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米LAアカデミー映画博物館の全貌が明らかに、宮崎駿展の内容も一部公開

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アカデミー映画博物館の外観。(撮影:ジョシュ・ホワイト) JW Pictures / (c)Academy Museum Foundation

米ロサンゼルスのアカデミー映画博物館が、現地時間9月30日のグランドオープンに先駆けて、日本時間本日3月17日にオンラインプレス内覧会を実施した。

映画の芸術と科学に特化したプログラムを紹介する同博物館。まず目を引くのは建物の外観だ。プリツカー賞を受賞した建築家レンゾ・ピアノによる設計のもとサバン・ビル(旧メイ・カンパニー・ビル)を修復。約2万8000平方mのアカデミー博物館と2つの建物からなるキャンパスに生まれ変わった。

1階から3階まではメイン展示「映画の物語」として、映像制作に関わる人々へ称賛を込めたギャラリーを展開。2階では重要な映画と製作者が紹介され、「市民ケーン」のオーソン・ウェルズをはじめ、武道をアメリカ文化に根付かせた立役者であるブルース・リー、多くの有名監督とのタッグで知られる撮影監督エマニュエル・ルベツキ、アフリカ系アメリカ人の作家、監督、プロデューサーで多くの作品を残したオスカー・ミショーらが取り上げられる。アカデミー賞の歴史に関するコーナーでは“白すぎるオスカー(#OscarsSoWhite)”や女性の候補者が少ないといった負の側面についても触れられる。そのほかスパイク・リーが共同監修した展示「映画監督のインスピレーション」や、キャスティングから特殊効果まで映画製作の裏側に迫るエリア、「ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)」「#ミートゥー(#MeToo)」など社会問題と映画の関係性を探るコーナーも。

3階にはペドロ・アルモドバルが手がけたインスタレーションや、ギレルモ・デル・トロもディレクションで参加した「世界とキャラクターの創造」といったコーナーを用意。音響デザイナーのベン・バートによるインスタレーションを体験できる円柱型の上映室などを経て、最後は“未来の映画”を考察する展示で締めくくられる。館内にはギャラリーのみならず、最新鋭の設備が整ったシアターや、シャーリー・テンプル教育スタジオ、イベントスペース、保護施設、カフェなども備えられた。

また同博物館の初の企画展として「宮崎駿展」の実施も決まっており、宮崎駿の回顧展が約1122平方mの展示スペースで行われる。「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」など、宮崎がこれまでに手がけてきたスタジオジブリ作品のスケッチ、デザイン画、ストーリーボード、フィルムなど200点以上のアイテムが紹介され、彼の情熱と美学の根幹に迫る。

館長のビル・クレイマーは「アカデミー映画博物館の設立はアカデミーおよびロサンゼルス市や映画業界にとって長年の夢でした。私たちの展示やプログラムはアカデミーの拡大し続ける膨大なコレクションやアカデミー会員の卓越した個人的見識や専門的知見、そして献身からもたらされるものです。これらのリソースは博物館での体験を比類のないものにしています」とコメント。同館の芸術・プログラム担当最高責任者であるジャクリーン・スチュワートも「ハリウッドのレジェンドをたたえるもの、映画制作のプロの仕事プロセスを掘り下げるもの、あるいは映画史を通じて人種、ジェンダー、セクシュアリティ、不平等問題に目を向けるものであれ、どのプログラムも、映画そのものの持つ力と製作者の物語を通じて、観る人の目と心を開かせるでしょう」と自信をうかがわせた。なお4月から9月にかけて、オンライン対談、映画上映、教育プログラムといったバーチャルプログラムが同博物館の公式サイトで実施される。