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「るろうに剣心」早霧せいなが“誇り”を持って2度目の剣心に挑む「全身全霊で」

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左から小池修一郎、加納惣三郎役の松岡充、緋村剣心役の早霧せいな、神谷薫役の上白石萌歌。

「浪漫活劇『るろうに剣心』」が、本日10月11日に東京・新橋演舞場にて開幕。これに先駆け同日、同会場にて公開ゲネプロと囲み取材が行われた。

「浪漫活劇『るろうに剣心』」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された和月伸宏のマンガ「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」を原作とした作品。2016年に小池修一郎演出、早霧せいな主演によって宝塚歌劇雪組で上演された人気作が、小池の新演出でよみがえる。

劇中では、原作マンガの冒頭で描かれる東京編をベースに、明治11年の東京で、逆刃刀を手に流浪人(るろうに)となった男・緋村剣心と、“人を活かす剣”を信じる少女・神谷薫が出会い、松岡充が演じるオリジナルキャラクターの加納惣三郎がドラマを動かしていく。島原や牛鍋屋・赤べこでのシーンなどでは多くのアンサンブルたちが合唱して舞台を賑わせ、早霧を中心としたキャストたちは勢いのある殺陣を披露。斎藤一の牙突、相楽左之助の斬馬刀など原作でおなじみの要素もしっかり盛り込まれている。“剣心の影”として、若き日の緋村抜刀斎役を演じる松岡広大がどのように登場するのかにも注目したい。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には、緋村剣心役の早霧、神谷薫役の上白石萌歌、加納惣三郎役の松岡、脚本・演出の小池が登壇した。早霧は「お稽古が始まってから、約1カ月ちょっとの期間があまりにも過酷で長かったので(笑)、やっとお客様の前で初日を迎えることができる高揚感と、ある種の緊張感に包まれております」と笑顔で語る。これを受けた松岡も同じ気持ちだと重ね、「実際に舞台の上に立ってみると、違った景色が見えてくる。早く完成形を作りたくてドキドキしています」と続けた。

宝塚歌劇版ではすべての役を女性が演じていたが、今回は男性も交えたキャストが、早霧演じる剣心を囲む。早霧と同じく宝塚版から携わっている小池は「宝塚版と基本的に一緒なんですけど、男性たちと(殺陣を)やる“早霧剣心”は大変だと思う。でもそれをあまり感じさせない俊敏な動き。芝居も歌もすごく上手くなったので、一段濃く深くなったものをお見せできるんじゃないかなと思っております」と早霧を讃え、松岡も「早霧さんはもう、宙に浮いてるんじゃないかと思うほど」と、彼女の動きに感心していた。なお殺陣は、場面数、分数ともに宝塚版よりも増えていると言う。

男性との殺陣について早霧は「女性同士で立ち回りをしていたときとは、スピード感、パワーが圧倒的に違うのを至近距離で感じています。そこに自分も、元男役としての誇りを持って挑むという気持ちでやっております」と意気込み、宝塚版も観たという上白石は、殺陣について「女性に出せる軽やかさもありますが、男性がいることで声量とか“圧”とか、何もかもが一新してパワーアップしたものになってるんじゃないかな」と期待を煽るひと言を述べる。そして「男性陣皆さん素敵ですが、私は早霧さんの剣心しか見えていません」と一途な告白を続け、早霧が満足気に上白石の肩を抱くと、松岡は「ちょっとは(男性のことも)見てるでしょ?」と悔しがり、記者たちの笑いを誘った。

また本作では、新橋演舞場ならではの花道を使った演出も見どころのひとつ。上白石も花道を注目ポイントとして挙げ、「お客様のそばをさっそうと走っていく感じ。演舞場でしか味わっていただけない迫力があると思うので、ぜひ風を感じていただきたい」とアピールし、小池は花道に関し「いろんな使い方をしているけど、おそらく『おおっ』と思ってもらえるところもあると思います」と自信をのぞかせる。

そのほか本作の見どころについて、早霧は「舞台上くまなくいろいろなところで、さまざまなキャラクターが全然違う動きをしている場面が多い。一度の観劇では絶対に物足りないと感じると思う。目がいくつあっても足りないくらい見どころが満載」とコメント。松岡は「殺陣もストーリーもですが、(小池)先生は一切の妥協なく、セリフの言い方ひとつとっても『ちゃんと心を動かして』とおっしゃる。なので、心の動きに殺陣もアクションも全部ついていくよう、稽古をみっちりやりました」と語り、「ある意味“究極の2.5次元”なんじゃないかなと。宝塚でトップを張って、卒業されてもう一度この作品に臨む早霧さん。僕も90年代ビジュアル系の代表として、そういう意味で2.5次元の究極を目指したい」と意気込んでみせ、報道陣を笑わせた。

最後に早霧が「2度目の剣心ですが、今回のキャストの皆さんと一期一会の出会いを大切にして、新鮮な気持ちで1回1回を全身全霊で務めてまいりたいと思います。どうか千秋楽まで見守っていただけたら」と観客にメッセージを送り、会見を締めくくった。

上演時間は途中休憩35分を含む、約2時間55分。東京公演は11月7日まで行われ、11月15日から24日には大阪・大阪松竹座でも上演される。

「浪漫活劇『るろうに剣心』」

2018年10月11日(木)~11月7日(水)
東京都 新橋演舞場

2018年11月15日(木)~24日(土)
大阪府 大阪松竹座

原作:和月伸宏「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」(集英社ジャンプ コミックス)
脚本・演出:小池修一郎
音楽監督:太田健

キャスト

緋村剣心:早霧せいな

神谷薫:上白石萌歌

斎藤一:廣瀬友祐
四乃森蒼紫:三浦涼介
武田観柳:上山竜治
相楽左之助:植原卓也
高荷恵:愛原実花
緋村抜刀斎(剣心の影):松岡広大

加納惣三郎:松岡充

明神弥彦:加藤憲史郎 / 大河原爽介 / 川口調(交互出演)

朱音太夫:彩花まり
関原妙:五條まりな
三条燕:田村芽実
山県友子:月影瞳
セバスチャン:遠山裕介
井上馨:松井工
山県有朋:宮川浩

藍実成、浅川文也、伊藤寛真、祝陽平、大場陽介、黒沼亮、笹岡征矢、寒川祥吾、鮫島拓馬、柴原直樹、高木勇次朗、高頭祐樹 / 楢原じゅんや、西村聡、早川一矢、廣瀬真平、藤田朋輝、山名孝幸、織里織、熊澤沙穂、小板奈央美、杉浦小百合、松村沙瑛子、美翔かずき / 横関咲栄、吉田繭

※高頭祐樹の「高」ははしご高が正式表記。

(c)松竹・梅田芸術劇場、和月伸宏/集英社