はとても家柄が良く、貴族ですので、その品格のようなものは演技では出せると思うのですが、一方で武将でもある。私は時代劇自体がほとんど経験がなく、特に武将の役の経験がないので、今までの役者人生で刀を持ったことがないんです。これは殺陣をやらなくてはいけないと思い、早めに京都に入ってずっと練習していました。殺陣師の方と相談しながら、本番までにいくつか(パターンを)想定して作り上げていったのですが、意外と本番はあっという間に終わってしまいました。他に思い出深いのは、美術スタッフさんの準備でした。事前に、“こういうものがあったらお芝居で使えると思うので用意してもらえたら”と、東京と京都でやりとりをしていたのですが、すごく気持ちをくんでくださって、あれもこれも用意してくださったんです。とてもスタッフさんの愛情を感じましたし、演じる上で助かりました。それは衣装にも言えることで、“こんな生地、今川は着るかもね”と、いろいろ考えて仕立ててくださって、本当に幸せな気持ちで撮影に臨めました。
桶狭間の戦いのシーンの感想
そのときに実在した“魂”のようなものが、うすら見えたらいいなあと。義元の魂に僕が入っていくのか、僕の魂に義元の魂が入っていくのかわからないですが、何か少しでもその“魂”を見てくださる方が体感していただけたら作品として面白いのではないかなと思います。合戦シーンは、監督がどういうアプローチ、切り口で撮ろうとしていたのか……スペクタクルに撮りたいのか、心情よりで撮っていきたいのかわからなかったので何とも言えませんが、僕としてはその“魂”のアプローチが映ってくれたらいいなあと思います。舞台の世界でも、遠く離れていて、クローズアップしなくても魂が浮き出る場合もあります。これはもうできあがりを見てみないとわからないのですが。
市川海老蔵との初共演の感想
これまでご一緒したことがなくて、とても興味がありました。本番中は対峙するわけですが、それだけでは物足りないので、スタンバイの合間でいろいろな話をしました。監督も入って三人で話すと、三人ともてんでばらばらですごく楽しかったです(笑)。僕は断片的にしか見ていないのですが、僕が対峙させていただいたシーンでは、“あっ、信長ってこういう人だったんだ”という魂のエッジのようなものを海老蔵さんには感じました。僕の義元の魂の形とは違う対峙の仕方だと思います。
視聴者へのメッセージ
僕は信長(海老蔵)以外の方とのシーンがあまりなかったのですが、存じ上げている方ばかり出演されているので、その皆さんがそれぞれのシーンでどのようなお芝居をされて、この作品を作りあげているのかがとても楽しみです。きっとどのシーンを切りとっても面白いとと思いますし、ぜいたくな、すごく見応えがある作品だと思います。その中で僕は相変わらずちょっと狂気に走りますけれど(笑)。もちろんそうではないところもありますが、“あ、またやってる”と十八番(おはこ)だと思って見ていただけたらと思います。生き生きとお芝居できましたし、本当に楽しかったです。
広瀬すずコメント
オファーが来たときの感想
実は、“舞台と時代劇はむいていないかもしれない!”と思っていました(笑)。でも「なつぞら」を終えた後に、何か新しいこともやってみたいな、と考えていたので、このタイミングでこのお話がいただけてよかったです。
今回の役を演じることについて
所作が決まっているので、先生に細かく聞いて、練習の時間を設けていただきました。他にも、登場人物の関係性を把握したいと思い、本を読んだり時代劇のドラマを見たりもしました。(実際演じてみて)所作が入ってくるので(現代劇のように)自分の心情だけで自由に芝居ができない、セリフも難しい中で、その奥を読むことが難しかったです。それは今までにない感覚で、“これが時代劇か”と思いました。
市川海老蔵が演じる織田信長について
信長のことをしっかりと調べたわけではないのでイメージでしかないのですが、海老蔵さんが演じられる信長は、“きっとこういう人だったんだろうなあ”と思わせるようなたたずまいでした。つい目で追ってしまうような存在感も、多分共通しているところだと感じました。お芝居になると、絶対に目をそらせてはいけない、負けたくないという気持ちになるほどの目で見つめられるので、“絶対、目をそらさないぞ”という気持ちで演じました。以前、イベントでお会いしたことがあったのですが、そのときも、絶対的なオーラやつい目で追ってしまう存在感を感じたことを思い出しました。
大森寿美男の脚本について
今回のお話をいただいたときに、大森さんが「なつぞら」執筆の後も休まずにこの脚本を書かれていたということも聞いて、さらにやってみたいなとも思ったんです。大森さんの脚本は、セリフが優しくて、毎回読むのが楽しみになる単語も多くて。「なつぞら」のときも、ストレートなセリフとそうではない表現の微妙なニュアンスが私はすごく好きでした。でも今回は時代劇なのに、全然違うお話をこんなふうに描けるなんて、とびっくりしました。
初の時代劇を終えた感想
時代劇には、現代劇ではあまり感じることのできない、はかなさがあって。今回は撮影の日数が少なかったので。まだまだ知らないこともたくさんあるだろうなと感じました。今回演じた濃姫は、独特の存在感があるイメージだったので、演じられたことがとてもうれしかったですし、別の作品でまたこの役をやってみたいなと思いました。そういうのも時代劇ならでは考えられることですよね。
視聴者へのメッセージ
濃姫の強くて、でもどこかはかないところはとても魅力的で、その表現には悩みましたが、現代の女性にも共感していただけるところだと思います。戦のシーンは私も一視聴者として楽しみにしています。
フジテレビ系 十三代目市川團十郎白猿襲名記念ドラマ特別企画「桶狭間~織田信長 覇王の誕生~」
2021年3月26日(金)21:00~23:32
脚本:大森寿美男
演出:河毛俊作
出演:市川海老蔵 / 三上博史、広瀬すず / 中尾明慶、竹中直人、北村一輝 / 味方良介、鈴鹿央士、堀井新太 / 市川ぼたん、堀越勸玄 / 松田龍平、黒木瞳 / 佐藤浩市 ほか
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